コンタクトレンズを乱用すると、将来白内障の手術ができない場合も。

コンタクトレンズを使用する際、酸素透過率の高い製品を選ぶようにお話している理由に、「将来のことを考えて」という事が含まれます。

まず、角膜には角膜内皮細胞という六角形の細胞があり、物を見るために大変重要な役割をもっています。

角膜内皮細胞

(少し見えにくいかもしれませんが、角膜内皮細胞の写真です。クリックすると拡大します)

上の写真は、正常な角膜内皮細胞です。 ひとつひとつが小さくて綺麗な六角形をしています。対して下の写真は細胞の損傷が大きい例です。大きくて、形もいびつです。

コンタクトレンズの長期に渡る使用により角膜が酸素不足の状態になっていると、角膜内皮細胞が少しずつ損傷し減少していきます。

この細胞数が少ないと、白内障の手術後に視力が回復するまでに時間がかかったり白く濁ったまま視力が回復してこないケースもあります。そのため、角膜内皮細胞の数が少ない方は、手術自体ができないということになってしまします。

最初に将来の事を考えてと申し上げたのは、現在20~30代で学生時代からコンタクトレンズを無理して使っている。この先も現在の使用状況をかえりみずに使用したら、こういった事態を引き起こすことになるかもしれません。

角膜内皮細胞は、数日でどうなるというものではありません。今から使用方法を改めれば、減少し始めた角膜内皮細胞を守ることができるかもしれません。未来は変わるかもしれませんから、ご自身の目を大切にしてあげてください。