勘違いされやすい遠視のこと。

子ども後ろの席から黒板が見えない=目が悪い。これは「近視」と呼ばれる目の異常の状態で、遠くは見えにくいのですが、近くは比較的見えます。黒板は見えないけど、手元の教科書やノートは見えます。

これに対し、「遠視(えんし)」と言われる目の異常があります。文字を見る限りでは、近視と反対のことではないか?!黒板は見えるけど、手元の教科書やノートは見ない状態。と思われている方、いらっしゃいますよね?!

そうなのです。「遠くは見えるけど、近くは見えない」と、遠視は勘違いされがちなのです。

残念ながら遠視は、近くはもちろん遠くにもピントが合わず見えにくい状態なのです。常にボンヤリな視界があるのです。

軽度の遠視の場合は、水晶体を膨らませてピントが合うように調節をするので、見えているような状態になります。しかし、この間は常に目の筋肉は緊張状態、非常に疲れやすい状態なのです。さらに常にハッキリと物が見えない状態はとてもストレスになります。遠視の方に、落ち着きがなかったり、集中力に欠けるようなところがあるのはこの目の異常が原因と言ってよいでしょう。

また、遠視になる原因は遺伝的なもので、生まれつき眼球が小さいために起こります。通常は生まれた直後はみんな遠視、成長とともに眼球も大きくなり自然に遠視は解消されるのですが、これが上手くいかないケースも生じます。特に子どもは生まれたときからボンヤリとした視界しか見たことがないので、「見えにくい」という言葉が今の状態に適切なのか判断もできません。さらに子どもは調節力が強く、遠視が隠れているのに視力が1.5も出ているので安心☆なんて捉えられて見逃されてしまうケースも多いのです。早い段階で本当に遠視でないか、しっかりと検査を受けて見極めることが大切です。

遠視は遠くも近くも見えにくい状態である、そして厄介で放置されては絶対にダメなものなのです。