遠近両用コンタクトって、どうして遠くも近くも見えるの?!

遠近両用コンタクトを試したい!と来院される患者さんがよく疑問に思われること。

それは「遠近両用コンタクトって、どうして遠くも近くも見えるの?!」ということです。何となくですが、使用されている遠近両用のメガネについては正面を向いているときは遠く、あごを引くようにしてメガネの下部分のあたりから上手く覗くようにすると近くが見える。ということはご存知のようで、これを元に考えると遠近両用コンタクトレンズは何で見えるの!?って思うようです。

まずは見るときの目線のイメージを考えてみると、メガネとコンタクトではこんな感じの差があります。A)のメガネの見方ではB)コンタクトの見え方の説明は確かにつきません。(下の図はクーパービジョン社の患者さん説明用のパンフレットをお借りしましたっ)
遠近両用のピントB)の見方で遠近両用のコンタクトレンズが見えるということに至るには、脳との連携が必要なのです。

例えば、息子の野球の試合の応援に来ているとしましょう。フェンス越しにマウンドに立っている息子を集中して見ていると、フェンスはその場から無くなった訳ではありませんが、気にならなくなっていますよね。これは、脳がフェンスが無い方が見たい対象が見やすいと判断してフェンスの存在を視界から抑制しているのです。

脳が自然にそうしたほうが都合がよいと判断して、見たい対象を切り替えてくれるっていうことなのですから、人間の脳ってすごいですよね。

この作用を利用して、遠近両用のコンタクトレンズは存在しています。製品によって、度数の加入方法は様々ですが、遠くも近くも見えるような度数を1枚のレンズに組み込み、よりピントが合っていている対象が見えていると認識され、ピンボケしているものを抑制しています。これにより、遠近両用コンタクトは遠くも近くも見えるを実現しています。

ちなみに、あまりフェンスの存在(ピンボケしている対象)を気にしすぎると、遠近両用コンタクトの見え方に支障がでるやもしれませんよ~。