トータル1は現在ワンデータイプのみです。

アルコン社より販売されているコンタクトレンズ「デイリーズトータル1」。同社の宣伝の力もあり、試してみて良かったという使用者の声を最近よく耳にするようになりました。

しかし、ワンデータイプのため毎日使用するにはコストがネックになるところなのです。目の為にはワンデータイプは推奨したいところなのですが、お財布事情では何ともならないことがあります。

毎日使う必要がある、でも何とかコストダウンしたいので同商品の2ウィークタイプはないのかという質問も増えるようになりました。

アルコン社の2ウィークは、「エアオプティクスアクア」という製品が現在流通していますが、これは素材こそシリコーンハイドロゲルで同じではありますが、全くの別物と考えていただくほうが良いでしょう。

トータル1の最大の特長「瞳にうれしい水分三層」、残念ながらエアオプティクスアクアはこの構造ではありません。
トータルワン構造
水分三層はウォーターグラディエントコンタクトレンズと称されていて、レンズコアと表面の含水率に差をもたらした構造のレンズのことです。
目やまぶたに触れるレンズ表面は水分タップリでなめらかで着け心地がよく、コア部分は酸素透過率の高いシリコン素材。まさに良いとこ取りな作りをしているのです。

安易に同メーカーの2ウィークだからと購入してしまうと、使用感やらが全く違うことにもなりますから、眼科でのテスト処方を受けてから購入するようにしたほうが無難です。

クリアデューファーストケア、液体がオレンジ色にならない理由。

ソフトコンタクトレンズのケアとして当院でも推奨している、オフテクス社の「クリアデューファーストケア」。ヨウドによる消毒を行い、アカントアメーバーなどの感染症リスクを軽減させてくれる非常に有能なケア用品です。

ところで、この製品でレンズケアをする場合、専用のケース・錠剤・保存溶解液を使用します。ケースの中に錠剤と保存溶解液を入れると、錠剤の外側にある消毒成分がまず溶け出してオレンジ色に液体が変わるのが普通です。
クリアデュー

しかし、先日同じようにケースにこれらをいれてもオレンジ色の消毒液にならないという事態が発生した患者さんがいらっしゃいました。理由はケースの洗浄に問題があったのです。使い終わったレンズケースは、水道水を掛け流しながら綺麗に洗い、自然乾燥させて次の使用まで待機させますが、ケースを”洗っていない”という場合こんな事態が起きます。

専用の錠剤は、消毒成分が溶けた後に中和成分が出てくる仕組みになっています。レンズを取り出した後に残存した中和成分が、新たに入れた消毒成分を中和してしまったということになります。

この製品に限ったことではありませんが、使用後のレンズケースもしっかりと洗って清潔な状態で使うようにしましょう。

コラーゲンプラグで、ハードレンズの違和感も改善に。

若いときからずっと使用し続けていたハードコンタクトレンズ。最近はゴロゴロ感やら曇る感じがあって不調が続くようになってしまった。更にはレンズを新調しても軽快に至らない。何が原因なのかと考えてしまうことってあります。

ハードコンタクトレンズ年齢とともにずっと使い続けていたハードコンタクトに不調が続く場合、ドライアイが引き金になっていることが多々あります。ドライアイの症状が悪化した場合、目とレンズの緩衝材の役割をする涙が不足し、ゴロゴロと異物感につながります。また、涙で目の表面が潤っていないと、目の中にあるタンパク質や脂質などがレンズに滞留して曇らせます。

ドライアイの症状が軽度であれば目薬を点眼することによって改善されますが、重度の症状になってくると簡単に改善には至りません。

あまりにも酷い症状の場合はレンズ自体を中止してメガネでの矯正を主としていくことが必要ですが、乱視などの影響でメガネでの矯正生活がなかなか難しいという方には、「コラーゲンの涙点プラグ」を用いた処置をしてみると、目の表面に涙を滞留させておくことができるようになるため、前出のような症状の改善が見込めます。

眼科で見えないメガネを掛けた理由は?

「メガネを掛けているのに、見えない~」

視力検査というお子さんの一言。ちょっと心配な一言かも知れませんが、眼科の視力検査のときには、あえて見えないメガネを掛けてもらうことがあります。これは視力が出にくい、調節力がうまく働いていないようなケースのときに行うことがあります。ある程度の調節力の介入をセーブして視力がどのくらいあるのかを調べる準備をしているのです。

20分位ぼんやりとメガネを掛けたまま遠くを見ているので「つまらないな~」と思うかもしれませんが、目を休める意味でもちょっと休憩する感覚でのんびりしていてください。もちろん、途中でテストメガネを外したり寝てしまったりしてはいけませんよ。

そして、この後にもう1回視力検査をするのです。最初に測ったときと、どんな差が出たのか?というのを先生は確認をしています。

眼科で「見えないメガネ」を掛けるのには理由があるのです☆

目薬で目の周りが黒くなる?!

長期的に使わなくてはならない緑内障の治療薬には、目の下が黒ずんでしまうという副作用があります。

ルミガントラバタンズ・ルミガン・キサラタンなどのプロスタグランジン系点眼薬は、緑内障治療の本来の目的、【眼圧を下げる】ということには非常に効果が期待できる目薬なのですが、皮膚に付着すると黒ずみの原因となるのです。目の周り、特に下まぶたのあたりが黒っぽくなってしまうケースが多いのです。これは、目からこぼれた目薬の成分が皮膚に付着して起こります。

そのため、毎晩1回の点眼は「お風呂の前」にすることをお勧めします。緑内障の方が眼圧を下げる薬を点眼するのをやめることはできません。皮膚への黒ずみという副作用がでないよう、シッカリとまぶたのあたりについてしまった目薬の成分は洗い流すようにします。

また、美容目的で「ルミガン」をまつ毛の育毛剤として利用されているという方も、同じように成分が皮膚に付着すると黒ずみますから、十分ご注意ください。市販で購入できるようなまつ毛美容液も同様ですよ。

バイオクレンO2セプトは、クリアデューO2セプトにチェンジ☆

ハードコンタクトレンズの除菌もできる、オフテクス社の【O2セプト】。

以前はこのようにピンク色のパッケージと、オレンジ色の液体+錠剤がセットで販売されていました。
O2セプトインターネット等でも多く流通していて、使用されていたという患者さんも多くいらっしゃいます。

しかし、今はどこで売っているのかという質問を受けることがあります。実はこの商品は、「バイオクレン」というブランドから「クリアデュー」にこっそり?!名称変更されています。同じケア用品を継続したいのであれば、「クリアデューO2セプト」として販売されていますよ。

↓ ↓ ↓ パッケージの色は紫色が目印です。
クリアデューO2セプト除菌成分ポビドンヨードを配合し、ケースに付着する感染症原因菌まで予防してくれます。タンパク質の分解酵素と界面活性剤の効果で、コンタクトレンズに付着している汚れをバッチリ洗浄。

また、指で洗うのが大変な特殊形状のオルソケラトロジーレンズにも適しています。

花粉の時季くらいは、コンタクトはお休みしませんか?

春になると大量に飛散するスギやヒノキによる花粉のアレルギーは今や多くの方の悩みです。普段は何の問題もなく使用しているコンタクトレンズが、外部から目に入る花粉の影響もあり非常に汚れやすい状態にあります。

なかなか普段のコンタクトの生活から、メガネに切り替えるというのは不便と思われる方も多いのですが、放置しておくと大切な目の方が悲鳴を上げてしまいます!

巨大乳頭性結膜炎まぶたの裏をひっくり返してみると、何やら白いブツブツが出来てしまっています。こうなってくるともう、コンタクトどころではありません。コンタクトを装着しても、ずれたり異物感が強くて使用することもできません。

花粉が飛び散り、目のコンディションそのものが悪いときには無理にコンタクトレンズを使用するのは控えて、症状が落ち着くまではメガネを利用するほうが懸命です。

散瞳すると、まぶしすぎるのが困るのです。

40歳を過ぎた方が診察を受けると、必要に応じて眼底検査が行われるケースが多く見受けられます。

眼科医しかし、この眼底検査。検査前に点眼する散瞳剤という目薬によって、瞳孔を強制的に開かせることになります。検査中はともかく、この目薬は検査前より検査後のほうが大変なのです。目薬の効き目が切れるまでの数時間、ともかく近くにピントを合わせることが困難になります。スマホや新聞、小説などを読みたくても読めません。また、ピントが合いにくいので車の運転などを含めて薬の効果が自然に切れるまで待たなくてはいけません。

また、目薬のせいで大変まぶしいという点もあります。検査終了後、外を歩いて帰宅するのに眩しくて大変困ったとういうお声も耳にします。

まぶしさ対策としては、
・サングラスを利用する
・検査の時間帯を昼間ではなく、夕方以降に検査を受けるようにする
など回避方法を考えます。 眼底検査を受ける際は、急ぎの予定ない日を狙って受診しましょう。

最長が14日間、なのです。

2ウィークタイプのコンタクトレンズ、いわゆる2週間定期交換タイプの14日間。この14日間というのは、

” 使用できる最長の日数 ”

という意味なのです。

コンタクトレンズとケース何事もなければ、14日間は洗って使いなおしができます。しかし、開封時から14日間を必ず消化しなくてはいけないわけではありません。途中で真新しいレンズに替えることは、むしろ目にとっては良いことなのです。

とくに今の季節は花粉が飛び散り、コンタクトレンズを使用されている方にとっては異物感を感じたり、炎症をおこしたりしやすいのです。しっかりと洗っているつもりでも、レンズは汚れなどで劣化していきますから、開封初日のコンタクトレンズと14日目のコンディションが全く同じというのは考えにくいものです。

14日間を限度に使用できますが、それ以前に調子が悪くなるのであれば、その時点で捨てて新しいレンズを使用するようにします。

また、どうしても数日で不調が出るのであれば「メガネ」を積極的に使用するようにして、必要最低限でワンデータイプ(1回使いきり)を上手く併用していくと良いでしょう。