視力検査中は、適度なまばたきは必要です。

学校健診で、視力低下を指摘された男の子。数ヶ月前に作った眼鏡を掛けて、結果は左右それぞれCとDの判定。両眼で見て0.5程度。作成時は両眼で1.0が見えるようにしたはずなのに・・、と受診をされました。

ランドルト環急すぎる視力低下を心配をされた親御さんが連れていらっしゃったようなのですが、どうやらその子は視力検査そのものを必死にやりすぎてしまっているのです。ほとんど瞬きもせずに目をカッと見開いて、C(ランドルト環)の向きをただ、ただ、必死に見ているのです。

視力検査を受ける心構えというか、真面目にやろうとするそのお気持ちは十分に伝わるのですが、是非

「まばたきをして下さいねっ!」

人間の目は平均で1分間に15回~20回程度のまばたきをします。ですが、この男の子の場合、必死にランドルト環を凝視しすぎてしまっていて、横から様子を伺ってもまばたきの回数が極端に少ないのです・・。ジッとまばたきもせずに見続けると、どんどん視界はぼやけます。

実は、まばたきをしないと目の表面が乾いてヒリヒリすると同時に、涙が表面に適量ないと物が見えにくく、視力にも影響を及ぼしてしまうのです。ドライアイで視力が出にくくなるのも本当なのです。

視力が落ちてたらどうしよう・・というプレッシャーがあったのか、まばたきもせずに必死にランドルト環を見ていましたが、その男の子にちゃんとまばたきをして見てもらったら視力はしっかりと出て大きな問題はなく経過観察となりました。

視力検査を受けるときは適度に、いえ自然にまばたきをしてリラックスして受けていただければと思います。