乳幼児への眼帯は、むやみにしてはいけません。

お子さんに「ものもらい」ができたり、真っ赤に炎症を起こしている時には眼帯を当ててあげよう!というのはご両親の優しさなのですが、乳幼児の場合、視力が発達しようとしているまさにその最中なのです。

ほんの短期間の間でも、視界「ゼロ」の状態を作ってしまうと、「弱視(じゃくし)」を引き起こす可能性があります。弱視とは、簡単にいえばメガネやコンタクトレンズなどを用いても、視力が出ない状態を言います。

先天性の白内障、まぶたが開きにくいなども視力の発達を阻害する原因のひとつになっていますが、眼帯もこれらと同じ状態をつくってしまっていることになります。

眼帯をしておくと、目を守っているような安心感があるようですが、実は視力の発達には大きな影響を及ぼすことになりかねません。安易に眼帯をすることは避けるようにしましょう。
ただし、眼科医から治療上において指示が出た場合ははずさないようにしてくださいね!

弱視とは?

近視、遠視などあったとき、メガネなどで矯正をすれば視力1.0くらいまで大抵の方は見えるはずです。

しかし、このように矯正を行っても、0.2以上の視力が得られず、かつ原因不明のものを
「弱視(じゃくし)」といいます。

視力は、生まれてから大体6歳くらいまでには大人と同じくらいまで発達をしていきます。
大人になってから身長を伸ばそうとしても、思うようにいかないのと同じで、視力も発達が止まってから処置をしたのでは意味がありません。
ですので小学校入学前までには「見る力」を伸ばさなくてはいけません。

 

実際の治療はというと、ともかく「目を使って物を見る」ということです。

 

 

年齢が小さければ、小さいほど直る確率は高くなります。
きちんと3歳児検診などを受けていれば、おそらく発見されますが、
そのまま放置・・・なんてことになったら一生ぼやけた視力で生活しなくてはなりません。

3歳くらいだとある程度の会話はできるようになると思いますが、
自覚症状として「見えにくい」ということを発してくれるかは疑問が残ります。

ともかく早期発見が、治療の第一歩となりますので、定期的に小児眼科にて
視力のチェックを受けるようにしましょう。

外で遊ぶ子と遊ばない子、近視になる確率に大きな差がでます。

ここ10数年、テレビゲームの出現により
子供が外で遊んでいるのを見る機会が減ってきたように感じているA子です。

 

ではここで、子供の目が近視にならないようにするために
どちらが効果的か、という点を考えて
A:「外で遊びなさい」
B:「ゲームは30分まで!」
どちらの方を重要視して、注意したらよいと思いますか?

確かにどちらも大切な事なのですが、
正解は「A」です。

ゲームだけに限らず、部屋の中での活動時間を短縮させるよりも、
外で遊ばせる(活動する)時間を多くとらせるほうが、子供が近視になる確率が低い!
という報告が上げられているようです。

これも、とある某メーカー営業マンさんからの口コミになるのですが
ちょっと耳よりな情報でした。
海外の例ではありますが、
遺伝的要素・人種的要素も同程度の児童(日本で言えば小学1年生)を対象に
どのくらいの割合で近視の子供がいるかを調べた結果、

A地域で生活をする児童の近視率は3.3%
B地域で生活をする児童の近視率は29.1%

さらに読書などをする時間は、Aグループの児童の方が長かったとのこと。

あら?読書(マンガやゲームもこの主の作業ですよね)が多いのに、
近視になってないの?と思いました。

 

そして、何がここまで近視率の差を広げたのかと言うと、
A地域の子供たちは、
外で遊ぶ時間が長かった!!ということでした。

 

外で活動することが、目の調節緊張状態を緩和させ、
近視になるリスクを回避したのではないか。
と、結論付られたようです。
読書などをする時間が長くても、この結果がでるのであれば
いかに成長期の子供が外で遊ぶことが大切なのか
わかる気がします。

お子さんが近視になる確率を下げるには、
「外で遊ばせること」
これが一番効果をなすという結果でした。

実際問題としては、遺伝要素や様々な生活環境が関係してきますが
是非、ご参考になさってみてください。

子どもの視力の発達について。その2

昨日、子どもの視力の発達についてお話しました。視力の発達途中で物を見ることをしないと弱視になってしまいます。では、物を見ることができない状態とはどのようなことなのか補足としてもう少しまとめてみます。

まずは、「斜視(しゃし)」です。斜視があると両眼で物をみることができません。左右の視線が違う方向を向いてしまっていて、それぞれの目で見たものが1つにまとめられません。例えばテーブルの上にリンゴが1個あったとします。右目で見たリンゴの位置と左目で見たリンゴの位置にはズレがあります。通常は脳と連携をしてリンゴが1個に見えますが、斜視がある方はこれができません。そのため、リンゴが右目で見た位置と左目で見た位置にそれぞれあるように見え、2個あると認識します。人間はこのようにダブって見えることに非常にストレスを感じますので、何とかクリアに見えるように補正を行おうとします。この補正が、片目を使わないという方法になってしまいます。この状態を放置すると使わない方の眼が弱視になる場合があります。

次は「遠視(えんし)」です。遠視があると実は遠くも近くもハッキリ見えません。遠視が強度の場合はいつもぼんやりとしか見えていなくて視力の発達段階でこのような症状が起きていると視力が発達せず弱視になる原因となります。

その他、先天性の白内障等をはじめ他の病気によるもの、視力の発達時期に眼帯をつけっぱなし(3日~1週間程度も含む)にしている等、物を見ることができない状態を作ってしまうと弱視になる恐れがあります。眼は一生使う大切なものです。きちんと視力発達がされるよう注意する必要があります。

子どもの視力の発達について

お子さんの視力ですが、ちゃんと見えているかどうか気になりますね。では、人間の目というのはいつぐらいから見えるようになっていくのでしょうか?

まず、生まれたばかりの赤ちゃんです。生まれたばかりですと 「明るいのか暗いのか」この程度がわかるくらい見え方と言われています。その後、約1ヶ月程度で「物の形」を2ヶ月程度で「色」、4ヶ月程度で「動く物を目で追える」くらいになります。そして、6才程度で大人と同じくらいの視力になるとされます。

6才というと、ちょうど小学校に入学する頃です。この時期までに視力がきちんと発達しているようにする為には、常に「物を見る」ということを行なう必要があります。とくに何か訓練をするということではありません。自然に目で物を見ればよいのです。視力は物を見ることにより発達していきます。物を見ると、脳が目から受けた刺激を正しく判断するようになります。たくさんの物を見ているうちに自然と力がついてくるように なります。

では、この「物を見る」という動作が正常に行なわれなかったら どうなるのでしょうか?視力の発達途中で、「物を見ること」がなされないと発達が抑制され、視力がでなくなってしまいます。こういった症状を弱視(じゃくし)と呼びます。3歳児検診くらいまでに発覚した際は、 すぐに処置を行なえばよくなる可能性は高いとされています。視力の発達を抑制されていた期間が長ければ長いほど、回復する確率は低くなっていきます。早期の発見が鍵です。放置してしまうと、その子は一生視力がでないまま人生を送ることになってしまうかもしれません。 ともかく、放置は禁物です。

弱視が発覚した場合の処置法ですが、基本的には遠視が原因の際はメガネをかけて矯正していきます。その他の場合はよく見えている方の目を遮閉して、弱視の目を無理に使わせるといった方法がとられます。 ともかく起きているうちはずっと訓練ということになりますので、 眼科にいるときだけでなく自宅にいるときもずっと 継続する必要があります。まずは、定期的な視力検査を受けて視力の発達が妨げられていないか確認することが 良いでしょう。

自宅でも、
・目を細めて物を見ている
・テレビなど間近で見ている
・首をかしげる感じに見ている
といった症状をはじめ何か気づいたら、すぐに先生に相談しましょう!

ちなみに、一般的に目が悪いということで メガネをかけて 視力1.0が見えるような場合は弱視ではありません。 弱視の場合は、視力そのものが出ない状態です。 いくらメガネやコンタクトレンズなどを使用しても十分な視力を得ることができません