眼底検査で見つかるのは、目の病気だけではありません。

健康診断など、必ずといってよいほど項目に含まれている「眼底検査」

眼科医眼底を見れば、血管がわかる、血管がわかれば病気がわかる、というほど重要な検査の1つです。

眼底検査は検査用の目薬をさして、まぶしい光を当てながら目の奥「眼底」を眼科の先生が肉眼で観察します。眼底を見ると、網膜血管や視神系の末端がはっきり見えるので、血管が詰まって出血があったりするようなことがあれば糖尿病などを始めとした内科系の病気が発見されることがあります。

また、糖尿病と診断されると内科の先生から眼底検査を受けるようにと指示されると思いますが、眼底検査を受けたら糖尿病だとわかったという逆からの発見パターンもあるのです。

40歳を過ぎたら1度は〇〇健診をという呼びかけをよく耳にしますが、本当にその通りなのです。早期に発見できればすぐに治療を開始することができて、苦しい思いを減らすことができますからね。病院嫌いという方も多くいらっしゃるとは思いますが、その病院に長くお世話にならないための健診と考えてみるのもよいのではないでしょうか。

散瞳すると、まぶしすぎるのが困るのです。

40歳を過ぎた方が診察を受けると、必要に応じて眼底検査が行われるケースが多く見受けられます。

眼科医しかし、この眼底検査。検査前に点眼する散瞳剤という目薬によって、瞳孔を強制的に開かせることになります。検査中はともかく、この目薬は検査前より検査後のほうが大変なのです。目薬の効き目が切れるまでの数時間、ともかく近くにピントを合わせることが困難になります。スマホや新聞、小説などを読みたくても読めません。また、ピントが合いにくいので車の運転などを含めて薬の効果が自然に切れるまで待たなくてはいけません。

また、目薬のせいで大変まぶしいという点もあります。検査終了後、外を歩いて帰宅するのに眩しくて大変困ったとういうお声も耳にします。

まぶしさ対策としては、
・サングラスを利用する
・検査の時間帯を昼間ではなく、夕方以降に検査を受けるようにする
など回避方法を考えます。 眼底検査を受ける際は、急ぎの予定ない日を狙って受診しましょう。

眼底検査を受ける方は、帰宅時にサングラスがあると便利です。

目の病気を見つけるために、眼底検査を受けようと思っている方は是非サングラスをご持参ください。帰宅する際、まぶしさを軽減するためです。

眼底を検査するときに、瞳孔が収縮してしまうと見える範囲が狭くなりほんの中心部分のあたりしか見えません。そのため目薬で瞳孔を強制的に広げて、目視できる範囲を広く確保します。そして目の奥に異常がないかを発見するのです。

瞳孔を広げなくても、眼底の中心あたりは確かに見えるのですが、眼底内で出血などが起きていないかを見る場合ですと中心部分だけをみてもあまり意味がありません。広範囲が見える状態で確認しなければなりません。糖尿病などを患っている方は、必ず瞳孔を開いて検査しているのはこのためです。

そして検査が終了しても目薬で開いた瞳孔は4時間程度は開きっぱなしです。自然にもとに戻るのを待つことになります。瞳孔を閉じることができないので特に昼間は太陽の光が眩しく感じ、夜でも車のライトなどが眩しく感じてしまいます。

OCT導入!眼底のより精密な検査が可能になりました。

OCT検査今月より、光干渉断層計(OCT)を導入しました。

「人間ドックなどで眼底を詳しく検査してきてください」と言われた場合、まぶしい光を当てながら眼科医が目の中を覗く「眼底検査」を受けると思います。この眼底検査は、網膜の表面の部分を見ていて、眼底がどのような状態であるかというのは先生にしか見えませんでした。

しかし、OCTにより網膜の断面を見ることができ、さらには受診いただいている患者様本人にもご自身の眼底部分がどういった状態になっているのか撮影した画像を実際に見ていただくことができます。

OCTの機械にも様々ありますが、3マイクロメートルという業界最高の高解像度(深さ方向)を備えた機械を導入しましたので、網膜の状態を高画質で撮影することができ、高い精度で病巣を見ることが可能です。

失明原因として眼科で恐れられている緑内障や黄斑変性症などをより早期に発見することができ、治療経過状況の把握に大変役立ちます。

検査は検査台にお顔をのせたまま、画面に出てくる一点を見てるだけで終了します。今、自覚症状なしという方でも、40歳を超えたら年に1度は眼底の精密検査は必要と言われていますので、受けたことがない!!とい方は、1度先生の検査を受けることをお勧めします。

さくら眼科では予約不要、ご都合のよろしいときに来院いただければどなたでも当日すぐにOCT検査を受けられますよ。

近視の度数が強い方は、眼底検査を受けましょう。

ひとことで近視と言っても、度の弱い方から強度の方まで様々です。中でも、注意していただきたいのはやはり『強度』の近視の方です。

通常、近視の度が強い方は眼軸が長いとされ、網膜(いわゆる物を映し出すスクリーンの部分)が薄くなりがちです。この部分が薄いと、破けて剥がれやすくなります。

映画館のスクリーンを思い浮かべてみて下さい。スクリーンに穴があったら、その部分が見えにくいですよね。目の中も同じような作りになっていて網膜が破れたり、めくれたりして異常があると物が非常に見えにくくなります。こういった症状が、強度の近視を持っている方は起こりやすい状況にあるということを覚えていてください。

また、小さな穴だと、見えていないことに気が付きにくいのです。そして、自覚症状が出た時には大変な事になってしまっている可能性もあります。定期的に眼底を確認して、異常ない状態であったかを確認してもらっておくと安心ですね!

★★★このような症状を確認するための眼底検査は、お薬で瞳孔を広げて検査をします。数時間、ピントが合いにくくなりますので車の運転や細かい作業はできなくなります。公共の交通機関を利用して来院ください。

人間ドックで言われた「ドルーゼン」って何?

人間ドックで、眼科受診をという指示をもらうというかたも多いですよね。その理由が『ドルーゼン』って、書かれている方がいらっしゃいます。眼底(目の奥)を精査してもらうようにとの記載があります。

ところで、一般的に「ドルーゼン」なんて言葉をお聞きになられたことはありますか?普通に生活していたら、あまり耳にしない言葉です。

簡単に申し上げると、ドルーゼンとは眼底にたまった老廃物「ゴミ」のようなものです。これは、年齢とともに自然に溜まっていくものです。このドルーゼンが溜まりすぎると、『加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)』という病気にかかります。

加齢黄斑変性は長い年月をかけて起こるので、自覚症状としてあまりこの病気にかかっているという変化に気がつきません。気が付かないうちに目の奥の網膜が萎縮して、徐々に弱り出します。網膜は光を感じ取る部位です。ここが弱ると視力が低下し、見えにくくなっていきます。そのために見たい部分が見えないという残念なことが起こります。

特に片目が見えている状態の場合、極めて病状が進行していることに気がつきません。定期的な眼底検査を受けることで、問題ないということを眼科医に確認してもらうと安心できますよね!