糖尿病網膜症と失明

糖尿病網膜症日本での失明原因の第1位は「緑内障(20.7%)」ですが、それに次いで「糖尿病網膜症(19.0%)」が挙げられています。年間約3,000人の方が視覚障害に陥っているという現状です。

先天性(生まれた時から)の視覚障害の場合は、その時からどのように生活していけば良いかという視覚だけに頼らない訓練をすることで生活する作法を身に着けることができます。しかし、途中で失明に陥った場合は今までの生活を著しく損なうことになってしまいます。

糖尿病網膜症は、血糖値が高く血液がドロドロになり血管の流れを悪くし詰まらせ、眼底出血を引き起こします。そのため網膜への酸素不足が起こり、不必要な血管が新たに作られていきます。この新たにできた血管はもろく破裂や出血を起こしやすいもので、硝子体出血や網膜剥離などにつながっていく結果となります。

視機能を維持するために、糖尿病と診断されたら必ず医師の診断に従い、うまく血糖のコントロールを行っていく必要があります。

網膜症がまだ発症していないケースでも、半年に1度・網膜症がある患者さんではその症状により1~3か月に一度・硝子体出血が起きてしまっている場合は2週間に1度を目安に、眼底検査を受け症状を把握していくことが大切です。

糖尿病から目を守る。

糖尿病の3大合併症の一つ、目には「糖尿病性網膜症」という病気があります。しかし、糖尿病性網膜症そのものを治す特効薬はありません。一度糖尿病にかかったら完治はしません。血糖値をコントロールすることによって、病気とうまくつきあっていくほかなりません。

ところで、まず糖尿病にならないようにするにはどうすればよいでしょうか?!一番の予防は「規則正しい食生活を送る」ということです。

(1)3度の食事をよく噛んで食べる
ゆっくりよく噛んで食べることにより、大量に食べることを防ぎ、すい臓にかかる負担を軽減させる。

(2)野菜から食べて、主食(ご飯やパンなど)を食べる
食物繊維を含む野菜を先に食べることによって、血糖値の上昇をゆるやかにします。

(3)適度な運動をする
食べるだけ食べて、エネルギーを消費しない。というのは、糖尿病に限らず慢性疾患におちいりやすい原因のひとつです。

すぐにでもできることは、たくさんあります。
まずは、規則正しい食生活を送ることを心掛けてみてください。

11月14日は世界糖尿病デーです

目に関しても、大きな合併症をもたらす糖尿病。眼科においても内科の先生との連携をはかり異常が出ないよう診断を行っておく必要があります。

そもそも糖尿病とは、血糖値が高い状態が続き全身の血管や神経を障害させる病気で長い年月を経てその症状が発症します。血糖値が高くなる原因には、インスリンという血糖値を下げるホルモンが影響します。このインスリンの出が欧米人よりも悪く日本人は、糖尿病になるリスクが高い民族という位置づけです。食生活などに大きく影響されますが、体質的にインスリンの出る量が少ないのであれば同じ生活をしていても差が出るということになります。

世界中でも日本は6番目に糖尿病患者の多い国といわれ、推定患者数1070万人とされています。年間の糖尿病性網膜症での「失明者」の数は3,000人を超えています。目では失明という一番恐ろしい合併症を起こすほか、腎症を併発して人工透析になったり、神経障害で足を切断することになる方もいます。

残念ながら、初期ではまったく症状がありません。自覚症状で気づくということはほぼないといってもよいでしょう。症状は10年くらいの年月をかけてゆっくり進行しますので、合併症を発症させないためには定期的な検診を受けて、医師の診断を仰ぐことが大切です。

また、内臓脂肪が多い方だとインスリン注射などが効きにくくコントロールが大変になります。
糖尿病予防にジョギング

軽めのウォーキングやジョギングなど、毎日続けられる運動をプラスし、規則正しい食生活を送ることを心掛けます。まずは糖尿病にならない生活を送ることを意識しましょう。

糖尿病の症状をチェックしてみましょう。

糖尿病にかかると、全身のコントロールが必要になります。
そして食事制限はもちろん、様々な合併症を生じる危険があると
以前よりお話させていただいています。
眼も失明する危険のある「糖尿病性網膜症」という合併症に十分注意して
いく必要があります。
(★過去の記事はコチラです

糖尿病かも・・と疑う症状として

  1. のどが渇いて水をよく飲む
  2. トイレに行く回数が多い
  3. 体が疲れやすい
  4. 立ちくらみや、体の痺れがある
  5. 食べても太らない

こういった症状が出ている場合は、一度検査を受けるほうが良さそうです。
糖尿病かどうかは、採血や尿検査の結果などで判断されます。

健康診断とかの採血検査の結果でも、ご覧になったことはあると思いますが、
★血糖値(空腹・随時・2時間値など)
★HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)

この検査値の結果を見てみましょう。
特に、空腹時血糖値126以上で、さらにHbA1cの値も6.1以上である
糖尿病と診断されます。

 

糖尿病は4つの種類に分類され、
●1型糖尿病
●2型糖尿病
●遺伝等による糖尿病
●妊娠糖尿病

そのうち、約9割が「2型糖尿病」と診断されています。
これは、「肥満」に起因するといっても過言はないでしょう。
運動不足や食生活による内臓脂肪の増加が原因で起こっているようです。

常に、「消費カロリー>摂取カロリー」の状態を保てば、
この2型糖尿病の回避率は上がっていくことでしょう。

 

遺伝的に防げないものなどあったとしても、
自己防衛できるものに対しては気を引き締めて
糖尿病にならないよう、十分に生活習慣に気をつけたいものです。