視力という数値より、見えているという満足感が大切です。

以前にも少しお伝えしたこともあったと思いますが、患者さんが考える視力と眼科側が考える視力にはちょっとした違いがあります。

視力検査例えば、視力はどのくらいですか?

という、一般的にいう「視力」は患者さんたちは【裸眼でどのくらいの視力】というのを気にされていて、眼科側は【矯正した視力がどのくらいまであるか】というのを気にしています。実は裸眼よりも、矯正を行っても視力が出ないと何か病気があるのではないかという疑いを持つきっかけになるのです。たとえ裸眼で0.02とかしか見えていなくても、メガネなどで矯正をすれば1.0まで視力が出るのが確認できれば問題なさそうだな、というひとつの目安になります。

では、メガネなどをトライアルする際に

1.0見えないのでは弱いでしょうか?

という視力を表す数値をとても気にされる患者さんからの質問が大変多いように見受けられます。1.0見えるようになるメガネと0.9まで見えるメガネ、さてどのくらいの差がありますでしょう?

老眼が始まりかけた目に対してどうでしょう?パソコンやスマホなど、日中はほとんど近距離のものしか見ないという目に対してどうでしょう?掛ければ1.0見えるメガネでも、度がきつくて感じてフラフラになりそうなのってどうでしょう?

視力という数値はこの場合は1つの目安であり、1.0にならなければいけないという決まりではないのです。自分で掛け心地がよく、生活に不便が出ないような見え方で満足できていれば1.0が必ず見えなくても快適なはずです。眼科側としては、1.0の視力を出すより、患者さんが快適に使えるメガネができるかどうかを気に掛けているのです。

高眼圧症

眼圧の正常範囲は10~20mmHgとされていますが、健康診断などで眼圧を測定し数値が高いと緑内障の疑いがあると指摘され、眼科での精密検査をすすめられます。

緑内障は眼圧が高くなることによって視神経が圧迫され、損傷することで視野が欠けるなどの症状が出てくる病気です。
しかし正常である眼圧値を超えていても、視神経の異常や視野の欠損といった緑内障の症状がおこらない人もいます。「高眼圧症」と呼ばれています。

ただし、高眼圧症と診断されても緑内障に移行する場合もあります。高眼圧症の患者さんの中で緑内障になる方は10年の経過で10%程度と言われていますが、緑内障の予備軍ではあるため、定期的な眼圧検査や視野検査などが必要となってきます。
自覚症状がないため、定期的な検査を受けなくなってしまう方もいますが、自己判断でやめてしまうとその間に症状が進行してしまっていることもあるので、必ず定期的に検査を受けるようにしましょう。

数か月でも近視は進行します。

昨年末にお子さんのメガネを新しくしたばかりなのに、もう度が進んで合わなくなってしまった。このような残念なご経験をお持ちの方も多いと思います。

メガネの子成長とともに近視は進行するケースが多く、ほんの数か月で一気に度が変わるということも実は珍しいことではありません。

しかし、進行してしまった近視をなかったことにすることはできません。その都度目に合うメガネを調整する必要があります。

すぐに度が合わなくなってしまったメガネを、作ったばっかりで勿体無いからと無理に掛けているほうが問題です。見えづらく不便ですし、さらに近視や乱視を進行させる原因にもなると言われています。学校生活でも黒板が見えにくい、運動するにもゴールなどの目標物が見えにくいので、お子さんが授業をつまらなく感じてしまうこともあります。

大抵のメガネ屋さんでは新規の購入時に交換保証がついてくると思いますので、視力の変化がでやすい時期はなるべく保証期間の長いところで購入することも考えておくと良いでしょう。

ブルーライトカットメガネ、コンタクトレンズ上にするなら度無しで。

仕事上はもちろん、パソコンやスマホの画面を長時間見ている方が大勢いらっしゃいます。最近では若い方でも目の疲れや、老眼のような症状を訴えるかたも多いのです。

眼精疲労原因はこのような電子機器から発せられるブルーライトだといわれています。ブルーライトとは、人間が認識できる可視光線のなかで一番強いエネルギーの光で、目にも大変な負荷がかかるのです。

まずは電子機器の使用を必要最低限にするよう努力が必要ですが、仕事などでなかなか上手くいかないのも現実です。長時間画面を見なくてはならないような場合は「ブルーライトカット機能」のついたメガネを利用すると良いでしょう。

また、日常生活にはコンタクトレンズを利用しているという比較的若い世代の方であれば、このメガネを度無しにして併用します。視力はコンタクトレンズで矯正、ブルーライトはメガネで軽減。という使い方ができます。

少しでも目に対する負担が減るように、できるところから改善してみましょう!

メガネの寿命ってどのくらい?

よくコンタクトレンズにはハードなら2年くらい、ソフトなら1年くらいというようなレンズの寿命があると言われています。では、メガネの寿命ってどのくらい?と思われる方もいらっしゃると思います。

メガネ結論からいえば、コンタクトレンズで言われているような「決められた寿命はない」と言えます。度が合わなくなった、レンズに傷がついた、フレームが曲がってきたなど必要に応じて変えていく必要はありますが、一定の期間までという区切りはなさそうです。

ただ、手入れを含めた取り扱いをきちんとしていけば、傷や破損などにより作り変える頻度が減るので必然的に寿命が延びるはずです。

メガネを外した後に汗や汚れなどをこまめに拭く、レンズ面に傷が付かないように床に置かない、掛け外しは両手でするなど、小さなことではありますが日々の使用に気を遣っていけば数年は問題なく使えるという方が多いようです。

眼圧チェックのために、診察時間を変えてみましょう!

緑内障になると、まずは目薬を使い眼圧をコントロールしていくことになります。定期的に診察を受けていただくようにもなるのですが、大抵の方のライフスタイルって決まっているようで、受診される時間帯もだいたい同じくらいの時間に受診されることが多いのです。

時計ところが、眼圧の値については「日内変動」があり1日のうちで約5mmHg程度の変動幅があり、緑内障の方だとこの3倍程度の変動値があるといわれています。

午前中に最高眼圧値になる方もいれば、夜になるという方もいらっしゃいます。眼圧値が上昇して視神経にダメージを与えるのが緑内障ですから、最高眼圧値がどのくらいになっているかというのも大変重要な点です。あわせて視野や視神経の状態を先生にチェックしてもらうことも大切です。

そのため、いつも午前中に受診しているな~という方は午後の診察へ。あるいはその逆というように診察にいらっしゃる時間を変えて眼圧値をみていくのもよいかもしれません。当院は平日であれば19時、土日祝は17時まで受付ていますよ。

結膜炎の原因について。

結膜炎結膜炎の原因には大きく分けて3タイプあります。

*アレルギー

*細菌

*ウィルス

これらが原因で結膜炎を起こすのですが、どれが原因で炎症が起きているのかは自己判断ではなく、眼科の先生の診察を受けて指示を仰ぐようにすることが大切です。

今の季節柄、眼が充血したり、かゆみが出ていたら「花粉症」によるアレルギー反応だと思い込んでしまう方がいらっしゃいます。

放置していたら、あっという間に症状が悪化なんてこともあるのです。アレルギーが原因の場合は感染はしませんが、細菌やウィルスの場合は他の人に感染していく危険があります。周囲の人も、目を赤くしている方に気がついたら眼科へ行くように是非、教えてあげてください。手洗い・消毒も忘れずに行うようにして、自分も結膜炎にならないように予防することも必要です。

花粉によるアレルギー性結膜炎

花粉症で来院される患者さんが1月の下旬頃より増えてきました。
目がかゆい時にやってしまうのがこすってかいてしまうことですが、目の表面を傷つけてしまったり、目の周りでおきている皮膚の炎症なども悪化させてしまう恐れもあるので絶対にやめましょう。
花粉症による目のかゆみはアレルギー性の結膜炎です。アレルギーの元となるアレルゲンは一年中ありますが、この時期に目のかゆみを感じる人はスギやヒノキなどの花粉が原因と考えられます。
アレルギー性結膜炎の主な症状には目のかゆみ、充血、目やに、まぶたの腫れなどがあります。花粉症はある日突然発症します。去年までは大丈夫でも、今年は花粉症を発症することがあるのです。目のかゆみがあるけど私は花粉症じゃないから…と我慢しないで対策を考えることが大切です。
例年花粉症に悩まされている人は早めの対策が大切です。外出時にはマスク、花粉をシャットアウトするようなメガネをかける、帰宅した際にはよく花粉をはらってから家に入る、さらに症状がひどい人は洗濯物もこの時期は部屋干しにすることなどを実践してみるといいかもしれません。コンタクトレンズは花粉が付着しやすくアレルギー反応をおこしやくするため、一日で捨てられるワンデイタイプのものに変えたりメガネにするなども効果があります。
花粉症の症状がひどい人は病院で点眼薬や点鼻薬、内服薬などを処方してもらうことをおすすめします。
早めに対策をして花粉の時期を乗り切りましょう。

コラーゲンプラグでドライアイが軽症に!

本当に重度のドライアイ症状でお悩みの患者さん、特にシェーグレン症候群のような「涙が極めて少ない」「目の表面に傷が多い」といったケースの場合、涙点プラグによる処置を行うと症状を非常に軽くすることができます。

当院でも使用しているコラーゲン製の涙点プラグは、安全性が高く生体親和性に優れたアテロコラーゲンを原材料としています。シリコン製とは違い、非常に柔らかいので処置後の異物感や周辺の組織への刺激がほとんどありません。液体であるので涙点のサイズを問わず処置が可能なのです。

実際に処置を行った患者さんからも、「とっても楽になった!」「目薬を差す回数が極めて減った!」「異物感がゴロゴロ感が改善された!」など、喜んでいただいたお話を耳にします。

涙点人間の目には、上下左右合計4つの涙点があります。涙腺から分泌された涙は、涙点から出て鼻へ流れ出て行きますが、コラーゲンプラグはこの涙点にフタをして涙を溜めておく役割をするものとお考えください。
また、液体コラーゲンは2ヶ月程度で吸収されてしまいますので、効果が薄れてきたときに再度注入を行うようになります。

涙点プラグをご希望の方は、一度診察にてご相談ください。

目薬は数多く使えば安心?!

目薬何かツライ症状があるとき、薬を飲めば何とかなる。そのように思われるのは自然なことなのですが、本当に必要かどうかをよく主治医の先生と相談いただくのが先ず必要なことです。

眼科で処方される目薬であっても、「たかが目薬」と思わずに「薬」として考えてくみてください。目薬でも喘息を悪化させたり、肺や心臓にまで影響を与えることもあるのです。点眼する目薬の数が増えればそれだけ副作用のリスクも2倍、3倍と高まるのです。

また、数多くの目薬を点眼すると本当に効果を出したいお薬が作用していないという事もあるのです。

複数の目薬を点眼するときには、先に点眼してから最低でも5分は時間をあけてから次の目薬をさすことが必要です。時間をあける理由は、先に点眼した目薬が後から入ってきた目薬に押し出されてしまうからのです。複数の目薬をしっかり点眼しているのに効果が出ないという方の理由もここにあるのです。

そういった事から考えると、複数の目薬をさしておけば安心!という訳ではなく、むしろ「気をつけなければならない」とお考えいただければと思います。

眼科の先生方も極力リスクは減らし、でも必要な薬は使用しなければならないので非常に考えながら患者さんごとにケースバイケースで対応をしていらっしゃるのです。