マイナ保険証って使っていますか?

マイナ保険証の利用率ってどのくらい?


当院ではすでにマイナ保険証の確認端末を導入しています。マイナンバーカードを保険証と連携して使用することが可能です。暗証番号でも、顔認証でもできるような機械を設置しています。

しかしながら、利用されている方って本当に少ないというのが日々実務を行っている者の感じているところであります。

マイナ保険証

そもそものマイナンバーカードの普及率については、現在人口の7割程度になったとされています。では、マイナ保険証の利用率というのはどの程度なのでしょうか。この点について厚生労働省が2024年2月6日付で発表しています。(以下、わかりやすい日経新聞の記事をそのまま紹介します)

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健康保険証をマイナンバーカードと一体にした「マイナ保険証」について、国家公務員の利用率が2023年11月時点で4.36%だったと発表した。武見敬三厚労相は同日の閣議後の記者会見で「率先して使っていただくよう働きかける必要性を改めて認識した」と述べた。

厚労省が国家公務員の利用率を公表したのは初めて。同省だけ見ると4.88%だった。

政府は23年12月に現行の健康保険証を24年12月2日に原則として廃止することを決めた。全国のマイナ保険証の利用率は23年12月時点で4.29%で、8カ月連続で低下している。

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マイナ保険証は何故普及されないのでしょう?


利用率4%台では、”利用率は低い”と判定されるべき数値かと思われます。

マイナ保険証が普及されない理由として、デジタル庁の発表においては「情報流出が怖いから」(35.2%)「申請方法が面倒だから」(31.4%)、「カードにメリットを感じないから」(31.3%)が3大理由として挙げられています。

相次ぐ人的な登録ミスにより、個人情報の保護の観点から「マイナ保険証は信頼できない」という認識が強まっているように感じます。国家公務員の皆さまですら、利用率4.88%というのは多大な税金を費やし推進されてきた方々が叩き出す数値なのか些か疑問なところです。

他にも、実際に運用は始まっているのに事務的な処理の遅さが非常に目立ちます。

具体的に申し上げると、転職なさった時など、マイナ保険証に新しいデータが反映されるまでに非常に時間がかかっています。そのため、マイナ保険証を使用するにもすでに資格喪失した保険証のデータが残っていて医療現場も患者様自身も迷惑を被る事があります。

例えば、

1/31 前職退職
2/1 新職場に就職
2/8 医療機関受診。新しい会社で手続き中のため保険証がなく、マイナ保険証利用。マイナ保険証のデータに新職場のものが反映されていない。⇒自費負担となる

わざわざ、健康保険資格証明書という用紙を持参された方も保険者の認印がないためマイナ保険証でデータを確認させていただくと、ほぼデータが反映されている事がないのが現状です。また、健康保険資格証明書は保険者の認印(会社の印鑑ではありません)があって初めて効力を発揮します。持参される際はご注意願います。

また、マイナ保険証の操作で顔認証したりするのも足が悪い方だと大変なのです。機械画面にお顔がうまくうつらない(設置台に届かない)とか、暗証番号を忘れてしまったとかいろいろ。クリニック側もスペースの関係で設置場所がカウンターだけでは十分に活用できないという現状もあります。

現行の保険証はいつまで使える?


現在の健康保険証は2024年12月2日に発行停止と閣議決定されています。この日以降は健康保険証の新規発行をやめ、マイナンバーカードと健康保険証が一体の「マイナ保険証」へ移行される事となります。転職をしたり、保険証の有効期限が切れて新しいものへ更新する際、従来のような保険証は発行されないという事になります。

現状を鑑みますと、あと10ヶ月でマイナ保険証への移行が本当にスムーズに行われるか疑問が残るところです。保険証のかわりに資格証明書を発行するとかも言われていますが、それなら従来の健康保険証を発行したほうが手っ取り早いのではないかとも思われます。

とりわけ新規の発行が停止となるので、現行の保険証がいつどのように回収されるかによって対応が変わる事と予想されます。

マイナ保険証のメリットは?


現時点においては、非常にデメリットの項目が多く目についてしまいますがメリットはないのでしょうか?いくつか思い当たる点を挙げてみます。

●医療機関での受付時間の短縮と医療費削減
データが受付と同時に確認登録できるので、受付職員のカルテ手入力が等が省けます。初診時には数十円ですが、患者様の医療費ご負担金が減ります。

●受診の本人確認ができる
友達や兄弟の保険証で受診される事が防止できます。無駄な医療費の削減に繋がります。

●健康診断や薬剤履歴が確認できる
薬剤の禁忌や重複処方を未然に防ぐことができます。

いかがでしょうか。デメリットを払拭するだけのパワーがありますでしょうか。利用するか否かは個人的な判断になるかとは思いますが、根本的な個人情報漏洩問題のあたりを何とかしない限りマイナ保険証の利用率というのは改善されないのではないでしょうか。