子どもの近視進行抑制薬「リジュセアミニ点眼液0.025%」|小児近視の新しい治療法

~増える子どもの近視、早めの対策が大切です~

スマートフォンやタブレットの普及により、近年、子どもの近視は増加傾向にあります。特に学童期の近視は進行が早く、将来強度近視になる可能性があります。強度近視は網膜剥離や緑内障、黄斑変性などのリスクを高めるため、早期からの進行抑制が重要です。

リジュセアミニ点眼液0.025%とは

 リジュセアミニ点眼液0.025%は、有効成分アトロピン硫酸塩を低濃度で含む点眼薬です。2024年12月に厚生労働省から日本で初めて製造販売承認された小児近視進行抑制薬として、安全性と有効性が確認されています。

1日1回の点眼で近視進行を緩やかにし、将来の強度近視リスクを減らすことが期待されます。

リジュセアミニ点眼液0.025%

期待できる効果

当院では近視の進行を60%抑制するとされた「マイオピン」を積極的に処方しておりましたが、この度より安全性の高い参天製薬社の国産製剤「リジュセアミニ点眼液0.025%」に切り替える運びとなりました。防腐剤フリーで、衛生面でも考慮された1回の使い切りタイプです。

学童期の近視進行速度を抑える効果が報告されています。ただし、完全に近視の進行を止める薬ではありません。効果には個人差があり、点眼と並行して生活習慣の見直しも大切です。

使用方法

通常は1日1回、寝る前に両眼へ1滴ずつ点眼します。翌朝は洗顔や洗眼で点眼液を軽く洗い流してください。用法用量は必ず眼科医の指示に従い、自己判断で中止する事はお避け下さい。

副作用と注意点

まれにまぶしさやピントの合いにくさが出る場合があります。異常を感じたら、すぐに眼科医へご相談ください。コンタクトレンズは外してから点眼してください。治療中は定期的な検診が必要となります。

当院での取り扱いについて

当院では診察のうえ、適応のあるお子さまにリジュセア点眼液0.025%を処方しています。定期的な経過観察を行い、安全かつ効果的に使用できるようサポートします。費用や診療の流れは、受付または眼科医に直接お尋ねください。

将来への投資としての選択肢です

子どもの近視は放置すると将来の目の健康に影響します。リジュセアミニ点眼液0.025%は、小児近視進行を抑える有効な選択肢のひとつです。お子さまの視力が気になる方は、お気軽に診察時にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q1. リジュセアミニ点眼液0.025%は何歳から使えますか?

A. 原則として6歳以上の学童期から使用可能です。ただし、眼科医の診察によって年齢に関わらず適応が判断される場合もあります。

Q2. 点眼をやめると近視は元に戻りますか?

A. 中止後も近視の進行は自然な速度で続く場合があります。効果を保つためには、医師の指示に従って継続的に使用することが重要です。

Q3. どのくらいで効果が出ますか?

A. 数か月から1年程度の使用で進行抑制効果が確認されることが多いです。ただし、個人差があります。

Q4. 保険は使えますか?

A. リジュセアミニ点眼液0.025%は自由診療となるため、健康保険は適用されません。費用は医院により異なります。

Q5. 他の近視治療法と併用できますか?

A. 併用することでより高い効果が期待できる場合もございます。併用の可否は必ず眼科医にご相談ください。

マイオピン0.025%の処方も開始しました。

マイオピン0.025%


現在、子どもの近視の進行を抑制する効果をもつ「マイオピン0.01%」の処方を行って参りましたが、本日より濃度2.5倍マイオピン0.025%の処方も並行して開始致しました。0.025%のパッケージは水色になります。

マイオピン0.025%

マイオピン処方希望の方は、まずは0.01%から


 子どもの近視は、主に眼球が楕円形に伸びてしまう(眼軸長が伸びる)ことで、ピント位置がずれてしまうことにより生じる軸性近視がほとんどです。近くを見ることが習慣化してしまうと近視になりやすく、一度眼軸が伸びてしまうと元に戻ることはありません。そのため眼軸長の伸びを抑える事が近視の進行を抑制するために重要となるのです。マイオピン眼軸
今まではアトロピン1%で強制的に瞳孔を開かせ検査や治療を行うことが一般的でした。しかし、高濃度のアトロピンを点眼すると1週間程度瞳孔が開きっぱなしで子どもたちが学校などで過ごす日常生活にも大きな支障がでていました。
 マイオピンはアトロピンを超低濃度0.01%に希釈し、子どもの成長期に長期的投与(近視の進行期に数年程度)をしていく事でその効果を獲得することに成功しています。
 初回は瞳孔の開き具合や薬剤適性などを確認するため、0.01%を使用。その後0.025%へ医師の必要判断により移行することが望ましいです。

マイオピン治療の料金について


初回はマイオピン0.01%を1本処方します。1ヶ月後に再診していただきます。

★初回費用:4,800円+税【税込み5,280円】

(内訳:診察検査料1,800円+税、1ヶ月分マイオピン0.01%目薬代3,000円+税)
1ヶ月後の再診で問題がなければ、その後は3ヶ月毎の定期検診(3ヶ月分のマイオピンを処方)となります。

★★2回目以降:マイオピン0.01%継続の場合【税込み11,330円】

10,300円+税(内訳:診察検査料1,300円+税、3ヶ月分マイオピン0.01%目薬代9,000円+税)】

★★★2回目以降:マイオピン0.025%継続の場合【税込み12,650円】
11,500円+税(内訳:診察検査料1,300円+税、3ヶ月分目薬代10,200円+税)】

(※税込み金額は2022年8月現在のものです)

マイオピン治療時に自宅で気を付けてほしい事


 マイオピンの点眼を開始したら、お子様の起床時の目「瞳孔」を確認してみてください。黒目の真ん中部分が他の人より大きく拡大、広がっていないかをチェックします。瞳孔が拡大していても日常生活を送る事はできますが、薬のききめが切れるまでの間「まぶしい」「本やスマホなど近くが見づらい」といった症状が出る可能性があります。

もし、このような事が起きた場合は、点眼時刻を寝る前ではなく夕食後など早めに点眼するようにして翌朝に薬の効果が残らないように調整しましょう。

また、マイオピン治療は兄弟姉妹で点眼を希望されるご両親の要望が多いです。個人に対しての処方ですから、マイオピン点眼液の使い回しは絶対にしてはいけません。感染症の発症を促してしまうことにもなります。開栓したマイオピンは1本は1ケ月で使い切る事が目安です。もし残った場合も1ケ月以上経過したら細菌の繁殖が懸念されることから廃棄するようにします。(残った目薬はいらない布や新聞紙に液剤をしみ込ませて可燃ごみに捨てます。)

治療を継続していく上で何かご心配な事が出てくるようでしたら、担当医師まで遠慮なくご相談下さい。

目のアンチエイジングに「サンテウェルビジョン」

参天製薬より発売されている「サンテウェルビジョン」をこの度取り扱う事になりました。1日に必要なルテインを手軽に摂取できるサプリメントです。
サンテウェルビジョン

ルテインとは?

ルテインとはカロテノイドの一種であり、目においても主に水晶体や網膜(主として黄斑部)に必要とされる栄養成分です。外界から目に入る光ダメージを軽減させる働きがあります。特に目にとっては強すぎる青色光(ブルーライト)を吸収し、白内障や黄斑変性症、老眼など加齢によって起こりやすい病気を予防する役割を果たします。

ルテインの必要量はどのくらい?

体内ではルテインを生成することができないため、通常では毎日の食事によって摂取が必要となります。緑黄色野菜などに多く含まれています。しかし、毎日の必要量の目安は20㎎。含有量が多いとされるほうれん草で約1.3束、ブロッコリーで約4.2株を食べる事はなかなか難しいです。体内においても、一度摂取したルテインは加齢、喫煙、太陽光、パソコン、偏食、ストレスなどによってどんどん減少します。そのため継続的に摂取をしていく必要があるのです。

抗糖化って?

抗酸化作用という言葉は近年はよく耳にするようになりましたが、「抗糖化」作用とはあまりなじみがありません。意味は言葉のとおり、糖化させないという働きの事をいいます。
糖化とは、体内で余分な糖分とタンパク質が結合し「老化原因物質(AGEs)」が作られ体内に蓄積されることを意味します。サンテウェルビジョンには、この糖化をさせないようにする成分「ヒシ果皮ポリフェノール」50mgを配合し、目の老化を抑制する役割を果たします。

料金や飲み方は?

当院では4,000+税(8%軽減税率)で、1袋60粒入4,320円です。1日2粒でルテイン20mgを摂取することができます。水またはぬるま湯で飲みます。サプリメント(=食品)ですので、薬のように決められた摂取時間はありません。いつ飲んでも問題はありませんが、吸収効率を考えると食後30分以内が効果的と言われています。
実際のソフトカプセルの大きさや形状を確かめたい方には、サンプル品を用意しています。受付スタッフまでお申し付け下さい。

★期間限定キャンペーン中です★

2020年9月30日(水)までは2袋購入で、もう1袋プレゼント!!キャンペーン中です。

※補足:2020年10月1日 キャンペーンは終了しました。完売ありがとうございました。

ムコスタ点眼液の苦さはどのように解消する?

ムコスタ点眼薬UDドライアイの改善として利用さる「ムコスタ点眼液UD」という目薬があります。似たような目薬で「ジクアス点眼液」もありますが、ジクアスとの大きな違いは、ジクアスは涙の量を増やすのに対し、ムコスタは【涙の質】を改善する部分にあります。

防腐剤無添加、効果が発揮されるまでにジクアスは半年程度といわれていますがムコスタは2週間程度。効能的には申し分ありません。

しかし、この点眼薬。患者様からの訴えが多いのは、

苦いっ!!

ということです。
目薬なのに苦いってどういうこと?!と思われるかもしれませんが、目薬も点眼すると鼻涙管という管を通って目→鼻→のど、と流れていくのです。その為、苦いという味を感じてしまうのです。

苦さを抑えるためには、点眼したら目頭のあたりを人差し指で数分押さえてみます。こうすることによって、のどへ流れていく量を抑制することができます。

また、点眼前にコーヒーを飲むことでムコスタ点眼液の苦味を回避できるとも実験によって解明されています。コーヒーの持つ苦味や香りが、ムコスタの苦味を感じさせないようにする効果があるようです。コーヒーが苦手でなければ試してみるとよいかと思います。

処方された目薬を正しく使用しましょう

目薬点眼
眼科を受診された際に先生から処方された目薬、正しく使えていますか?

1、まずは手を石けんでよく洗います。
2、目薬のキャップを外します。このとき、容器の中の先端に手が触れないように気をつけます。外したキャップも清潔な場所に置くようにすることも大切です。
3、下まぶたを下に引いて、目薬を目の中に入れます。目薬を何滴も入れてもあふれてしまうので、確実に目の中に入ればお薬の量は一滴で充分です。このときも先端がまぶたに触れたりしないように注意してください。
4、さした後はまばたきをせずに、1分間ほど目を閉じます。目薬をさした後はパチパチとまばたきをする・・と思っている方も多いと思いますが、まばたきをすると目薬が流れてしまうため静かに目を閉じておくのが正解です。
目を閉じて目の周りにあふれた目薬はティッシュなどでふき取ります。

目薬は開封してから1ヶ月以上過ぎてしまったものは使用しないようにしましょう。二種類以上処方された場合は、5分間ほど感覚をあけてさすようにしましょう。
処方された目薬の効果を高めるために、正しい点眼方法をもう一度よく確認してみてください。
お薬の処方せんの有効期限は処方された日を含めて4日間となっておりますが、基本的にはすぐに使用していただくものになります。できるだけ早く薬局でお薬を受け取るようにしてください。

目薬1つ1500円でもニーズ拡大。

先日、新聞を読んでいたときにこんな見出しを見つけました。

「1500円」高級目薬が売れる理由 現代人のニーズに応えて高機能化

目薬1本に1500円?!しかも、そんなにニーズがあるのかと正直驚きました。A子、眼科で働いていますが、こんな高級目薬は使ったことありません~;

しかし、市販薬として活躍する目薬は改良に改良を重ねて現代のデジタル社会に対応した製品になっているようです。主に「疲れ目」「ドライアイ」の症状を改善させる目薬が大ヒットしているそうです。

眼科で処方される目薬と違うのは、やはり「多機能性」。有効成分の配合が多ければやはりお値段も比例して上昇しますよね。

一例をあげますと、参天製薬さんから出ている「サンテ メディカル12」。

サンテメディカル12ネーミングのとおり、眼の疲労への有効成分が12種類も配合されています。

◆ピント調節の観点からは、「ビタミンB12」「ネオスチグミンメチル硫酸塩」

◆乾燥から観点では「コンドロイチン硫酸ナトリウム」

◆代謝促進機能向上の観点では、「ビタミンB6」「L-アスパラギン酸カリウム」「パンテノール」「タウリン」

その他、抗炎症剤を含め5種などを配合して、現代人の【疲れ目】を緩和させるという超高級品です。

こういった市販の目薬は薬局薬店で手軽に入手できますが、しっかりと用法・用量の指示を守って使用するようになさってくださいね。また、症状が酷くなるときには早めに眼科を受診すること大切です。”高級”目薬が注目されるなんて今まではあまり耳にしませんでしたが、目に対する関心が大変高くなっているという点では良いことなのかもしれません。

クリアデューO2セプトで感染症予防

コンタクトレンズの感染症といえばソフトレンズ使用者が圧倒的に多いものですが、ハードレンズを使用していても、約20人に1人の割合で発症しています。この感染症を予防するために、他の製品と違う除菌ができるのがオフテクス社より発売されている「クリアデューO2セプト」です。

クリアデューO2セプトハードコンタクトのケースなどにも、よく「抗菌仕様」という表示がついている物がありますが、抗菌と除菌は違います。抗菌は菌の繁殖を防止すること、除菌は菌の数を減らすことなのです。

除菌ができるクリアデューO2セプトは、洗浄前にレンズに付着している菌を減らすことができます。同社の除菌試験では緑膿菌とセラチア菌を用いて、抗菌のケア用品との除菌効果を比較したところ100~10,000倍の差が出たことが認められています。

どのケア用品も同じ!!と、思っていらっしゃる方はハードレンズ用の洗浄はクリアデューO2セプトを選択してみてください。もっと調子がよく使用できるはずですよ!
パッケージもリニューアルのようです☆

ジェネリック医薬品にするか否か。

ジェネリック医薬品は「効果効能は先発品と同等」と厚生省から認められていて、なおかつ価格も安価だということは以前もこのブログにてお伝えしていましたが、ジェネリック医薬品は「安い」だけではないのです。

薬飲みやすい大きさや形に改良したり、にがみを抑えたりと患者さんの負担が少しでも減るようにさらに開発が進んできているのです。使いやすくて安いなら誰だってこちらを選びます。

A子個人的にもジェネリック医薬品には賛成なのですが、実は気をつけなければならない部分もあります。確かにジェネリック医薬品は良いことが患者さんにも沢山あるのですが、効果の出方や副作用などを疑問視する医師が多いというのも実情のようです。

例えば、効果効能は同等という点。同等という表現にされているのは「完全一致ではない」ということです。同等の効果があると認められる誤差は許容範囲10%程度はあるのではないかと言われています。統計をとって効果効能の同等レベルの試験をクリアしても、添加物などに差があると薬の体内への吸収量等にも変化が起きたりという「効果の出方」に差が生じる場合もあり得るということです。

患者さん自身もジェネリック医薬品がどういったものであり、ご自身にとってどんな薬なのかとい事をよく知った上で使用することが大切です。担当医師や薬剤師とよく相談をして選択なさるのが一番です。

眼軟膏を塗るときは、綿棒をご活用ください☆

眼のフチのあたりの出来物とか、目頭のあたりとかにプチッと炎症があったりすると眼軟膏なるものがお薬として処方されることがあります。

軟膏は通常、清潔な手や指で塗ることが多いのですが目のフチのような細かい部分にはなかなか塗りにくいものです。

抗菌綿棒
良い方法は?!というと、「抗菌の綿棒」を使用することをお勧めします。薬局薬店などで数百円くらいで購入できます。綿棒の先に適量を出して、炎症部位に持っていくと塗りやすいです。また、炎症を起こしている部分なので直接指で触れるよりは抗菌の綿棒を用いる方がより清潔な状態で薬を塗布できますので、手指の常在菌から悪さを未然に防ぐことにもつながります。

ちなみに、強度の遠視眼であったり老眼の度合いがかなり進んでいる方は目元の細かい部分に薬を塗るのは大変なことです。このような薬の塗布に限らず、特に女性の場合は何歳になってもお化粧はするものなので、アイメイクをするときは非常に涙ぐましい努力をされているのです。是非ともご家族が率先して協力してあげてください。

充血を取る目薬って何?

「目が赤くなりやすいので、赤くなったときに充血を取る目薬を処方してください」

患者さんから、漠然と発せられた一言でした。そんな目薬があるのだろうか?!と、一瞬考えてしまいました。よくお話を伺って見ると、TVコマーシャルなどで目が赤くなりやすい人に!というようなキャッチコピーで宣伝をしていた市販薬があるとのこと。確かに、目が赤くなりやすくて、外見的に気にされてしまうというのもわかります。

そもそも目の充血は、目が疲れたり、表面が乾燥し始めたりすると、目を守るために血液が集結するために起こります。これは目の防衛機能といっても過言はありません。そして患者さんのおっしゃているような市販薬には、「血管収縮剤」とよばれる成分が含まれ、確かに一時的に赤くなっている症状を抑える働きを持っています。

しかし、血管収縮剤は外見だけの改善であり、根本的に充血を起こしている問題を解消させるわけではありません。むしろ、血管収縮剤の効き目が切れたときにさらに症状は悪化することでしょう。

そして、最初のテーマにもどりますが、眼科医の処方する目薬には、血管収縮剤が含まれるものはありません。もちろん防腐剤も入っていません。治療を目的とする以外、不要なものは混入されていませんので、薬の有効成分が目に負担をかけることなく届きます。

便宜上、市販薬を購入されるという方も血管収縮剤の入っていない【第3類医薬品】を選択するようにして、症状が改善されないのであればすぐに眼科医の診察を受けるようにしましょう。