充血を取る目薬って何?

「目が赤くなりやすいので、赤くなったときに充血を取る目薬を処方してください」

患者さんから、漠然と発せられた一言でした。そんな目薬があるのだろうか?!と、一瞬考えてしまいました。よくお話を伺って見ると、TVコマーシャルなどで目が赤くなりやすい人に!というようなキャッチコピーで宣伝をしていた市販薬があるとのこと。確かに、目が赤くなりやすくて、外見的に気にされてしまうというのもわかります。

そもそも目の充血は、目が疲れたり、表面が乾燥し始めたりすると、目を守るために血液が集結するために起こります。これは目の防衛機能といっても過言はありません。そして患者さんのおっしゃているような市販薬には、「血管収縮剤」とよばれる成分が含まれ、確かに一時的に赤くなっている症状を抑える働きを持っています。

しかし、血管収縮剤は外見だけの改善であり、根本的に充血を起こしている問題を解消させるわけではありません。むしろ、血管収縮剤の効き目が切れたときにさらに症状は悪化することでしょう。

そして、最初のテーマにもどりますが、眼科医の処方する目薬には、血管収縮剤が含まれるものはありません。もちろん防腐剤も入っていません。治療を目的とする以外、不要なものは混入されていませんので、薬の有効成分が目に負担をかけることなく届きます。

便宜上、市販薬を購入されるという方も血管収縮剤の入っていない【第3類医薬品】を選択するようにして、症状が改善されないのであればすぐに眼科医の診察を受けるようにしましょう。