花粉症治療(非特異的減感作療法:ヒスタグロビン注射)

アレルギー反応とは

 毎年、花粉症の季節になると目のかゆみや鼻水・涙が出るなど様々なアレルギー症状に悩まされている方が多くいらっしゃいます。
 もともと人の体の中には細菌やウィルス、その他の外敵から体を守る「免疫」があります。免疫は体内に侵入してきたこれらに対し「抗体」をつくりだして次に同じものが体内に侵入するとすぐに退治をしてくれます。一度できた抗体は、何年もなくなることはありません。このようにして私たちの体は守られています。
 しかし、この働きがうまくいかなくなるときがあります。体内に入った外敵(この場合は花粉)に対し免疫作用が過剰に働いてしまうことがあります。
これがアレルギー反応なのです。


※ヒスタグロビン注射

【ヒスタグロビン注射について】
 ヒスタグロビン注射とは、非特異的減感作療法とも呼ばれ免疫に関係するヒスタミンの働きを抑えるヒスタグロビンを皮下注射で投与し、アレルギー体質を改善させる事を目的とした根本的な治療法です。目や皮膚など箇所を選ばず効果が期待できます。

【効果の範囲について】
 ヒスタグロビン注射が効果を大きく実感できるのは、次のようなアレルギー反応であったと報告されています。
「アレルギー性鼻炎(花粉症)」「蕁麻疹」「慢性湿疹」「アトピー性皮膚炎」「血管運動性鼻炎(アレルギーと断定ができないにもかかわらず、くしゃみや鼻水等のアレルギーと似た症状が起きる)」
【安全性と副作用について】
 ヒスタグロビンは生物由来の薬剤のため、ステロイド剤のように懸念される副作用は極めて少ないものとされています。昭和42年の発売以降、注射したことが起因で感染症(肝炎、エイズ、クロイツフェルト・ヤコブ病等)を引き起こした報告はありません。しかしながら、本剤の製造に際し感染症を防止するための安全対策をとったうえでも、ヒトの血液を原材料としていることに由来する感染症リスクを100%完全に排除することはできません。そのため、ヒスタグロビン注射を一度でも受けた方は献血をすることができません。また、極めてまれではありますがアナフィラキシーショック症状(めまい、かゆみ、蕁麻疹、呼吸困難、失神など)を起こすことがあります。

治療方法

成人:週に1回~2回、計6回を1クール(小児への投与は当院では行っておりません。)効果が不十分な場合、更にもう1クール投与します。

(※効果には個人差があります。治療を受けた方が全て同じ結果になるという事ではございません)

当院では相乗効果を考え、ノイロトロピン注射との混合剤を使用します。ノイロトロピン注射はアレルギー症状を抑える働きがあります。

料金について

健康保険の適用となります。3割負担であれば1クールで約5,000円です。

治療時の注意事項

以下に当てはまる場合は治療を受けることができません。
*本薬剤に対してアナフィラキシーショック等の既往歴がある
*重度の喘息がある
*著しい衰弱がある
*妊娠中、及びその可能性がある
*月経直前とその期間中
*その他医師が不可と判断した場合

他のワクチンを接種する際の注意点

 はしか、おたふくかぜ、風疹、これらの混合ワクチン及び水痘ワクチン等(生ワクチン)の接種を受ける際は、ヒスタグロビン注射との接種の間隔を3ヶ月以上あけるようにします。

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