ヒスタグロビン注射でアレルギーの根本治療

アレルギーとは?

アレルギーという言葉をよく耳にしますが、実際に体の中でどのようなことが起こっているのかを考えてみます。

簡単にまとめると、人間には外から入ってきたウィルスや細菌・花粉等の異物から体を守るために免疫機能が働きます。これらの外敵が侵入すると、次に同じ敵が体内に入ってきたときにすぐに退治できるように抗体をつくります。これが人間の体が守られる仕組みです。

しかし、体を守るための機能が過剰に働きすぎてしまうことがあります。例えば身近なところで考えますと、花粉が体内に入ったとします。そうするとクシャミをしたり涙や鼻水を出すことにより花粉をなんとか体外へ出そうという機能が動き始めます。適度なところで止まればよいのですが、過剰に体外へ出そうとする力が働きすぎてしまうとこれらの症状が止まらない状態になります。これがアレルギー症状と呼ばれるものです。

ヒスタグロビン注射について

アレルギーに対しての治療法といえば、何か思いつくものはありますか?大抵の場合は炎症を止める目薬やら鼻水を止めるお薬などが処方されます。 これらは一時的に今起きている症状を抑えることができますが、薬をやめてしまえばアレルゲン(アレルギー症状のもとになる物質のことで、花粉やほこり・ハウスダストなどもこれに当たります)が体内に入らなくなるまで続くわけです。仮にスギの花粉がアレルゲンであれば、スギ花粉の季節が過ぎれば自然に症状が治まるわけです。

対してヒスタグロビン注射は一時的に症状を抑えるわけではなく、体質そのものを改善することを目的としています。先程の例でいえば、スギ花粉が体内に入ってもアレルギー症状を起こさないような体に変えていくという事です。

治療の流れと料金

治療は1週間に1回~2回。合計6回を1クールとして注射で投与します。ヒスタグロビン注射の相乗効果を考え、アレルギー症状を抑える働きをもつノイロトロピン注射との混合剤を当院では使用しています。効果があまり感じられない場合はもう1クール投与を続けます。

料金は健康保険適用の場合、1クール5,000円程度が目安です。

安全性と副作用の危険性について

ヒスタグロビン注射は、昭和42年の発売以降、注射が原因で感染症(肝炎・エイズクロイツフェルトヤコブ病など)を引き起こした報告はされていません。長期にわたり報告がない事が安全性を証明していることにもなります。しかし、これからも絶対に感染症が起こらない、危険性が0%という事ではありません。ヒトの血液を原材料として製造されているためこのリスクを完全に排除することは難しいされています。そのため、ヒスタグロビン注射を1度でも受けた方は献血をすることができません。

薬剤に対する副作用についてです。症状を抑える薬ではありませんので発作時に投与するとかえって症状を悪化させてしまうことがあります。極めてまれではありますがショック症状を起こす方もいらっしゃいます。当院では皮内テストをしてから投与し、万が一症状が起きた場合もでも応急処置ができるよう準備をしております。

ヒスタグロビン注射が受けられない方

*ヒスタグロビン・ノイロトロピンに対してショック等の既往歴がある
*重度の喘息がある
*著しく体が衰弱している
*妊娠中、及びその可能性がある
*月経直前とその期間中
*他のワクチン(はしか・風疹・おたふくかぜ等)を投与してから前後3ヶ月
*当院におていは、高校生未満
*その他医師が不可と判断した場合

以上に当てはまる場合は治療を受けることができません。

一時的な理由に当てはまる場合は投与のタイミング等を考え、アレルギー体質改善を考えてみるのはいかがでしょうか。