目薬を忘れずに点眼するには。

眼科医から、1日3回とか4回点眼するようにという指示で目薬をもらっても、点眼し忘れてしまうことっってないでしょうか。では、皆さんはどのようにして目薬をさすのを忘れないようにしていますか?

一般的に考えると、1日の生活の中で欠かさずにすることは食事。食事をしたら目薬もさすようにしているという方は結構多いようです。1日3回の点眼指示であれば、朝昼晩の3度の食事のときに目薬も近くに置いておくといった具合です。4回なら、この3度の食事+寝る前ということでベッドサイドにといった感じでしょうか。

また今ではスマホ用のアプリで、点眼時間をお知らせしてくれるものもあるようです。特に緑内障など、眼圧をコントロールしていくような目薬の場合、点眼のし忘れは症状の悪化を引き起こす原因になります。

一例を挙げれば、ファイザー製薬さんよりiphone/Androidアプリ「Happy eye」で点眼を忘れないようにお知らせしてくれる無料アプリが配信されています。
緑内障アプリ他にも携帯アラームとかをセットしておくのも方法の1つです。点眼のし忘れがなくなるよう、ご自身のやりやすい方法で管理してみてください。

眼精疲労と労災。

現在では、ほどんどの仕事でパソコンやスマホなどを常時使用することが当たり前となってきています。しかし、このように画面を見続けるということは目にとっては大変な負担になるのです。

眼精疲労仕事だから仕方ないというのありますが、限度を超えすぎてしまうと目の疲れ(眼精疲労)だけではなく、そこから頭痛や吐き気、肩こりなど全身に異常が出ることもあります。酷いときは日常生活にま支障をきたす事態にまでなることもあります。

ところで、社会で働く労働者には労働災害保険を受ける権利なるものがあります。簡単にいえば労災保険は、仕事中(通勤中も含む)に発生した事故や災害にあった、怪我をした場合にはその治療費が支給されるという制度です。

当院は眼科ですが、仕事中に目の中に異物が入ったとか、殴打したとかで労災扱いで受診されるケースがあります。

しかし、パソコンの画面に丸一日むかいあって仕事。忙しさから休憩もほとんどとれずに重度の眼精疲労に陥ったという場合、労災扱いになるのでしょうか。

実際問題として難しい判定になるかとは思いますが、全ての原因が仕事に起因して起きた病気ということが認定されれば「労災扱い」になるようです。個々のケースにおいて協議された上で、眼精疲労でも労災認定なされた事案も過去を調べてみるとやはりあります。

ただ、このような状態になる前に「疲れたな」と思った時点で休息ができると良いのですが。会社側も労災で揉め事になるより、労働者に少しでもよいから休憩を認めるほうがよっぽど生産性があるように思えます。皆様、ご自身の目は大切にしてくださね。

化学眼外傷

目の充血

髪を染める液体やパーマ液、洗剤などの化学物質が目に入り障害をおこすことを「化学眼外傷」といいます。
化学物質によって症状は異なりますが、失明してしまうこともある怖い病気です。

化学物質が目に入ると、目の表面、角膜や結膜に炎症がおこります。
さらに酷い場合は角膜が剥がれてしまったり、角膜全体が濁ってしまうこともあります。
特に、目に入ると危険な化学物質はアルカリ性のものです。アルカリ性の物質は目の表面だけでなく、目の内部に影響を及ぼすことがあります。

いずれも症状が軽い場合は、治療によって後遺症なく回復することができます。
しかし重症の場合は角膜が濁ったままになってしまったり、視力の低下、後に白内障や緑内障といった合併症も引き起こしてしまうこともあります。

化学物質が目に入ってしまったら、眼科を受診する前にまず、その場ですぐに水道水などで10分以上洗眼することが大切です。
化学物質が目に触れている時間が長いほど症状は重くなってしまうので、できるだけ早く洗い流すことが重要になります。目を十分に洗った後はすぐに眼科を受診するようにしてください。

結膜炎

結膜とはまぶたの裏側と眼球の表面を覆う薄い膜のことで、この二つを結ぶ膜であることから、この名前で呼ばれています。
この結膜が炎症を起こしてしまう病気が結膜炎です。

結膜炎には種類があり、主に感染によって広まるウイルス性の結膜炎と、人から感染することはないアレルギー性の結膜炎があります。
結膜炎の主な症状には、目やにが出る、充血する、ゴロゴロする、まぶたが腫れるなどがあります。
ウイルス性の結膜炎は夏場に流行することが多く、9月に入りもうすぐ夏も終わりに近づいていますが、暑さは続くためまだまだ油断は禁物です。
ウイルス性の結膜炎の治療には炎症を抑える点眼薬や抗生物質の点眼薬が使用されます。

一方、アレルギー性の結膜炎の治療にはアレルギーを抑える点眼薬や、炎症を抑えるステロイドの点眼薬が使用されます。しかしアレルギーを起こす原因を排除しない限りは完治するものではないため、できるだけ症状を抑える治療となります。

感染する結膜炎にかかってしまった時は人にうつさないように気をつけてください。
手をよく洗う、目をこすった手で色々な場所を触らない、ウイルス細菌は水分を好むため家族とはタオルを別にしてお風呂も湯船に浸かるのはさける、洗濯も別にする、など手間はかかりますが治るまでは十分に注意しましょう。

目が痒くてもこするのは我慢☆

目のかゆみ目がかゆい!!

とっさに目をこすってしまう方は結構いらっしゃると思います。ゴシゴシっと目をこすると、かゆみがちょっと落ち着く・・。なんてケースもありますが、目にとってはゴシゴシこするのはデメリットの方が大きいのです。

目の表面はとても傷がつきやすく、また細菌やウィルスの進入経路としてもってこいの場所です。傷ついた表面からはさらに感染リスクを高めることになります。また、美容的には目下も皮膚はとても薄いため、ゴシゴシこすることによって目下の色素沈着による「クマ」を目立たせてしまうことにもなりかねません。

では、目がかゆ~い!!!という時はどのようにするのが良いのでしょうか。

答えは、冷たいタオルでしばらく目を冷やすことです。もちろん清潔なタオルを使用してくださいね!

それでも目のかゆみが続くときは早めに眼科を受診するようになさってください。

ちなみに目を水道水で洗ってしまうのは?とお考えになる方もいらっしゃると思いますが、これも避けたほうが良いでしょう。目の表面に必要な油分などの成分も一緒に流してしまうことになりますので、目を守っている防御膜を自ら手放してしまうような行為です。

白内障手術の後に、また同じ症状が?!

白内障の手術は今では日帰りでできるくらい進歩しました。術後も2ヶ月程度で視力が安定し、予後は良好という方がほとんどです。

しかし、一度白内障の手術が終わったにも関わらず、また「まぶしい」「目がかすむ」など手術前と同じような症状が起きることがあります。

これは【後発白内障(こうはつはくないしょう)】というもので、最初に白内障手術をした際に残しておいてある後嚢(こうのう)という部分が濁ってくることによって起こります。再発した?!また手術?!と思う方も多いのですが、後発白内障が発症した際は再手術する必要はありません。
後発白内障後嚢の部分にレーザーを当てるという治療によりすぐに回復します。何日も入院しなければならない!という心配もないのです。
手術後、気になるような症状が出てくる際は遠慮なく院長、スタッフにお申し出ください。

結膜浮腫

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白目がぶよぶよに腫れている、ゼリー状に膨らんでいる、との症状で来院される方がいます。
白目の一部が少し腫れているような状態から、白目全体が膨らんでしまって目を閉じることもうまくいかない程の状態のものまであります。
これは「結膜浮腫」と呼ばれるものです。
白目の表面には透明な膜があり、この膜の下に水がたまってしまうと白目が膨らんだ状態になってしまいます。
この状態になってしまう一番の原因としては、アレルギー性結膜炎がある人でかゆみから目をこすってしまったなど白目に刺激を与えたことによるものがあります。
白目がぶよぶよに腫れるとびっくりして慌ててしまいますが、ほとんどの場合で結膜浮腫は時間がたつと自然にひいていきます。目を冷やすことも有効だということなので、保冷剤や濡らしたタオルなどで目を閉じた上から冷やすとそのうち腫れも緩和されるはずです。
結膜浮腫はアレルギー性結膜炎を伴っていることが多く、目薬を使用した方が良い場合などもあるため、腫れがひどい場合やなかなか引かない場合は必ず眼科を受診してください。

夜にスマホを見すぎるのは危険!

布団に転がってから、何気なくスマホを手にとってメール見たり、はまってるアプリやったりしている方、結構いらっしゃいますよね?もし思い当たるなら、少しずつでも画面を見る時間を減らすよう心がけて見て下さい。特に夜、スマホを見ると様々な異常が起こるリスクが高まります。

スマホスマホからはブルーライトと呼ばれる非常に目にとっては強い光が発せられています。波長が短いので空気中の埃や塵などでも散乱します。そうすると、「ブレて見える」と感じ、ピントを合わせる目の筋肉を使い、さらにその画像を処理する脳も疲れます。眼精疲労の症状が大きく出ます。

通常のパソコンに比べてスマホは画面も小さく、その中の小さな文字を夢中になって長時間凝視するケースが多いため、目はとても疲れやすくなってしまうのです。

また、ブルーライトは刺激性が高く、物を見るために重要な器官の網膜や黄斑部にダメージを与えてしまうため、「黄斑変性症」などの発症リスクを高めます。特に夜、暗い状態に目が慣れているところでこの光を見るのが、網膜にとって一番ストレスになるのです。すぐ手の届く範囲にあるスマホだからこそ注意が必要なのです。

病は気から。視力もそうなのです。

眼科医自分が病気になっている!と思い込むような自己暗示にかかると、人間って本当にそうなってしまうことがあります。

例えば、本来は冷たい物なのに「熱くて触ったら火傷するよ!」と思い込まされた状態でうっかり触ったら本当に火傷しちゃった!という事が起きたりします。これは、脳が騙されてしまったことにより起こります。本当は冷たいものなのに、「熱い」という間違った情報が自律神経を作動させてしまい本来では起こるはずもない火傷ができてしまうようなのです。

また、泳ぐのが苦手・・・水泳の時間が嫌だなと思っている子が、水泳の授業の時間になると吐き気や腹痛を起こしていつも見学をしているという事もお聞きになられたことありませんか?

視力もそうで、喧嘩をして眼を殴られてしまって酷い痛みがあった。ぼやけて滲んで見えない。という経験をされた方が、治療して経過をみても一向に検査上は問題がないのに見えない。ということが起こったりします。目に傷もなく、眼底等すべてに全く異常がないのに、「まだ良くなっていないはず」というような思い込みが、本当に見えていないかのような状態を作り上げてしまっているのです。

こういった症状が回復されるまでには大変時間がかかりますが、ご自身でも「少しずつ良くなっているはず」と、ちょっとでも良いの自己暗示をかけてみると改善の糸口になるのです。

緑内障とコーヒー。

「緑内障の方がコーヒーを飲むと良くない。」

コーヒーと緑内障

というお話を聞きますが、これは極めて大量に摂取したらという事に限定されます。主にコーヒーに含まれる「カフェイン」が眼圧を上げてしまうからというのが理由です。コーヒーに限らず、カフェイン入りに気をつける必要はあります。

では、実際に眼圧を上昇させるほどの量はどのくらいなのでしょうか。

とある大規模な実験で、カフェインを200mg以上摂取した方と未満の方で大きく眼圧の上昇に差が出たという結果が出ています。これを基準値として考えると、

一般的なカフェインの含有率(カップ1杯150ml)は、
★コーヒー(レギュラー) 150mg
★コーヒー(インスタント) 70mg

★緑茶(玉露) 180mg
★紅茶 70mg
★緑茶(煎茶)30mg
★ウーロン茶 30mg

手軽に買えるコンビニの缶コーヒーくらいのものであれば、2~3本までの摂取に留めれば問題はなさそうです。全く摂取がダメ!という訳ではないと考えられます。