糖尿病と斜視の関係
糖尿病と聞くと合併症として「網膜症」や「失明のリスク」を思い浮かべる方が多いですが、実は斜視や複視と関係することもあります。今回は、糖尿病と斜視のつながりについてご紹介します。
糖尿病で斜視が起こる理由
糖尿病が長く続くと、全身の血管や神経に障害が起こります。目の動きをコントロールするのは脳神経と外眼筋ですが、糖尿病性神経障害によって神経がダメージを受けると、眼の動きが不均衡になり斜視を生じることがあります。
代表的なのは動眼神経麻痺・外転神経麻痺で、片眼が内側や外側に動きにくくなり、物が二重に見える「複視」を訴えることが多いです。
糖尿病と関連する斜視の特徴
受診の目安
以下のような症状が出た場合は、早めに眼科を受診してください。
- 急に物が二重に見えるようになった
- 片目を隠すと見やすくなる
- 眼が思うように動かない
- まぶたが下がる・頭痛を伴う
眼科での検査・治療
糖尿病に関連する斜視が疑われる場合、眼科では以下の検査を行います。
- 視力・眼圧・眼底検査(糖尿病網膜症の有無確認)
- 眼位検査(カバーテストなど)
- 両眼視機能検査(立体視の有無)
- 眼球運動の確認
治療は、血糖コントロールの改善が基本です。軽症例では数か月で自然に回復することもあります。症状が強い場合はプリズム眼鏡を処方したり、必要に応じて斜視手術(※大きな病院を紹介します)を検討します。
「最近物が二重に見える」「視線が合わない」といった症状があれば、放置せず早めにご相談ください。
- 糖尿病は神経障害によって斜視・複視を引き起こすことがある
- 急な複視や眼の動きの異常は受診のサイン
- 眼科では検査と治療、必要に応じてプリズム眼鏡や手術を検討