緑内障と診断されたら…

緑内障とは、モノを見るのに大切な目の視神経という部分に異常が起こり、目から入ってきた情報を脳にうまく伝えることができなくなり、視野や視力に障害が出る病気です。
緑内障の多くは、何らかの原因で眼圧が高くなって視神経が圧迫されてしまうことが主な原因だとされています。
日本では失明原因の第1位でもあり、40歳以上では20人に1人の割合で緑内障の患者さんがいると言われています。

緑内障と診断され治療を開始したら気をつけること、それは処方された薬を正しく使用し続け、必ず定期的に検査を受けることです。緑内障の治療は現段階では治すものではありません。進行を食い止めるものです。そのため、目に見えて症状が改善したりといった結果が見えず、自己判断で治療を中止してしまったり、忘れてしまったりする方が多いようです。
せっかく初期段階で治療を開始しても、放置してしまえばその間にも確実に緑内障は進行してしまいます。

緑内障は早期発見がとても大切な病気です。失明原因の第1位ではありますが、早期発見によって適切な治療をおこなうことでその危険性を減らすことができます。初期段階では自覚症状のほとんどない病気のため、特に40歳を過ぎたら眼科での定期的な検査をうけるようにしましょう。

疲れ目

眼精疲労
「目が疲れる」と来院される方、たくさんいらっしゃいます。
目が疲れる原因は、パソコンやスマートフォン、テレビや読書など、目を酷使することにあります。
自覚症状としては目のかすみ、充血、ショボショボする、目の奥の痛みなどがあります。
「疲れ目」と「眼精疲労」は同じものと思われがちですが、違う意味を持っています。疲れ目は一晩しっかりと休めば治るものをさしますが、眼精疲労は一晩休んでも症状がひかず、治ったと思ってもまたすぐに症状が出てしまう状態のことを言います。
目を疲れさせないためには…
*パソコンやスマートフォンなどを長時間見続けない
仕事で使用している方はなかなか難しいとは思いますが、できれば一時間おきに5分〜10分程度目を休ませることが大切です。目が疲れてきたと感じたらできるだけ遠くを見るようにしましょう。
*しっかりと度の合ったコンタクト、メガネを使用する
適切な視力矯正が行われていないと、目は自分でピント調節をして頑張って見ようとするため、筋肉が緊張して疲れ目の原因になります。定期的に検査を受けて、しっかりと自分に合ったコンタクト、メガネを使用するようにしてください。

目の疲れがたまってリセットできず、眼精疲労になってしまう前に、できるだけ目を疲れさせないように気をつけましょう。

料理中に目に油が入ったら?すぐできる応急処置と注意点

料理中などに油が目に入ると、突然の激しい痛みで驚いてしまいます。放置すると視力低下など後遺症が残る可能性もあるため、正しい応急処置が大切です。

天ぷら火傷熱傷処置

1. まずは目を冷やしましょう

水道水で直接流すのではなく、保冷剤や氷をタオルで包んでまぶたの上から数分冷やします。直接当てすぎると凍傷の危険があるため注意してください。

2. 目が開けられる場合は状態をチェック

  • 黒目(角膜)に白っぽい濁りがないか
  • 充血の程度はどうか
  • まぶたに火傷がないか(油が当たるとまぶたも損傷することがあります)

3. 見え方の左右差を確認

片目ずつ手で隠して、左右で見え方に差があるか確認しましょう。もし片目だけぼやける、視界がかすむなどの変化がある場合は注意が必要です。

4. できるだけ早く眼科を受診

目を開けられないほど痛い場合、黒目に火傷をしている可能性が高いです。眼科では目に麻酔をして詳しく診察します。痛みが軽くなってもそのまま放置せず必ず受診しましょう。後遺症を防ぐためには早期対応が重要です。

まとめ

  • まずは冷やす
  • 見え方・黒目の濁りを確認
  • 痛みが強い、視力に差がある場合はすぐ眼科へ

目のトラブルは自己判断せず、必ず専門医の診察を受けてください。
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雨の日でも紫外線は降りそそぎます。

日焼け止めを塗らないと!誰もが思うのは、晴れて太陽もカンカン照りな日です。では、曇りや雨の日の日中は日焼け止めは不要でしょうか?

答えは”No”です。しっかりと紫外線対策が必要です。雨降りと紫外線

紫外線量は雨の日でも快晴の日の20%程度、曇りの日で50%程度は紫外線が降り注ぎます。また、部屋の中にいても紫外線は降り注ぎます。人間の目には見えない光ですから、雲に太陽の光が遮られていても夜のような真っ暗にはなりませんよね。同時に紫外線も降り注いでいるのです。

雨、曇りの日でも紫外線への対策を怠ってしまうと吹き出物などをはじめとしたトラブルが起こります。中でもUV-Aは窓ガラスも通り抜けて部屋の中まで進入します。これが老化の原因となります。目では白内障や黄斑部へのダメージ、肌へはシワやたるみを進行させるものです。特に気をつけたいものです。UV-Bは、メラニンを増加させ、シミやそばかすをつくったり、肌に炎症を起こさせます。

ヘリオケアそうすると、365日。日焼け止めを塗り続けるのは大変ですが、サプリならどうでしょうか。当院では「ヘリオケア」という飲む日焼け止めを取り扱っています。食事の後に一緒に1粒飲むだけなので、大変手軽にできる紫外線対策です。(1瓶30粒入 ¥6,000+税)

受付までご希望の方はお申し出ください。

視力検査中は、適度なまばたきは必要です。

学校健診で、視力低下を指摘された男の子。数ヶ月前に作った眼鏡を掛けて、結果は左右それぞれCとDの判定。両眼で見て0.5程度。作成時は両眼で1.0が見えるようにしたはずなのに・・、と受診をされました。

ランドルト環急すぎる視力低下を心配をされた親御さんが連れていらっしゃったようなのですが、どうやらその子は視力検査そのものを必死にやりすぎてしまっているのです。ほとんど瞬きもせずに目をカッと見開いて、C(ランドルト環)の向きをただ、ただ、必死に見ているのです。

視力検査を受ける心構えというか、真面目にやろうとするそのお気持ちは十分に伝わるのですが、是非

「まばたきをして下さいねっ!」

人間の目は平均で1分間に15回~20回程度のまばたきをします。ですが、この男の子の場合、必死にランドルト環を凝視しすぎてしまっていて、横から様子を伺ってもまばたきの回数が極端に少ないのです・・。ジッとまばたきもせずに見続けると、どんどん視界はぼやけます。

実は、まばたきをしないと目の表面が乾いてヒリヒリすると同時に、涙が表面に適量ないと物が見えにくく、視力にも影響を及ぼしてしまうのです。ドライアイで視力が出にくくなるのも本当なのです。

視力が落ちてたらどうしよう・・というプレッシャーがあったのか、まばたきもせずに必死にランドルト環を見ていましたが、その男の子にちゃんとまばたきをして見てもらったら視力はしっかりと出て大きな問題はなく経過観察となりました。

視力検査を受けるときは適度に、いえ自然にまばたきをしてリラックスして受けていただければと思います。

度は、弱すぎても強すぎてもダメ。

とある宅配業社さんの段ボールに、「お届けは早すぎても遅すぎてもダメ」と書かれているのを見ました。

眼科的にも似たようなことがあって、メガネやコンタクトレンズの度数の話を患者さんとすると「度を上げたくない」とか、「もっと見えるように強くしたい」という要望を伺うことがあります。

目の疲れしかし、どちらもやり過ぎはダメなのです。

度が弱くなりすぎてピンボケしすぎた視界というのは、目にも脳にもよくないのです。人間は見えない状態だと何があるのかを認識(見よう)とするので、反って眼精疲労の原因にもなりますし不便です。また、年配の方の場合は脳に視覚的情報が伝わらず認知症にもなりやすいといわれています。反対に強すぎても、ピント調節力を多量に必要として疲れますし、気分が悪くなってしまうこともあります。

度は弱すぎても、強すぎてもダメ。偏りすぎずに程々にしておくのが無難な選択なのです。

はやり目には潜伏期間があります。

感染症の増える季節になりました。眼科における感染症では「はやり目」が広く知られていると思いますが、症状が出るまでに1週間程度の潜伏期間があります。

はやり目はやり目の原因はアデノウィルスという”ウィルス”が原因となっています。ウィルス性の場合、感染力が非常に強くまた、症状も重症です。しかし、このウィルスに感染してもすぐに炎症が起こるわけではありません。実際に目の調子が悪くて・・と、はやり目の検査をしても、結果が「陰性」とでる場合もあります。そして、数日後に発症すして、はやり目の確定診断が出ることも少なくありません。

そのため、はやり目とその時点では確定されなくても家族や周囲の方への感染防止を考えて食器、タオル、洗濯物などは別にして、お風呂も家族の最後に利用するようにします。また、手で触れた部分に関してはこまめにアルコール消毒を行うことも大切です。

視野検査は、現状の視野がどのくらいかを知るほうが大事。

暗い部屋で1点を見つめ、視界に光が見えたときに手に持っているブザーを押し、見えたことを知らせる「視野検査」なるものがあります。

視野計オクトパス900主に緑内障など視野欠損をともなう病気の方がこの検査を受けられますが、大切なのはご自身の視野がどのくらい欠けて、どのくらい残っているかを知ることにあり、結果が良い悪いを比べることではありません。

検査中に目線をキョロキョロ動かしたり、見えてもいない光を見えたとボタンを押したりして、良好な結果を出そうとしても信憑性のない結果となってしまいます。ある程度そういったブザーの押しミスはこちらでも判るようにはなっていますが、あまりにも失敗回数が多いと検査を何度もやり直しすることにもなりますので、患者さんのご負担にもなります。

また、検査中でも少し中断休憩をしたり検査のスピードをゆっくり目にしたりすることは可能です。そういった要望があれば眼科スタッフに是非ともお申し出ください。言い難い・・と思っていらっしゃる患者さんもおられるかもしれませんが、測定者としてもどのくらいのペースがやりやすいか等を言ってもらえるほうが大変助かるのです。

正確な検査結果が得られれば、その後の先生の治療計画も立てやすくなりますから、結果的には視野を確保していく有効な手段になるわけです。

視覚障害の等級について。

最近世間を騒がせている知事さんの金銭感覚には驚きですが、こういった無駄なお金の流れを絶って、もっと困っている方にきちんと行き届けられるようにならないのでしょうか。

眼科の分野では、目が見えない!視力が出にくく困っていても、とっても厳しい審査基準があって、補助金などを受け取ることが出来ないという方もいらっしゃいます。

例えばですが、視力障害にも等級があります。1級から6級まであり、最も障害の程度が軽いとされるのが6級です。この条件は「一眼の視力が0.02以下、他眼の視力が0.6以下のもので、両目の視力の和が0.2以上」と定義されています。ここで言う視力は、メガネなどで矯正された視力となります。

視力具体的な例を挙げてみます。
仮に
Aさん「右)0.02、 左)0.5」
Bさん「右)失明    左)0.7」
という結果だと、Aさんは障害者6級認定ですが、Bさんは認定外です。

え?!完全に片眼が失明されているBさんの方が、光すら感じ取ることもできないで、立体感もなく平衡感覚も取り難いのに?!というちょっと驚きに判定になってしまうのです。6級に認定されないということは、健康な方と一緒という分類なのです。

こういった方に出される補助金も、私たちの税金が当てられているのだと考えると、お騒がせな知事さんにお金が流れるなら、是非ともBさんのような方に届いて欲しいものだと願ってなりませんね。

はやり目かも!と疑ったら、迷わず眼科受診を。

25度を超える日が連日続いています。目の病気でも「はやり目」の感染に特に注意しなくてはなりません。

普通の結膜炎と違うのは、細菌ではなく「ウィルス」が原因で炎症が起きているということです。ウィルスは細菌よりも小さいのですが、とても厄介なものです。炎症の症状も見るからに酷く、涙目、メヤニ、視力障害など様々な障害が起こります。ウィルスには特効薬がありませんので、最後は自分の免疫力との戦いです。

はやり目はやり目の場合、1週間ほどの潜伏期間があるので何となく結膜炎っぽいという症状は出ますが、軽症そうなので市販薬で様子を見るという方が多くいらっしゃいます。

ですが、本当にはやり目だった場合は市販薬では炎症が治まるどころか、どんどんと症状が進行していきます。感染力も極めて高いので、家族や友人、職場の方にも知らないうちに感染させてしまっているという事にもなりかねません。

とくにこの季節は、あれ?結膜炎かしらと思ったら、「はやり目かも・・」と疑ってもらって、早めに眼科受診をすること、さらにはやり目の診断がなされる前に未然に感染拡大を防ぐようにしましょう。特に家族で生活されている場合は触った部分の消毒はもちろんのこと、タオル、食器、洗濯物など分けたり、お風呂には最後に入るなどお互いに感染しないように努めます。

また、はやり目は視力障害が残ったりすることがありますから「完治」と診断されるまでは必ず治療を続けてください。