若い女性にも増えた?!物が歪んで見える症状。

先日働き盛りの年代の男性に多く発症する中心性網膜炎についてお話をしたかと思いますが、近年は女性の社会進出が増えた事にも影響されるのかこの病気を発症してしまう女性の方が多く見受けられるようになりました。 起きる原因としては過度のストレスや睡眠不足が主として挙げられています。

中心性網膜炎とは物を見るために重要な部分、網膜の黄斑部分に水が溜まり物が歪んで見えたり、小さく見えたり、中心部分のあたりが暗い感じに見えたりと視力に影響を及ぼします。他にも色が通常の色と違って見える色覚異常を訴えるケースもあります。

中心性網膜炎中心性網膜炎OCT←断面図でみると、三角に突起している部分が中心に見えます。

もし、この病気にかかってしまったらほとんどの場合は自然治癒の治療を第一として、リラックスした生活を心掛けることです。症状によってはレーザーや薬による治療が行なわれます。

また、この中心性網膜炎にかかったことがある方は将来「加齢黄斑変性症」にかかるリスクがそうでない方よりも罹患リスクが高くなると言われています。初期の段階では中心性網膜炎も、加齢黄斑変性症も大変症状が似ています。治療方法はどちらの診断になるかで変わってきますので、異常を感じた場合はすぐに眼科を受診するようします。

視力と度数は別物です。

一般の方が視力というと、「裸眼視力」のことを言われることが多いと思います。視力が良いとか悪いとかを話す際、「視力が0.1しかないの」「私は、1.5あるよ」と話題になるのは「裸眼」の状態と推察できます。

視力検査ところで、春休みに入るとさくら眼科では初めてコンタクトレンズを使ってみよう!とお子さんをお連れになる親御さんが沢山来院されます。

そんな中、とある少年とお父さんに「お子さんの裸眼視力は0.1です」とお話をしていると、そのお父さん。ご自身も視力0.1なので「俺と同じじゃないか!じゃあ、コンタクトも俺の使い捨てレンズ使えば良いよ」と一言。

あらら・・、何か勘違いをされているような・・。

確かに裸眼視力が0.1なのは一緒として、同じ度数のコンタクトレンズが使えるかどうかというのはまた別の話になるのです。

そもそも裸眼視力は、何も矯正手段を用いずに視力を測った結果値にすぎないのです。そのため、近視が原因で0.1の裸眼視力の人もいれば、遠視が原因で0.1の人もいます。また、乱視が原因、白内障などの病気が原因・・・・・と、数え切れないさまざまな理由で裸眼視力が0.1になる方がいるのです。

例えば、近視が原因で0.1の裸眼視力のA君に、1.0が見えるようになるコンタクトを合わせたところ使用すべき度数がー2.00になったとしましょう。では遠視が原因で裸眼視力0.1のB君がこの度数ー2.00のコンタクトを装着したら、ぼやけて何も見えないのでは?!って話になります。

改めて、裸眼視力が同じB君のコンタクトの度数を合わせていったら+1.50に落ち着いたとしましょう。全く違うコンタクトの度数で視力を矯正することになっています。度数も違えば符号も違いますよね・・。

視力と度数って混乱されがちなのですが、全く違う意味をもっているのです。

高血圧だと、眼にも悪影響が出ます。

年齢を重ねてくると、血圧の話題がよく出るようになります。血圧は上が120とか、下が70とか何となく会話していても、ではこの「上」ってなんでしょう?上の血圧とは、心臓が収縮して血液を体内に送り出すときの血圧です。そうすると下の血圧は血液が体内から心臓へ戻ってきて、次に送り出す血液を溜めているときの血圧のことを言いします。

高血圧この上の血圧があまりにも高いと、「高血圧」という診断がなされます。そして、眼科においても高血圧の方は眼底出血を起こす危険性が高いとも言われています。

眼底には網膜にたくさんの血管があり、あまりにも強い勢いで血液が流れて圧力がかかると、とくに細い血管では破損して目の奥で出血してしまうことがあるのです。目の表面の出血であれば自分で鏡を見れば気が付きますし、他人から見ても「あれ?目が赤いよ」とわかります。

しかし目の奥の出血の場合はなかなか自覚症状が現れません。特に片眼だけ出血している場合は、もう片方の眼が見えているので当人は全く気が付かない・・!ということもしばしばあります。ようやく大出血になって、ふとした瞬間に「ん?見え方が比べてみるとおかしい!」と眼科を受診されるケースが多いのです。いつからだったのかもわからず、今さっき気がついのです!ってことになるのです。

大出血になる前に何とかする。ということを考えると、高血圧の方も定期的な眼底検査が大変重要になります。また、高血圧を改善するには日ごろの食生活(塩分やカロリーの摂取コントロール)や適度な運動も求められます。

ものもらいは冷やすべきか、温めるべきか。

まぶたが腫れあがった状態、いわゆる「ものもらい」と一般的には言われていますが、冷やした方が良いのか温めた方がよいのかという質問をよく受けます。

ものもらいどちらも間違いではないのですが、一括りにものもらいといっても何が原因で起こっているのかや実際の症状・目的によって「冷やす方が良いのか」「温める方が良いのか」が異なります。

ものもらいを冷やした方が良いのは、腫れあがった炎症で痛みが強いときです。あえて冷やさなければならない訳ではありませんが痛みが緩和する・炎症を抑制できる効果が期待できます。

では、温めるのはどんな場合かというと「予防的効果」を期待する時に行います。マイボーム腺に脂が詰まる事が原因でものもらいになりかけているようなときは、温めるとマイボーム腺に詰まりかけた脂が溶けてマイボーム腺の詰まりを緩和させてくれます。数分のリラックスタイムと考えて蒸しタオルを目の上に乗せてあげると良いでしょう。

また、すでに炎症が起こって痛みがあるときに温めるのは逆効果です。特に赤くまぶたが腫れ上がってしまっている場合には要注意です。自己判断では難しい場合は、先生に症状をご相談くださいね!

花粉症、ご希望に応じて飲み薬も処方しています。

船橋も日中はだいぶ暖かくなり、花粉症のアレルギー症状を訴える患者さんが大変増えました。花粉症になると、目のかゆみ・充血・涙目などの症状が起こりますが、これ以上に鼻水・鼻詰まり・くしゃみなども起こります。

花粉症目の症状を抑えるためには、ダイレクトに目薬をさす事が即効性もありお勧めですが、それ以外の症状が併発しているときは、飲み薬を併用していくと良いでしょう。

飲み薬は眠くなる・・・。というイメージがありますが、これも薬の種類を選べば日中の眠気を回避することができます。例えば寝る前1日1回での服用する薬もあります。効果の程度を考えると、眠気が出てくるような飲み薬のほうが効き目が強いので、ライフスタイルに応じて選択されることをお勧めします。

アレルギー症状が起こると、集中力を欠いたり仕事の効率を低下させることにもなりますので、我慢し続けるというのも限度があります。当院は眼科ではありますが、診察内容に附随する薬の処方はなるべく一緒に行うようにしています。鼻水は涙が鼻涙管を通って出てきたものですから、そう考えると点鼻薬の処方もお出しすることができます。

眠気を気にして我慢されているという方は、お気軽にご相談ください。

眼軟膏を塗るときは、綿棒をご活用ください☆

眼のフチのあたりの出来物とか、目頭のあたりとかにプチッと炎症があったりすると眼軟膏なるものがお薬として処方されることがあります。

軟膏は通常、清潔な手や指で塗ることが多いのですが目のフチのような細かい部分にはなかなか塗りにくいものです。

抗菌綿棒
良い方法は?!というと、「抗菌の綿棒」を使用することをお勧めします。薬局薬店などで数百円くらいで購入できます。綿棒の先に適量を出して、炎症部位に持っていくと塗りやすいです。また、炎症を起こしている部分なので直接指で触れるよりは抗菌の綿棒を用いる方がより清潔な状態で薬を塗布できますので、手指の常在菌から悪さを未然に防ぐことにもつながります。

ちなみに、強度の遠視眼であったり老眼の度合いがかなり進んでいる方は目元の細かい部分に薬を塗るのは大変なことです。このような薬の塗布に限らず、特に女性の場合は何歳になってもお化粧はするものなので、アイメイクをするときは非常に涙ぐましい努力をされているのです。是非ともご家族が率先して協力してあげてください。

老眼を予防する方法。

老眼先日の駆け込みドクターで「老眼を予防する方法」なるものが紹介されていました。年齢とともに目にも老化現象が起こるのは仕方のないことなのですが、進行を遅くする・予防するという方法があるなら是非とも試してみたいところです。

老眼の原因として、老化によって水晶体が固くなるため膨らんだり元に戻ったりする収縮作業が上手くいかなくなること。また、これに付随する毛様体という筋肉が弱ることが挙げられています。ここでの紹介は、この筋肉のコリを和らげることによって老眼の予防につなげるという内容でした。

やり方は「100円メガネで手軽にできる!」というものです。

100円ショップの老眼鏡を使うのですが、具体的にはピントの合わない度数を買って、その老眼鏡を掛けて近くではなく遠くの方をぼんやりと見る。という手法のようです。注意点は、「ピントが合わないというのは、自分の適性度数よりも強い度数を選択する」こと、そして「無理して見ようとしない」ということです。

眼科の視力検査方法で、あえてピント調節の介入を防ぐ雲霧法という測り方がありますがこれを利用したといったところでしょうか。若い方でも、疲れ目の軽減になりますので、早めに行っておくと将来の結果に差がでるやもしれません。

プラセンタ、やはり継続したくなる!

プラセンタと名のつく注射やサプリメント、化粧品など様々な製品が存在しますが、いずれも地道に継続していくことが効果をもたらす重要なポイントになることは間違いありません。

当院でのプラセンタ注射は、「メルスモン」「ラエンネック」の2つの製材を用意しています。厚生労働省に認められ薬事法の認可を受けていて、安全性の高い国内ヒト胎盤エキスが使用されています。

メルスモンラエンネック

プラセンタの効果が目にわかるように感じられる方もいらっしゃれば、何か良くなったのかな?!とイマイチ疑問に感じられている方もいらっしゃいます。

後者の方はしばらくプラセンタ注射の投与を続けた後、投与をやめてしまう傾向になるのですが、この後にプラセンタの効果がわかる場合が多いのです。プラセンタの投与をやめるとジワジワとその恩恵を感じてくるのです。例えば、「最近肌荒れするようになった」「体がなんとなくだるい」「疲れやすくなった」というような症状が出るようです。

いつから体調不良を感じやすくなった?と記憶をたどってみるとプラセンタの投与をやめてからじゃないの?!と・・。そんな訳で、またプラセンタ注射を開始しようと決断される方が多いのです。

プラセンタ注射は予約不要です。気が向いたときにお気軽にどうぞ!

メガネの掛け合わせ、無理する必要はありません。

眼科医当院でメガネを処方する際、先生の指示にしたがってメガネの度数が決定されます。ですが、先生の提示した度数を必ず使用しなくてはならないという決まりはありません。

確かに病状によっては変更が難しい場合がありますが、通常はメガネを使用される患者さんご本人が「メガネがあると見やすい」「楽になった」と思えるようなメガネを作る必要があります。両眼で1.0が見えるくらいで作られる方が多いとされていますが、あくまでも一般論です。

実際に使えるメガネになるかどうか、掛け合わせ(試し掛け)をしているときに、「非常に疲れる」とか「見えにくい」「歩くとフラフラしそう」など、あれっ?!って思ったことがあれば、無理に続ける必要はないのです。

これなら使用できそう!と、安心できるような度数で調整をすることは何度でもできますから、気になることは近くのスタッフにどんどん伝えてください。視力は目安なのです。眼科側の、一般的にこのくらいの視力が出ているなら問題ないのでは?という認識と、使用者ご本人の見え方の満足感は必ずしもイコールではありません。

無理して作成しても使えないメガネになってしまったら、意味がありませんよね。気になる点を遠慮して言わないとするより、ちゃんと教えていただける方が先生も実は嬉しいのです^^

片眼だけ視力が下がっていく症状。

近視の進行は、これが原因という特定されることがまだありません。一般的には遺伝的とか、近方作業のやりすぎなど多数の要因があるのではないかとは言われています。

視力検査ところで先日、「片眼だけ視力が落ちる」という相談を患者様からいただきました。確かに視力検査の結果はだんだんと左右差が広がりだしています。

一般的に考えれば、遺伝的要素でおそらくもう片方の目も、追いかけるように近視が進行する可能性もあります。しかし、この患者さんの場合に限っては本当に片眼だけ低下していくという事態が起きています。

目を疲れさせないようにする、規則正しい食生活を行うということはもちろんなのですが、このような場合「姿勢をよくする」ことにも気を配ってあげると良さそうです。

・寝そべりながら本などを見る
・ノートなどを書くときに首を一方に傾けながら見る
・机に対して垂直に座らずにパソコン画面などを見る など

これらの事をよく癖でやってしまっていないか、思い当たることはありませんか。長期に渡ってこのような事を続けていると片目だけ視力低下していく原因になるとも言われています。

何故かというと、ある対象物を見ている右目からの距離と左目からの距離が極端に違う状態だと、片方の目だけ視力が落ちる可能性が高いと考えられます。これは、左右の目のピント調節力が片方だけ非常に大きく作用し、もう片方はそんなに使われないという状態になります。片目だけ極端に負荷が掛かれば、片目だけ視力が低下してもおかしくありません。

両方の目を同じように使用しないと、片目だけ視力が落ちるというリスクを高めることにもなりかねません。正しい姿勢で物を見るというのは大切なことなのですね。