ソフトコンタクトレンズの消毒と洗浄

ソフトコンタクトレンズには消毒と洗浄は不可欠です。

時間がないので、ササッとこすって終わり・・。とか、こすり洗いすることもしない・・。という方をお見かけします。使い始めた当初はしっかりと消毒・洗浄を行っていたけれども慣れてくると面倒になりがちな手入れです。

しかし、ハードコンタクトに比べてソフトコンタクトは「感染症」のリスクが極めて高いとされています。ひどい場合には失明に至るケースもあるのです。

装着してきたコンタクトをチェックさせていただくとカビつきのものだったり等、仰天してしまうこともあります。ご自身ではちょっと汚れが付いたかかな?程度の軽い気持ちでもそれが何であるかの判別は肉眼ではしにくいものです。

カビソフトコンタクトレンズのカビ
左側、小さい方の写真「レンズの端の部分の白い物体」を拡大してみると右の写真のようになります。実はこれはカビです;;;

 

これがドンドン繁殖して感染症を引き起こす原因になります。残念ながら、カビは一度レンズについたら取り去ることはできません。そのレンズは捨てて新しいものにしましょう。

夏の高温多湿の環境、間違った洗浄消毒液の使用などさまざまなことが原因で繁殖します。毎日の手入れの方法を是非、見直してみてください。

勘違いされやすい遠視のこと。

子ども後ろの席から黒板が見えない=目が悪い。これは「近視」と呼ばれる目の異常の状態で、遠くは見えにくいのですが、近くは比較的見えます。黒板は見えないけど、手元の教科書やノートは見えます。

これに対し、「遠視(えんし)」と言われる目の異常があります。文字を見る限りでは、近視と反対のことではないか?!黒板は見えるけど、手元の教科書やノートは見ない状態。と思われている方、いらっしゃいますよね?!

そうなのです。「遠くは見えるけど、近くは見えない」と、遠視は勘違いされがちなのです。

残念ながら遠視は、近くはもちろん遠くにもピントが合わず見えにくい状態なのです。常にボンヤリな視界があるのです。

軽度の遠視の場合は、水晶体を膨らませてピントが合うように調節をするので、見えているような状態になります。しかし、この間は常に目の筋肉は緊張状態、非常に疲れやすい状態なのです。さらに常にハッキリと物が見えない状態はとてもストレスになります。遠視の方に、落ち着きがなかったり、集中力に欠けるようなところがあるのはこの目の異常が原因と言ってよいでしょう。

また、遠視になる原因は遺伝的なもので、生まれつき眼球が小さいために起こります。通常は生まれた直後はみんな遠視、成長とともに眼球も大きくなり自然に遠視は解消されるのですが、これが上手くいかないケースも生じます。特に子どもは生まれたときからボンヤリとした視界しか見たことがないので、「見えにくい」という言葉が今の状態に適切なのか判断もできません。さらに子どもは調節力が強く、遠視が隠れているのに視力が1.5も出ているので安心☆なんて捉えられて見逃されてしまうケースも多いのです。早い段階で本当に遠視でないか、しっかりと検査を受けて見極めることが大切です。

遠視は遠くも近くも見えにくい状態である、そして厄介で放置されては絶対にダメなものなのです。

デスクワークと闘う目には、ブルーベリーをお供に。

ブルーベリー目にはブルーベリーが良いということをよく耳にします。厳密に言えば、ブルーベリーに含まれる「アントシアニン」という成分に対して言われています。

そしてアントシアニンはロドプシンを再合成を助ける働きがあります。ロドプシンとはもともと網膜に存在する物質で、ロドプシンは光が当たることによって脳に信号を送っています。この信号により、脳は物が見えていると認識します。

一度この信号を脳に送ったロドプシンは消滅して、また元に戻ります。しかし、すぐに元に戻る訳ではなく少し時間が必要となります。ロドプシンが減少すると、脳に信号が伝わりにくくなるので、見えにくいという症状が起こります。長時間のデスクワークで目を酷使すると、どんどんロドプシンは減り、かすみ目や疲れ目になるのです。

ブルーベリーアイプロですが、この時にアントシアニンを摂取していれば、ロドプシンの再合成が促されていきますので減少した分のロドプシンを追加していくことができるというわけです。絶対に疲れ目にならないほどの効果ではないでしょうが、全く摂取しない状態と比べればロドプシンの量差は明らかに違うでしょう。

目には目薬!という考え方だけではなく、体の内側からのケアというのも選択肢の一つに入れてみてください。当院でも効果的にアントシアニンを摂取できる医療機関専売品の「ブルーベリーアイPro」をご用意しています。ご希望の方は受け付けまでお申し出ください。

※ブルーベリーアイプロは、2017年5月にて当院での取り扱いを終了しました。

白内障の手術で、その他の病気は治りません。

doctor白内障の手術をすれば、もちろん白内障は治ります。

白内障の手術は、水晶体がに濁って光を通さなくなってしまった状態に新しく眼内レンズを入れて光を通すようにするものです。これが原因で視力不良を起こしている場合は 視力が戻ってきます。

しかし、 この水晶体が濁る(白内障)以外の病気があると白内障が手術にて治ってもその他の器官(網膜・黄斑など)に病気が併発していると、水晶体に光が通っても見えるようにはなりません。

白内障の手術は、白内障を治すとためのものです。白内障の手術をしたら、老眼が治った!と言われる方もいらっしゃいますが、これも白内障手術の一貫で、取り出した水晶体の変わりに入れた眼内レンズが遠近両用タイプなどにしたので、その症状が改善されたというわけです。

複数の疾病がある場合は、どの順番で治療を行っていくか主治医の先生とよく相談することが必要です。

体温と免疫力

花粉症体温計で測る平熱。個人差はありますが、36度前後というのが平均的と思われますが、35度近いという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この季節になると、眼科には「ブタクサ」に反応し、秋の花粉症の症状を訴え来院される方が増えてきます。こういったアレルギー症状を軽減させるには”免疫力”なるものが高いことが理想なのですが、この免疫力は実は体温にも大きく影響します。体を冷やすと風邪をひくよ!というのも同じで、体温が下がると免疫力が低下して風邪をひきやすくなります。アレルギーも同じく免疫力が低いと症状が悪化しやすくなります。

実際に体温を1度上げれば免疫力は5倍近く上がるといわれています。体質改善を考えてみるのも花粉症アレルギーへの対策のひとつです。

では体温を上げるにはどのようにする必要があるでしょうか?

お風呂に入ったり、ショウガ汁を飲んだりするのは一時的は上がりますが、持続性はあまり期待できません。体内の熱を作るのは「筋肉」の働きによるのものです。結局のところ、適度な運動をして、筋肉量を増やす!ということがやはり必要ということです。また、筋肉量が多ければ基礎代謝も高まりますので、ダイエットにも一役買ってくれます。

目の大切な組織、網膜をケアするには?

人間の目の構造は、カメラに似ているとよく言われています。

どの器官に異常があっても、物をみることができません。とりわけ、水晶体はカメラのレンズ・毛様体筋はしぼり、網膜はフィルムにたとえられます。目の構造を見てみると、眼の表面にある黒目に比べて網膜は目の奥にあります。

網膜には「ルテイン」「ゼアキサンチン」が組織内に含まれますが、これらは体内では生成されません。また、網膜は目薬が届きにくく、血液による栄養成分の巡回を待つしかありません。

緑黄色野菜そうすると、物を見る為に重要なこの網膜に栄養を与えるには、外から摂取するほかありません。ルテイン、ゼアキサンチンはカロテノイドの一種になりますので、緑黄色野菜に多く含まれます。毎日の食事から栄養成分を絶えず送り続けてあげることが一番のケア方法と考えられます。薬での長期服用は副作用などが起きたり、気分的にも優れませんよね?やはりバランスのとれた食生活が基本になってくるのです。

食事には好き嫌いがありますので、野菜が苦手・・・という場合は、サプリメントを併用することで補うのも方法のひとつです。当院でも医療機関専用ルテインプロを用意しています。ご希望の方は、院長もしくは受付までご相談ください。

タバコと目の病気

日本人の喫煙率は年々減少傾向にあると言われています。
実際、昔は喫煙OKだったレストランなども完全禁煙となっていたり、街の様々な場所でも喫煙所をほとんど見かけなくなりました。

百害あって一理無しとも言われるタバコですが、目にも悪影響を及ぼしてしまうことを知っていますか?
タバコを吸うと血液の流れが悪くなります。そうなれば当然、血管を通して送られている目への酸素や栄養の供給も不足してしまいます。酸素や栄養が不足すると網膜の視細胞や神経細胞が死んでしまい、目の病気の原因になるのです。

最近、日本でも患者数が増えてきている「加齢黄斑変性症」ですが、この病気の発症には喫煙が大きく関わっていると言われています。加齢黄斑変性症は視野の中心部、一番見たい場所が見えにくくなったり、ゆがんで見えたりしてしまう病気です。
欧米では失明原因の1位で、日本でも緑内障、糖尿病性網膜症に次いで3位にランクインしている怖い病気です。
この他にも、喫煙は白内障の進行を促進したり、ドライアイなどの原因になるとも言われています。

タバコの影響と言っても、目に見えるものではないですし、すぐに起こるものではないと、喫煙者の方もあまり自覚をもてないかもしれません。
しかし一生付き合っていく自分の目の健康を考えることはとても大切なことです。

遠視の方は、緑内障になりやすい?!

「近視(きんし)」という言葉はよく耳にしますが、「遠視(えんし)」という目の屈折異常もあります。文字を比べれば何となく予想はつきますが、厳密に言うと遠視はピントが遠近ともに合っていないという状態です。特に手元の小さな文字などが見えにくくなります。
(※屈折異常については、こちらのページをご覧ください)

そもそも遠視になる原因というのは、ほとんどの場合が生まれつき目が小さいという点にあります。目が小さければそれに付随する各器官も小さくなります。

眼球断面図そして角膜と水晶体の間は、房水とよばれる水で満たされています。房水は生成と排出が絶えず繰り替えされます。遠視の方の場合、房水が通るための管も小さく細いので詰まりやすくなってしまうのです。そのため、房水が一定量に上手く保てず目を圧迫します。この圧迫がよく言う「眼圧」の値で示されます。眼圧が上昇すれば、視神経が圧迫されるため緑内障が発症するということです。

この房水が通る管のことを隅角(ぐうかく)と言います。これが詰まることによって起きる緑内障なので「閉塞隅角緑内障(へいそくぐうかくりょくないしょう)」に遠視の方はかかりやすいのです。

緑内障は失明率の大変高い病気です。早期発見が何より大切ですので、特に「遠視」である方は定期的な眼科受診を心がけるようにしましょう。

睡眠障害と白内障。

朝起きて、夜になると寝る。この当たり前の行動は、人間の光を感知する機能に大きく影響を受けます。体内時計なるものが人間にはやはり存在し、今が活動する時間なのか?休息をする時間なのか?が感じ取った光によって計測されます。朝日を浴びてから15時間くらい経つと、睡眠ホルモンが分泌されて眠気が起きるという仕組みです。

白内障眼では、光を感知しにくい状態にある「白内障」の患者さんを考えてみると、程度にもよりますが睡眠障害を訴える方も少なくありません白内障は目の中にある水晶体が白く濁ってしまう病気です。物を見るためには必ずこの水晶体を光が通過することになるのですが、この水晶体が白く濁ってしまっていると光の感度が落ち、朝日を浴びてもそれが上手く感知されず体内時計がズレてしまいます。

しかし、白内障手術をして光をしっかりと認識できる状態になると睡眠障害が治った!!という患者さんが多くいらっしゃいます。規則正しい生活をしているはずなのに寝付けなかったりする場合は、その睡眠ホルモンが分泌されていない可能性があります。日常生活に支障をきたすころが白内障手術をする時期の目安とすると、この睡眠障害で悩まれる方もそろそろ頃合なのかなと検討してみると良いかと思います。

コンタクトレンズの定期検査

コンタクトレンズを使用している方、定期的に眼科を受診していますか? 「特に不調もないし、見え方も問題ないから」と、定期検査を受けずに使い続けている方も多いのではないでしょうか…

最近はインターネットでコンタクトレンズも購入できるため、全く眼科を受診しなくても簡単にコンタクトレンズを使用することができてしまいます。 しかし、目の健康のことを考えると、定期的な眼科の受診はとても大切なことです。

例えば、インターネットなどで購入している場合、少し見えにくいからといって度数を自己判断で上げて使用することは危険なことです。本当にその度数で合っているのか、しっかりと検査をして度数を合わせなければ、過矯正になってしまって肩凝りや目の疲れなどの症状が出てしまうこともあります。 見えにくさはコンタクトレンズが原因でない場合もあります。 目にキズがあったり、炎症などが原因で見えにくくなっていることもあります。そういった病気は眼科を受診しなければわからず、自覚症状が出た頃には、ひどい状態になってしまっていることも多いのです。

定期的に眼科で診察、検査を受けて自分の目の健康をしっかりと守りましょう!