眼球振盪(がんきゅうしんとう)

眼球断面図がブレて見える異常のひとつに「乱視」がありますが、他にも目が自分の意思に関わらず左右などの方向にブルブル震える感じに動いてしまい物が見えにくいという病気があります。

これは眼球振盪(がんきゅうしんとう)といわれ、通常は両眼がバランスを取りながら物を見るために動くのですが、そのバランスが崩れてしまうためにおこります。ブルブルと動く方向も左右同じように動くということもあれば、ある一定の方向へだけ動くというタイプもあります。

この目がブルブル動く「眼振(がんしん)」は、他者が見れば一発でわかるのですが、当人は目がブルブル動いているという自覚がない場合が多いのです。しかし、視力的に矯正視力が1.0出るということは少なく、メガネやコンタクトレンズを使用しても改善には至りません。

眼振が起きる原因には目の異常で起こる場合と、耳や脳の障害で起こる場合があります。治療に関してはまだ決定的な事がわかっていないのが現状です。起きてしまった場合は、手術によりある程度の改善は見込めるようです。また、耳や脳の障害が原因で起こっていた眼振の場合はそれらの異常が治ると、眼振も一緒になくなるようです。

目薬も症状によって医師が処方するものです。

眼科の窓口で「目薬だけほしいんだけど、ダメかしら」とよく患者さんから質問を受けます。理由を伺ってみると、

◆時間がない、急いでいる。

◆当人の具合が悪い、外出し難い。

◆変わった症状がないのに診察、検査を受けるのが面倒だ。

など、患者さんにもたくさんの事情や考えがあるということは十分にわかります。しかし、基本的に目薬だけの処方は行っていません。

一般的に薬の処方箋の期限は交付日を含めて4日以内です。先生が診察をして、この薬が今の症状に一番適切であろうという判断がここにあります。ほとんどの場合は診察を受けた後、速やかに調剤薬局へ目薬をもらいにいくでしょう。時間が経過すれば症状に変化が出るかもしれませんし、薬の効果があまり出ないのであれば薬剤変更も検討しなければなりません。

また、慢性的な病気の場合は劇的な改善や治癒を目的するのではなく、現状より悪化しないようにコントロールをするケースが多くあります。自覚症状では「なんともない」場合でも、例えば眼圧値が上昇していたとか視野が欠けはじめてる、視力が片目だけ低下している、網膜など自分では見えないとろこに異常が起きているといった気が付きにくい症状が隠れている場合もあるのです。

そのため、あの時に診察を受けていれべ良かったという残念な結果だけは避けたいところです。結果的に同じ目薬が処方されたということでも、医師は責任をもって診察をしています。せっかく目の状態を気にされて目薬をもらおうと思っているのですから、少しだけでも時間を作って受診していただければと願います。

「眼が痛い」は、どんな痛みなのかを先生に伝えよう!

眼痛漠然と「眼が痛い」という症状を訴える表現があります。

単純に痛い、という言葉の中には様々な症状が考えられ原因の特定が難しい状況でなのです。そのため、眼科の先生側からすると「どんな痛みなのか?」というを患者さんの言葉を重要視しています。

例えば、言葉で表すと「ゴロゴロ」痛いとか「チクチク」痛い。という場合は、眼の表面に異常があるのではないか?「ズキズキ」痛いとか「ズキンズキン」痛い。という場合は、眼球に異常があるのではないか?など、診察する上でどこに異常があって痛みが出ているのか。検討がつきやすくなります。

また、痛い場所やどんなときに痛みがあるのかを付け加えて説明できると、さらにご自身のツライ痛みが解消される方法が発見しやすくなります。「眼の奥が痛い」とか、「まばたきをすると痛い」等です。

しかし、明らかに目ににゴミが入っていてゴロゴロ痛かった等すぐに原因がわかり処置ができる場合と、何が原因で目の痛みがおきているのかがわからない場合というのがあります。視力や眼圧、眼底などを詳しく検査するもその場では何も異常が明らかにならない・・。というケースもやはり実際にあるのです。

このような場合は、今現時点ではまだ何も悪いところが見当たらないけれども、重篤な病気が隠れている場合もあるので油断をしないことが大切です。少しでも症状に変化がでるようであれば、すぐに再受診することを忘れないでくださいね。

目の健康にビタミンCを効果的に摂取しよう。

眼球にはビタミンCが含まれていて、成分が欠乏してくると水晶体・網膜などが病気になりやすいということがわかってきています。

ビタミンCは通常の食事から摂取していれば不足するということがなかった成分ですが、近年は野菜などに含まれるそのものの含有量が減ってきていることもあり、工夫をしないと必要量を摂取することが難しくなってきています。

上手にビタミンCが体内で摂取されて作用するには、タイミングが大切です。ビタミンCは水溶性で体内に長時間留まることはできません1回にまとめて摂取するよりもなるべく分散させてこまめに体内に補給するほうがよいのです。

リポ-カプセルビタミンCまた、いつ摂取しても問題はありませんが、満腹時より空腹時に摂取するほうが体内に吸収されやすいのです。当院でも吸収率が通常のサプリメントに比べて2倍以上ある「リポ-カプセルビタミンC」という製品を取り扱っています。(1箱30袋入 税込7,780円です)液状なので、非常に飲みやすいです。そのまま飲んでもOK、酸味が苦手な方は水や炭酸水などに混ぜても問題ありません。

ちなみに、コラーゲンとビタミンCを一緒に摂取すると吸収率を高める相乗効果を発揮します。他にもビタミンP(みかんやマーマレードに多く含まれます)と一緒にビタミンCを摂取すると、抗酸化作用の持続性を助ける働きをします。目の健康のみららず、美容面にもビタミンCの抗酸化作用は嬉しいものですね!

加齢黄斑変性の簡易チェック!

40歳以降、老眼(手元の文字などが見えにくい)をはじめとして目にも老化現象が起こります。なかでも最近は「加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)」についての認識度が高まってきています。

加齢黄斑変性は、簡単にいえば一番見たい物の中心が見えない!!という病気です。黄斑部は網膜の中央にあり、物体の「形」「色」「大きさ」「距離」などを判別する大変重要な器官です。ここに異常が起きると、物を見ることが非常に困難になります。メガネやコンタクトレンズなどを用いて見えるようになることはありません。

加齢黄斑変性を早期に発見するには定期的な「眼底検査」が不可欠です。網膜断層検査(OCT検査)を受けると、ご自身の網膜の状態を自分自身の目で確かめることができます。
40歳を過ぎたら、一度本当に異常がないのか確認しておくと安心です。

また、簡易的ではありますがご自身でチェックする方法もあります。(画像はクリックして拡大できます。)

アムスラーチャート

この網目状の中心を片目を隠しながら見てもらいます。縦横まっすぐに引かれた格子状の網目がきれいに見えますか?

線が歪んで見えていたりすると黄斑部に異常が起きている可能性が高いです。すぐに眼科で精密検査を受けるようにしてください。

紫外線・可視光線から目を守ろう☆

目にダメージを与えるという事において、 「紫外線」はよく耳にされると思います。
また、近年では「ブルーライト」という言葉が 目に大きな負担をかけると様々なメディアでとり上げられています。

ブルーライトは可視光線の中でもとくに【黄斑部(おうはんぶ)】にダメージを与え傷つけます。具体的には「酸化」させてしまいます。黄斑部は物を見るために必要な非常に重要な部分です。

UVカット・ブルーライトカット付きのメガネなどで 目を守ることも有効な手段の一つですが、 体の中から「抗酸化」対策をすることも非常に大切です。

抗酸化作用を持つ成分は様々ありますが、”目”に対して考えるのであれば 「ルテイン」が最適です。ルイテインは光の吸収作用を伴なう抗酸化物質のため、紫外線やブルーライト対策に有効とされています。

ルテインはカロテノイドの一種なので通常は食事から摂取することができます。緑黄色野菜に多く含まれていて、中でも「ほうれん草」がダントツで含有量が高く100g中12.2mg。 次いでブロッコリーやかぼちゃに1.4mgとなっています。ルテインは1日あたり2mg/kg体重の摂取までできるとされ、体重70kgであれば1日140mgまで摂取可能です。
ルテインプロ

体内ではルテインは生成されませんので、地道な摂取が必要です。効率的に摂取するのであればサプリメントを併用するのも方法のひとつです。

ドライアイによる視力低下

ドライアイの症状には様々なものがあり、目の乾きはもちろん、痛みやゴロゴロ感などもあります。
そして症状の一つに目がかすむ、というものがあります。視力の悪い人でなくてもかすんで見えにくいなど、見え方に影響が出てしまう場合があります。
ドライアイの人は涙の分泌量が少なく不安定になっているので目のピントを合わせる力が低下してしまい、見えにくさの原因になってしまうのです。
ドライアイは加齢、長時間のデジタル機器の使用、乾燥した部屋での生活などによって起こりやすくなります。
特にコンタクトレンズを使用している人は使用していない人に比べて目がとても乾燥しやすくなっています。
朝コンタクトレンズを付けた時は視界が良好なのに、夕方になってくるとかすんで見えにくい、目薬をさすとマシになるという人はドライアイの可能性が高いです。特にソフトコンタクトはレンズが涙を吸ってしまうので乾燥しやすくなります。
ドライアイの対策として、
*パソコンなどを使用する時はこまめに休憩を取ったり意識的にまばたきをするようにする
*エアコンなどの風に直接当たらないように気をつけ、エアコンを使用する場合はなるべく加湿をするようにする
*コンタクトレンズを使用する場合は目薬などをさしたり、部屋に加湿器などを置いたりして乾燥を防ぐ
などがあります。しっかりと心がけてドライアイによるかすみ、見えづらさを解消しましょう。
目薬点眼

乱視だと思っていたら、違う病気だった。

手元のパソコンや携帯の画面を見ていると、数字の3と8、6と8、8と9の区別が付きにくい。また、月を見ていたら1つしかないはずなのに数個にダブって見える。

こういった症状は、ほとんどの方が「乱視」と思われるでしょう。

乱視が原因であれば、乱視矯正用のメガネやコンタクトレンズを使用すれば視力が出ます。しかし、これらを使用しても見え方が改善しないというケースがあります。
さらに、光がまぶしい・乱反射するといったような症状が併発してくると、単なる「乱視」ではなく「白内障」を患っている可能性が高くなります。
白内障そのものは老化現象のひとつであり、年齢とともに水晶体が白く固く濁っていく病気です。見えにくくなれば、水晶体を交換する手術をすることにより、視力は全快します。

しかし、老化現象であれば放置しても大丈夫なのでは?と思われる方もいらっしゃると思います。ある程度までは様子を見るということで問題はありませんが、放置しすぎるとブドウ膜炎という炎症を起こしたり、水晶体が固く膨らみ緑内障発作を起こすこともあります。また、いざ手術に!と踏み切ったときに放置されていない方に比べて水晶体が固く、トラブル発生のリスクが高くなります。

見え方は少しずつ変化をしていくものですので、昨日と何か視界に変化が生じたか?という自覚症状を問われると、なかなか気が付きにくいものです。
放置状態にならないように、十分気をつけましょう。

緑内障の早期発見には、眼底検査を受けましょう。

RFNL緑内障は、早期に発見ができればそれだけ視力を確保しておくことができます。最悪の場合は失明に至る場合もありますので、ともかく早く処置をする!に越したことはありません。

自覚症状は、大きく症状が進行してようやく出るものなので自己判断で「見えているから大丈夫」というのは大変危険です。

 

上の画像は光干渉断層計(OCT)を用いて、神経線維層を測定しています。緑内障になると網膜の神経線維層(RNFL)が薄くなることがわかっているため、OCTにて神経線維層の厚さを調べることにより緑内障の早期発見や、症状の進行状態を把握することができます。

正常の厚みであると、緑色になっています。神経が薄くなってしまっていると青色、厚くなりすぎていると赤色で分布されます。この例の場合は、神経線維層がほとんど青色になっている状態です。緑内障が進んできてしまっていることがわかります。

視野検査も緑内障発見の有効的な検査の1つですが、患者さんの体調などによっても疲れていたりすると上手くできなかったりということもあります。比べて、OCTの場合は客観的に判断することが可能です。

両目で物が見えているか調べてみましょう☆

立体視検査人間の目は立体的に物が見えるような構造になっています。両眼視機能がしっかり働いているか、ご自身で簡単にチェックする方法があるので気になる方は是非やってみてください。

用意するのは2本の鉛筆です。

1)鉛筆を右・左それぞれの手に1本ずつ持ちます。

2)腕を肘を曲げないようにまっすぐに伸ばします。

3)右手の鉛筆を上に、左手の鉛筆を下に開くようにして持ちます。

4)ゆっくり真ん中に鉛筆の先っぽどうしをぴったり合わせるように移動させます。

お子さんの場合は図の絵のように、保護者の方が鉛筆を下においてあげるとわかりやすいと思います。

【結果】
物が両目で立体的に見える(正常に機能している)場合は、鉛筆の先を上下から近づけた時に先を合わせることができます。これができないと、両眼視機能に何等かの異常が出ている場合があります。眼科の先生の精密検査を受けてみてください。
(ちなみに片目ずつだと立体感が消えますので、鉛筆の先を合わせることはできません。これは異常ではないので、ご心配なさらなくて大丈夫です)