遠近両用コンタクトレンズの見え方【ワンデータイプその2】

遠近両用コンタクトの見え方についてよくお話を耳にすることがあります。「現在、遠近両用コンタクトを使用してるが、見えにくい」

もっとよく伺ってみると、次のようなときに見えにくいと感じているようです。

1)夜、もしくは暗いところで遠くも近くも見えにくい。

2)片目ずつ見ると、ぼやける。

当院に限らず、処方時に説明をさせていただいている内容ではあると思いますが、よく伝わっていなかった。聞いたけど忘れてしまったなどということもあります。

1)の原因については、瞳孔が大きく関係してきます。瞳孔はまぶしい時は「縮まり」、暗いところでは「広がり」ます。この瞳孔の動きにより、遠近両用コンタクトをしている、いないに関わらず見え方に変化が起きます。暗い所では瞳孔が広がることによって、ピントを絞る目の機能が弱くなるため事が遠くよりより近くが見えにくく感じます。また、暗い所に目が慣れる(暗順応)までに時間がかかることにも影響されます。そうしますと、夜に本を読むような時は照明の明るいところで読むことにより、見え方のストレスは改善されるはずです。

2)については、ソフトコンタクトレンズは目の真ん中に安定するものでははありますが、よくみると微妙に耳側にずれる傾向があります。

この状態で片目ずつ見ると、それぞれ「中心部の像」と「耳側にぶれた像」が残るため見えにくさを感じます。しかし、両目で見ることで耳側にずれた像より中心部の像が鮮明に見えるようになるためぼやけ感が改善されます。片目ずつでは見えにくいけれど、両目で見れば問題ないという方は遠近両用レンズの適応範囲内ですので安心なさってください。遠近両用タイプでは、片目でみるとぼやけるが両目で見たときに違和感がないといわれるのはこのためです。

こういったレンズの特性を知っておくと、なぜ見えにくいのかという事がご自身でも納得いくかと思われます。

Myメガネを持参してください。

眼科受診の目的は様々かと思いますが、そのときは是非「今ご使用中のメガネ」を持ってきてください。数年前に作ったけど使ってない、引き出しに眠っているという方もです。

◆今、どういった見え方をしているのか。

◆目に合ったものを使用しているのか。

◆コンタクトレンズを作るけれども、ちゃんとメガネも併用できる準備があるか。

◆「使わない」メガネなのか、「使えない」メガネなのか。

確認させていただきたい内容は盛りだくさんです。確かに当日の検査結果に基づいてメガネ処方などが行われますが、視力というのは、単純に1.0が見えるから良いというものではありません。

その方にとってストレスのない見え方というのが重要で、0.7くらいで十分と感じる方、1.5くらいないと見えにくいと感じてしまう方、これは人それぞれです。生活スタイルも必要とされる日常視力も異なるでしょう。

人間はそれまでの慣れている見え方と比較されますので、数値的に1.0見えようが、そうでなかろうが満足のいかないケースにぶつかります。例えば、50歳の方で今まで1.5月見えるメガネを使っていたとしましょう。親切心で、年齢的な調節力などを加味して1.0くらいに合わせてメガネを提案したとしても、作ったメガネが極端に見えにくくなったと感じてしまう場合があります。

他にも、疲れやすいとか頭痛がするとかいうケースであっても、今の見え方(眼鏡使用中の方はとくに)というのは、何故つらい症状が出てしまっているのかを判断する重要な要素です。度数だけではありません。瞳孔間の距離や、フィッティング、レンズのデザインが合わなくても不調は起こります。遠近両用なのに、レンズ面積の極端に小さいデザインだと視力は安定しにくくもなります。まだまだあります。球面レンズであれば視力が出るのに、薄型非球面にしたため視力の出方が測ったときと変わってしまった等、検査日の測定が全てではないのです。

来院する際は是非、ご使用中のmyメガネをご持参くださいね。

「虹を真下から見ると、どうなっているの?」と質問を受けました

ふと空を見上げると綺麗な虹が見えた!一度は見たことがあると思います。以前、虹はいつもこの写真のように横に伸びたイメージしか見たことがない。虹の真下まで行ったら、どうやって見えるかな?と聞かれたことがありました。

すごい発想力と賞賛したいところですが、残念ながらそれを叶えることはできそうもありません。そもそも、虹はどうして見えるのかという点を考えてみたいと思います。

人間が「虹が見える」と認識する為には、光の屈折が大きく関係しています。例えばある地点Aで、雨が降っているとします。少し離れたB地点では晴れていて、C子はこのB地点にいるとします。B地点にいるC子が、A地点の方を見るとA地点で降っている雨粒が太陽の光に照らされ反射します。その反射した光が、C子の目に入ったときに虹として認識されます。そのため、この光の屈折の角度と反射の条件などが一致しないと人間は虹を見る事はできません。反射の角度により、赤に見えたり黄色や青に見えたりします。そのような訳で、C子がB地点からA地点に着いて空を見上げたとしてもこの光の屈折が目に認識されることはありません。

ちなみに、虹が7色というのは日本をはじめとした少数国での認識なのです。通常、世界で虹は何色と聞けば6色とされています。さらには2色と認識する国もあるとか?!色の認識は面白いものです。

これも余談となりますが、信号機の色は日本では「赤信号」と「青信号」と呼んでいます。しかし、世界共通で定められた信号機の色は「RED(赤)」と「GREEN(緑)」です。信号という文化が日本に導入された時に、日本には緑という色の概念が馴染みにくかったようで「青信号」という呼び名で広まったようですね。

どちらの図形が鮮明に見えますか?

A子の友人が視力検査に来たときのことです。

「この図形を見てください。」

「 赤い方にある図形(二重丸)と、緑の方にある図形。

どちらにある図形の輪郭が鮮明に見えますか?同じ程度ですか?」

と聞かれて、「どちらかといえば、赤いほうかな」と答えたようです。しかし、「何がこれで分かったの?」と後から質問を受けました。

行われたこの検査は、「赤緑テスト」と呼ばれるものです。しかし、1+1=2のような絶対的 答えがある検査ではないので、見えたように素直に答えてもらえれば問題ありません。どちらの方にある図形が鮮明に見えたからといって間違いがあるわけではありませんのでご安心を。

このテストは、「近視の状態の場合でみると、赤いほうにある図形が鮮明」「遠視の状態でみると、緑のほうにある図形が鮮明」「正視の状態でみると、どちらにある図形の鮮明さも同等程度」という見え方になります。眼が色収差を起こす現象を利用した検査になっています。

A子友人はコンタクトをつくりに来ていたときにこの検査を受け、もともと近視眼なので過矯正(度が強く入りすぎていないか)のチェックをするときに行われたようです。答えたのは「赤い方の図形」でしたので、近視眼であれば過矯正になっていないという判断の目安になります。

こういった仕事をしていないとこれは何の検査をしているのだとう?と疑問に思うものなのですね。説明の方法にも気を配っていきたいところです。

眼を疲れさせないためにできる事。

昨日の台風はすごかったですね。診療が終わると同時に私たちも、即帰宅しました。今日から早いもので10月です。今年もあと3ヶ月です。

秋はこれといって流行る眼の病気は少ないのですが、家で本を読んだりするような時間が増える傾向にあるため眼精疲労を訴える患者さんが多くなります。眼を疲れさせないようにするために、少し日常生活を気をつけることで改善させるケースがあります。すぐにでもできそうな事を挙げてみます。

1)正しい姿勢で勉強や読書をする。
眼との距離は30㎝は離します。1時間に1回は10分程度の休憩をし、眼を休ませます。

2)照明を適切な明るさに保つ。
照明は明るすぎても、暗すぎても良くありません。通常の蛍光灯スタンドで考えれば20ワット程度が適当とされています。

3)ブルーライトに注意する。
テレビ、コンピューターゲーム、パソコンなどは、特に小休憩をはさみながら行ないましょう。

4)バランスの良い食生活を心掛ける。
食生活は緑黄色野菜など、栄養バランスを考えて摂取するようにします。

5)遠くを見る習慣をつける。
運動や散歩など、近くだけではなく遠くを見るようにする習慣を持つことも、眼の負担を和らげます。

眼に良いことは、できるところから実践してみると良いでしょう。どうしてもつらい場合は、眼精疲労軽減を目的とした目薬を使う方法もありますのでご相談ください。

そろそろ秋です、シミ治療の季節です。

夏のジリジリとした紫外線の強さもようやくおさまりつつあります。気がつけば、もう9月も終わりです。紫外線の強い時にシミ 治療をすることもできますが、再発のリスクが高くオススメしていませんでした。しかし、そろそろ治療開始に適した季節と言えます。

レーザーを当てることで、一瞬にして気になっていたシミが消えていったら嬉しいですよね。左は施術前、右は施術後の写真です。
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当院で行なっているシミ治療には、ルビーレーザーを用いています。

 

的確に黒い部分だけにレーザー効果を発揮してくれますので、普通の肌にはダメージがありません。よく、白い豆腐の上に黒い紙を置いて実験をしているところとかテレビでやっていますよね。黒い紙だけ弾き飛ばされ豆腐は無傷でしたといったようなもので、あんな感じです。

施術時間は大きさにもよって異なりますが、平均15分程度です。初回は院長の無料カウンセリングがありますので、「レーザーで取れるシミなのか」「料金はいくらくらいかかるか」などお気軽にご相談ください。料金の目安は、直径1mmにつき2,000円+税です。2mmなら4,000円+税、3mmなら6,000円+税という具合です。

相談後、施術を希望されれば即日レーザーを当てていきます。予約も不要ですので、受付時間内にいらしてください。また、 施術部位が半年以内に再発した場合は同じ場所なら大きさに関わらず2,000円+税でアフターフォローを行っています。

夜になると光がギラギラまぶしい、ハードレンズのグレア現象。

裸眼や眼鏡では問題なし。昼間も問題なし。しかし、夜になってハードコンタクトレンズを着けているときだけ、街灯やら町の灯りがギラギラしてまぶしく感じるという方がいらっしゃいます。併用で使用している使い捨てソフトレンズでは、こんな症状は出ない為、眼がどうにかなってしまったのかと心配になりますね。

しかし、これは病気ではありませんので安心してください。

まず解消方法としては、ハードコンタクトを継続されるのであればレンズのサイズを大きく特注サイズで作ってみるとこの症状は変わってきます。同時にカーブなども含めて目に合っているかどうかも確かめてみる必要があります。

これでも解消にならなければ、ソフトレンズへ転向するか眼鏡に切り替えるようにすれば一気に解消されます。

夜、ハードレンズだけギラギラまぶしく感じるこの現象は「グレア」と呼ばれています。何故こういった症状が出るかというと、夜など暗いところでは自然に瞳孔が大きくなります。瞳孔が大きくなったときサイズ(直径)の小さいハードレンズでは、レンズの縁のあたりにある涙が、光にあたって乱反射するのが視界に入ってしまうために起こります。そのため、ハードレンズの場合はサイズを大きくしておくほうがこの現象が起きにくくなります。昼間明るい時やソフトレンズ、眼鏡ではこういった症状がないのには納得がいきますよね。

グレアが気になるようでしたら、一度眼科で相談なさってみると良いですよ。コンタクトレンズはできる限り快適に利用したいものです。

目のアンチエイジングには、脳を鍛える事が効果的。

目=(イコール)物を見るものと思いますが、厳密に言うと物を見ているのは「脳」です。目は物を映し出す器官であり、その映った物が何であるのかを判断しているのは脳です。よく、目はカメラにたとえられますが、その通りの役目を果たしているわけです。通常目に入ってくる光は、水晶体というレンズを通り、網膜の上でピントを合わせます。網膜というフィルムに映し出された映像は、視神経を通って脳に伝達されます。そして、脳はこの網膜に映しだされた物が何であるのかを判断するわけです。

物を見ているのが脳であれば、目の老化を防ぐには必然的に「脳を鍛える」ことによって効果をもたらすとされています。私も持っていますがゲームの「脳トレ」などを適度に行ったりするのは脳を活性化させ、目の老化対策にも大変よい事です。脳は普通に生活しているだけでは、活性化されません。ピアノを弾いたり、編み物をしたり、指先を使って細かいことをするのもよいでしょう。また、目そのものにもっかり栄養が行き届くようにすることも大切です。ビタミン・ミネラルをはじめバランスのとれた食生活を送ることが大切です。

余談ですが、目の回りのクマについてです。これは老化というよりは、血行不良などが原因ですがクマがあるとどうしても実年齢より疲れた感じに見えてしまいますね。コンシーラーなどで隠すこともできますが、根本的な改善を望むなら体の内側からが良いでしょう。例えば、葉酸やアスタキサンチンなど血液をサラサラにしてくれる効果をもつ食品を摂取してみることです。葉酸は「アスパラ」「のり」「レバー」などに多く含まれます。アスタキサンチンは「蟹(かに)」「鮭」「いくら」「鯛」などの魚介類に多く含まれます。魚介が苦手という方はサプリで補給を考えてみるのも方法の1つです。

子どもの視力の発達について。その2

昨日、子どもの視力の発達についてお話しました。視力の発達途中で物を見ることをしないと弱視になってしまいます。では、物を見ることができない状態とはどのようなことなのか補足としてもう少しまとめてみます。

まずは、「斜視(しゃし)」です。斜視があると両眼で物をみることができません。左右の視線が違う方向を向いてしまっていて、それぞれの目で見たものが1つにまとめられません。例えばテーブルの上にリンゴが1個あったとします。右目で見たリンゴの位置と左目で見たリンゴの位置にはズレがあります。通常は脳と連携をしてリンゴが1個に見えますが、斜視がある方はこれができません。そのため、リンゴが右目で見た位置と左目で見た位置にそれぞれあるように見え、2個あると認識します。人間はこのようにダブって見えることに非常にストレスを感じますので、何とかクリアに見えるように補正を行おうとします。この補正が、片目を使わないという方法になってしまいます。この状態を放置すると使わない方の眼が弱視になる場合があります。

次は「遠視(えんし)」です。遠視があると実は遠くも近くもハッキリ見えません。遠視が強度の場合はいつもぼんやりとしか見えていなくて視力の発達段階でこのような症状が起きていると視力が発達せず弱視になる原因となります。

その他、先天性の白内障等をはじめ他の病気によるもの、視力の発達時期に眼帯をつけっぱなし(3日~1週間程度も含む)にしている等、物を見ることができない状態を作ってしまうと弱視になる恐れがあります。眼は一生使う大切なものです。きちんと視力発達がされるよう注意する必要があります。

子どもの視力の発達について

お子さんの視力ですが、ちゃんと見えているかどうか気になりますね。では、人間の目というのはいつぐらいから見えるようになっていくのでしょうか?

まず、生まれたばかりの赤ちゃんです。生まれたばかりですと 「明るいのか暗いのか」この程度がわかるくらい見え方と言われています。その後、約1ヶ月程度で「物の形」を2ヶ月程度で「色」、4ヶ月程度で「動く物を目で追える」くらいになります。そして、6才程度で大人と同じくらいの視力になるとされます。

6才というと、ちょうど小学校に入学する頃です。この時期までに視力がきちんと発達しているようにする為には、常に「物を見る」ということを行なう必要があります。とくに何か訓練をするということではありません。自然に目で物を見ればよいのです。視力は物を見ることにより発達していきます。物を見ると、脳が目から受けた刺激を正しく判断するようになります。たくさんの物を見ているうちに自然と力がついてくるように なります。

では、この「物を見る」という動作が正常に行なわれなかったら どうなるのでしょうか?視力の発達途中で、「物を見ること」がなされないと発達が抑制され、視力がでなくなってしまいます。こういった症状を弱視(じゃくし)と呼びます。3歳児検診くらいまでに発覚した際は、 すぐに処置を行なえばよくなる可能性は高いとされています。視力の発達を抑制されていた期間が長ければ長いほど、回復する確率は低くなっていきます。早期の発見が鍵です。放置してしまうと、その子は一生視力がでないまま人生を送ることになってしまうかもしれません。 ともかく、放置は禁物です。

弱視が発覚した場合の処置法ですが、基本的には遠視が原因の際はメガネをかけて矯正していきます。その他の場合はよく見えている方の目を遮閉して、弱視の目を無理に使わせるといった方法がとられます。 ともかく起きているうちはずっと訓練ということになりますので、 眼科にいるときだけでなく自宅にいるときもずっと 継続する必要があります。まずは、定期的な視力検査を受けて視力の発達が妨げられていないか確認することが 良いでしょう。

自宅でも、
・目を細めて物を見ている
・テレビなど間近で見ている
・首をかしげる感じに見ている
といった症状をはじめ何か気づいたら、すぐに先生に相談しましょう!

ちなみに、一般的に目が悪いということで メガネをかけて 視力1.0が見えるような場合は弱視ではありません。 弱視の場合は、視力そのものが出ない状態です。 いくらメガネやコンタクトレンズなどを使用しても十分な視力を得ることができません