どちらの図形が鮮明に見えますか?

A子の友人が視力検査に来たときのことです。

「この図形を見てください。」

「 赤い方にある図形(二重丸)と、緑の方にある図形。

どちらにある図形の輪郭が鮮明に見えますか?同じ程度ですか?」

と聞かれて、「どちらかといえば、赤いほうかな」と答えたようです。しかし、「何がこれで分かったの?」と後から質問を受けました。

行われたこの検査は、「赤緑テスト」と呼ばれるものです。しかし、1+1=2のような絶対的 答えがある検査ではないので、見えたように素直に答えてもらえれば問題ありません。どちらの方にある図形が鮮明に見えたからといって間違いがあるわけではありませんのでご安心を。

このテストは、「近視の状態の場合でみると、赤いほうにある図形が鮮明」「遠視の状態でみると、緑のほうにある図形が鮮明」「正視の状態でみると、どちらにある図形の鮮明さも同等程度」という見え方になります。眼が色収差を起こす現象を利用した検査になっています。

A子友人はコンタクトをつくりに来ていたときにこの検査を受け、もともと近視眼なので過矯正(度が強く入りすぎていないか)のチェックをするときに行われたようです。答えたのは「赤い方の図形」でしたので、近視眼であれば過矯正になっていないという判断の目安になります。

こういった仕事をしていないとこれは何の検査をしているのだとう?と疑問に思うものなのですね。説明の方法にも気を配っていきたいところです。