乱視で老眼が出たら、コンタクトレンズは使えるの?

たいてい40歳を過ぎると、少なからず老眼が気になり始めます。老眼になる前は、ソフトコンタクトレンズで乱視と近視を矯正、もしくは遠視を矯正していたけれど最近、極めて手元が見えにくくなった!!

という方、いらっしゃると思います。

現在市場にある乱視用ソフトコンタクトレンズには

「乱視」+「近視」

「乱視」+「遠視」

という組み合わせで度数を入れることはできますが、

「乱視」+「遠近両用」

という度数が入っているソフトコンタクトレンズは残念ながらありません。ソフトコンタクトレンズで乱視を矯正し、なおかつ遠近を矯正するという商品が今後開発されることを祈りますが、現状でこのような目をされている方は「ハードコンタクトレンズを使う」または、「ソフトコンタクトをつけた上から、メガネを掛ける」等といった方法をとることになります。

しかし、長年にわたりソフトコンタクトレンズを使用してきた方がハードコンタクトにするのは、まずは着け心地の点で非常に慣れにくいといわれます。
(子供の時に、ピアノ→エレクトーンの順番なら問題ないけれどエレクトーン→ピアノの順で習うと鍵盤が重くて上手く弾けないというのと似ている気がします)

また、その中で遠近両用の独特な見え方にも慣れなくてはいけない状況になります。もし、慣れないようなら今までのコンタクトを遠方重視の見え方に合わせ、その上から手元の作業をするときにメガネをかけて手元にピントを合わせるという方法を取るとスッキリ見えると思います。しかし、メガネを掛けたくないからコンタクトにしているという方にとっては、あまり嬉しくない方法になってしまいます。

「見え方」をとるか、「着け心地」をとるか、「外見」をとるか、当人の立場であれば悩みどころです。

シミの種類と治療。

昨日、シミにも種類があるというお話をしましたが、どんな種類があるのか簡単に説明いたします。

1)雀卵斑(じゃくらんはん:通称ソバカス)

10歳くらいから遺伝的な要素が原因で表れると言われています。鼻の部分を中心に小さい斑点ができます。

2)肝斑(かんぱん)

30歳~40歳くらいの女性に多くみられ、女性ホルモンが大きく関係していると言われています。目の下や頬のあたりに、左右対称にくすみのように広がるのが特徴です。ちなみに、男性に肝斑がでることはありません。

3)老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)

若い時、気にせず海や日焼けサロンで日焼けをしていませんでしたか?長期間、紫外線にあたることによって起こる老化により現れます。日焼けしていた方ほどできやすく、30歳前後に現れはじめます。シミの境目がはっきりと濃いのが特徴です。

4)脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう 通称:年寄りイボ)

老人性色素斑から、症状が進行したシミのことをいいます。徐々にイボのように隆起していきます。

5)炎症性色素沈着(えんしょうせいしきそちんちゃく)

とくに火傷やニキビ、化粧品などにより炎症が起きた時に現れます年齢に関係なくできます。紫外線に反応して炎症が続くと更に濃くなってしまいますので、ともかく紫外線から肌を保護するように注意します。

当院で行うレーザー治療は、「ルビーレーザー」と「炭酸ガスレーザー」を用いた照射になります。ルビーレーザーでは、「雀卵斑(そばかす)」と「老人性色素斑」に大きな治療効果をもたらします。また、炭酸ガスレーザーでは「脂漏性角化症」に効果を発揮します。そして残念ながら肝斑にはこの2つのレーザー治療は適しません。(肝斑の場合、Qスイッチヤグレーザーという機械で炎症を悪化させないよう低レベルのパワーを当てていけば治療が可能になりましたが、残念ながら、当院では導入していません)基本的には、肝斑は内服薬などで治療していくことになります。

シミの治療は誤った治療法を選択してしまうと、さらにシミを濃く悪化させてしまうことになりますから注意しましょう。

レーザー治療したらシミがもっと酷くなった?!

「シミを取ってもらいたくて、他院でレーザーを当てたらさらに酷くなった」という患者さんが以前いらっしゃいました。レーザー治療をしたのに、シミが酷くなったってどういうことって思いませんか。そこで、「シミ」と一言でまとめられるシミにも種類があることをご存じでしょうか。

このケース場合、レーザーを当てて悪化したという点を考えますと、この「シミ」は、シミのなかでも「肝斑(かんぱん)」と呼ばれるものであった可能性が高いです。肝斑にはレーザー治療は基本的に禁忌とされています。理由はメラノサイトをレーザーで刺激しすると、肝斑の場合は取り除くどころか悪化させてしまうといわれているからです。(※近年では肝斑に効果のあるレーザー機種もでてきましたが
これについてはまた後日・・)

肝斑は頬や口の周りに左右対称にシミが出ます。30~40歳代の女性に多い症状で、女性ホルモンが大きく関係しているといわれています。また、睡眠不足やストレスも原因と考えられています。

一般的な治療としては、「体の中」を正常化させて消すという方法になりますので
ビタミンCやトラネキサム酸などの内服薬で治療していくことが基本です。また、肝斑なのかそうでないのかというのは医師でも判断が難しいものです。慎重にどの治療法が良いのか計画をたてることになります。

そして、肝斑と診断されたら

刺激を与えない

これが重要事項となります。顔を洗う時にゴシゴシこする、ピリピリするような肌に合わない化粧品を使う、などなど刺激を与えることは悪化につながりますので避けましょう。シミも適切な治療をしないと消えていきませんし、逆に悪化させてしまう場合もあります。 きちんと診断を受けて、適切な治療を受けることが大切です。

酒かすの美容と健康効果。

先日、炭酸美容についてちょっと取り上げました。せっかくなので「酒かす」についてもとり上げてみようと思います。酒かすには沢山の栄養成分が含まれ、以下のような良い効果をもたらしてくれますよ。

(1)抗癌作用

人間の血液には、NK細胞という「癌だけを殺す働き」をする細胞があります。この細胞を酒かすが活性化してくれますので、癌になりにくい体をつくることに役立ちます。

(2)美肌効果

酒かすは保湿効果に優れています。例えば入浴剤としてお風呂に入れてあげれば体も温まり、ガサガサ乾燥肌の改善につながります。また、体が温まると毛穴も開き汚れを取り除きやすくなります。さらに新陳代謝が活発になりますので、新しい皮膚細胞の生成がはやまりアトピー改善などにも効果が期待できます。

(3)血管拡張作用

デオキシアデノシンという、血管拡張作用のある成分が大量に含まれています。 血管は、寝不足などのストレスが加わると細くなります。酒かすのこの成分で血管の拡張が促され血行がよくなれば、ストレスによる肩こり、冷え性、偏頭痛、などの改善効果が期待できます。

(4)血液サラサラ効果

酒かすに含まれるペプチドが、悪玉コレステロールをやっつけて、善玉コレステロールを増やします。ペプチドは血圧を下げたり、血栓を溶かす効果がありますので、血液もサラサラにしてくれることでしょう。

(5)ダイエット効果

肥満のメカニズムに関することですが、摂取した食事に含まれる「デンプン」が体内に入ると「ブドウ糖」にされます。このブドウ糖になるまでのスピードが遅い人は肥満になりにくく、早い人は肥満になりやすいとされています。酒かすは、このデンプンの分解を遅らせ、肥満になりにくいよう手助けしてくれます。

いかがでしょうか。目を見張るような効果がありますよね。3日坊主にならないよう、 毎日できる範囲で続けることが大切です。ちなみに、A子は酒好きなので問題なく料理に酒かすを活用したりしていますが、酒かすには アルコール成分が8%程度含まれているので、アルコールに弱い方は 十分注意して活用してください。

白内障の手術は、いつごろが良いか?

人間、誰でも年をとります。髪の毛が白髪になるのと同じで、目(水晶体)も白く濁って固くなっていきます。これが「白内障」と呼ばれるものです。

さて、白内障と診断されたといっても、すぐに手術をするわけではありません。そのため「いつ、手術したらいいですか?」という質問を患者さんからよく受けます。先生からの特別な指示がない限りは、「日常生活に不便がでたら、手術を考えてください」とお伝えしています。

白内障の初期の段階では、「少しまぶしい」「ちょっと見えにくい」といったような症状がでます。初期の段階であれば、眩しさはサングラスなどで、見えにくさは眼鏡やコンタクトレンズなどでカバーすることができます。しかし、徐々に白内障が進行していくと眼鏡やコンタクトレンズを度数を上げても視力がでない!という状態になります。そして、日常生活で物が見えにくくストレスに感じてくるはずです。そう感じたら、手術を考えてみるのでも遅くはありません。

炭酸美容が人気になっていますね!

最近、デパートなどでもコスメコーナーに「炭酸」を使った商品が並んでいるのをよく目にします。当院では、この「炭酸」を利用した施術メニューはいまのところありませんが、何故こんなに注目を浴びているのか気になりませんか?また、コスメだけではなく美容室などでも「炭酸スパ」などのメニューを目にします。

炭酸(H2CO3)というのは、簡単にいえば二酸化炭素(CO2)が水に溶けこんだ状態です。二酸化炭素は今までは人体には不要として考えられてきました。ご存知のとおり、人は呼吸をすると、酸素を取り込んで二酸化炭素は体外へはき出されます。この原理を逆手にとり、あえて体内に二酸化炭素を入れ込むことにより、老廃物を外へ出そうという体の機能を活用しているわけです。

例えば「美顔炭酸パック」なる商品が多数、発売されています。炭酸パックを顔にのせると、皮膚から二酸化炭素が体内へ取り込まれていきます。取り込まれた二酸化炭素は、体には不要な物質なので体外へ出してしまおうと血管を広げる物質が分泌されます。その結果、血行が良くなり酸素や栄養素も体内にめぐっていきます。そして二酸化炭素はというと、肺で普通に交換されることになります。また、皮脂汚れや古い角質なども、二酸化炭素がこれらの周りにくっつき、大きな気泡となって剥がれるときにいっしょに取り除いてくれる役割をします。

おお~。素晴らしいですねぇ!!

そして、高い美容パックなどを買わずともスーパーで売っている炭酸水でも十分効果は期待できるはずです。パックシートに浸して試してみても損はないでしょう。それから炭酸濃度が高いほうが効果が高くなりますから、そこは注意が必要です。こういった点から、お顔だけではなく美容室などでは頭皮にも応用できますね!頭皮の皮脂をとり、血行をよくすれば抜け毛や白髪予防にもつながります。美への追求は日々、進化しているということです。

薬のネット販売、どう考えますか?

薬の対面販売が義務化されているのはご周知のとおりでしょう。しかし、これが覆される判決が以前ありましたね。厚生省が2009年の改正薬事法で、市販薬が3分類され、
一部の薬などを対面販売を義務化しネット販売を禁止していました。ネット販売業者がこれを裁判所に訴えたところ、判決は「改正薬事法からは対面販売を義務づける趣旨は明確に読み取れず、省令は違法で無効」という結果でした。ということは、改正薬事法って何だったの?!って話になるのではと思ってしまいます。

そもそも、薬のネット販売を禁止した理由は以下のような点からでした。

■患者さんの様態を確認の上、販売することができない。したがって、ネットでは注文を受けた商品を売るだけなので、確かに必要とされる商品を販売できたのか確認できない。

■副作用や適切な使用法を伝えられたかが確認ができない。

これらの理由で、対面販売が義務化されたのに「対面販売を明確に義務付ける趣旨がない」ってどういうことでしょう?!それに、本当に切羽詰っていたら病院にかけこみますし、近くに薬局がある地域の方は、さっと買いにいくほうが薬が配達されるのを待つよりずっと早いです。

しかしながら、 主に市販薬をネット通販される方がどのような方なのかを調べてみると

■薬局がない離島などで市販薬を入手したい

■移動手段を持たないので、買いに出かけられない

■常備薬として、安く購入して保管しておきたい

などが挙げられます。禁止されたら困ってしまったり、不便になるだけです。また、軽い症状の方が市販薬で治癒すれば医療現場の負担軽減にもつながります。確かにネット販売も、もし誤って使用してしまったら?!というリスクはありますが、全面禁止にする必要性があるかというのも疑問です。

対面販売しても、薬剤師さんから口頭で説明された内容を患者さんが理解して、覚えていないと意味がありません。患者さんがより便利な方法で入手し、正しい用法容量で薬が使用されれば問題ないことですから、何年もグレーゾーンではなく早くきちんとした取り決めがなされるとよいですね。

BMI値、計算したことはありますか?

BMI値とは、肥満度を表す値で平均は「22」と言われています。計算方法は、以下のとおりです。

標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×BMI標準値

日本肥満学会でBMI値22が「標準体重」、25以上を「肥満」とし、18.5未満で「低体重」という基準を設けています。この数値は高すぎても、低すぎてもよくありません。なぜ、BMI値22が標準で良いとされているのかというと統計をとると一番健康で、病気にかかりにくく寿命が長いということが報告されているからです。ですので、病気等にかかりにくい値であって、プロポーションの良さを表すものではありません。

例えば、身長160cm、体重55kgの女性のBMI値は21.5です。ほぼ平均的なベストなBMI値になりますが、プロポーション的にはかなり「ぽっちゃり」な感じです。もちろん健康的で、はつらつとしているほうが女性としては美しいですが、この体型で満足される女性は少ないと思います。

BMI値が低くても健康体でいる方は多くいらっしゃいますし、やはりご自身のボディコントロールは必要のようです。健康をとるか、プロポーションをとるか美魔女世代には微妙なところですが、その両方が手に入れられるようにしたいものです。是非、BMI値も参考になさってみてください。

ソフトコンタクトレンズ保存液が目にしみる方に。

ソフトコンタクトレンズのケアには、「洗浄」「消毒」「すすぎ」「保存」の4つの工程が必要とされます。近年主流になっているのが、マルチパーパスソリューショ(多目的用途に使える液体)というタイプで、1つの液でこの4つの工程すべてを行うことができるという優れものです。

商品名としては、「オプティフリー」「コンプリート」「レニュー」「エピカコールド」など様々な銘柄が販売されています。大変便利なのものですが、たまにこの保存液が目にしみる!!と相談を受けます。目にしみるという症状は、個人のアレルギーに似たような反応でA製品だとだめだけど、B製品では大丈夫といった具合です。使い方は同じでも、含まれている成分が違うのでこのようなことが起こります。

例えば、使用されている患者さんも多いオプティフリーシリーズ。この商品はクエン酸の成分が入っているためか目にしみるという症状を相談されるケースは多いです。こういった症状が出た場合、一概にクエン酸に反応しているとは言い切れませんが、入っていない商品を使用することで解決されることもあります。

なかでも、シード社から発売されている「シードゥソフトケア ピュア」
シードゥソフトケアピュア

この商品は、防腐剤なども一切入っておらずおすすめした患者様もこれなら大丈夫だった とよく教えていただきます。ケア用品で目がしみるようでしたら、試してみてはいかがでしょうか。ただし、防腐剤が入っていないので長期保存には向きません。
開封したら、1ヶ月を目安に使い切るようにしましょう。

ワンデーアクエアのすごいところ。

いつもブログで紹介をしてはおりますが、レンズの宣伝をいっさいせずに商品の製作費にあてているクーパービジョン社の商品をもう少し紹介したいと思います。同社ワンデーのスタンダードタイプ「ワンデーアクエア」という製品があります。
ワンデーアクエア

ワンデーアクエアは、ともかくレンズのつけ外しがしやすいレンズです。形状がしっかりしていて、初めてコンタクトレンズを使用される方でもともかく着け外しがしやすいデザインになっています。

ワンデーアクエア形状

製品によってはこのように、すぐにピタッと茶碗型にならずに指に側面がくっついてしまったりするレンズもあります。しかし、ワンデーアクエアはその形状保持力に大変優れています。そして、レンズの周辺部分が少し丸みを帯びるようなデザインに
なっていて浮き上がりがありますので、レンズが目に張り付いてしまったりすることもほとんどありません。

さらに、瞬きをすると持ち上げられた周辺部から、涙がスムーズに入り込みやすくなります。乾燥もしにくいレンズです。このワンデーアクエアに、ヒアルロン酸の約2倍の保湿力をもつ 「リピジュア」という成分を配合させたのが、「ワンデーアクエアエボりューション」となります。エボリューションの方は、ドライアイ症状が強い方ほど効果を実感できると思います。