花粉は一年中飛んでいます

花粉症
花粉症というと春のイメージが強く、他の季節に鼻水や目のかゆみなどの症状を感じても花粉症だと思う人は少ないのかもしれません。

しかし…花粉は一年中飛んでいます!どの花粉にアレルギー反応を起こすかは人それぞれですが、その数が多ければ一年中花粉症に悩まされる人もいるのです。

一番アレルギーを持っている人が多いのがスギ花粉です。スギ花粉のピークは2月から4月頃で、早い人だと1月頃から症状が出始める人もいます。花粉症といえばスギを思い浮かべる人が多いように全国の花粉症の人の90パーセントがスギにアレルギーを持っていると言われています。
次に多いのがヒノキ花粉です。ヒノキ花粉のピークは3月から5月なのでスギ花粉と共にアレルギーのある人は春の長い期間花粉症に悩まされることになります。

更に秋の花粉症と言われアレルギーを持っている人も多いのが、ブタクサ花粉です。ブタクサ花粉のピークは8月の終わり頃から10月の終わり頃までなので、ちょうど今はピークが終わったところですね。
他にもイネ、シラカバ、ヨモギ、ハンノキなどの花粉があり飛散時期も様々なため、これらにアレルギーのある人はその時期ごとに対策が必要です。目のかゆみや充血などの症状がひどい人は眼科を受診するようにしてください。

白内障手術後の”見える”について。

加齢とともに進んだ白内障。手術をすれば見えるようになるよ!と耳にされることも多いと思いますが、その「見える」という意味を考えてみます。

視力年齢が進めば「遠近両用メガネ」を使う方も多いのですが、これは老化により様々な見たい距離にピントを合わせにくくなってしまうために必要となります。この機能そのものは白内障の手術では治りません。

日常生活をしていて様々な距離のものを見ますよね。例えば、

*車の運転をするようなとき、数メートル先の看板などちょっと離れた距離のもの見たりするとき(遠く)
*部屋の中で生活するときやデスク上の範囲くらいのものを見るとき(中間)
*手に持った新聞や携帯・スマホなどの画面くらいの距離のものを見るとき(近く)

といった感じです。

健康保険の適用で白内障の手術をした場合、現在では大まかにこれらの3つのうち、どこの距離にピントを合わせて見えるようにするかを決めてもらうことになります。

仮に(遠く)にピントを合わせた状態で手術を終えると、(遠く)は良く見えるようになりますが、特に(近く)は見えにくい状態が残りますので、白内障の手術後には老眼鏡が必要となるといった具合です。

いわば、どこか見たい距離を1つしか選ぶことができないのです。ほとんどの方は(中間)くらいの距離が見えるように合わせてもらって、遠近をそこそこ見えるようにしておくという方が多いようです。

また、近年では健康保険の適用でなく【全額実費】であれば眼内に遠近両用レンズや3焦点レンズなどを入れてすべての距離にピントを合わせることもできるようです。高額になりますので、先進医療保険などに加入をしていて適用になれば補助が出る場合もあります。その点に関してはご自身の加入している医療保険の内容を確認されると良いでしょう。

ヘルペス性角膜炎

ヘルペス性角膜炎という病気があります。

ヘルペス性角膜炎ヘルペスウィルスに感染することによって起こり、原因のウィルスには【単純ヘルペス】と【帯状ヘルペス】の2種類があります。感染は乳幼児期が多く、感染してもすぐには発症せずにウィルスは体内に潜伏します。

三叉神経とよばれる神経に潜伏していたウィルスが、風邪をひいたり疲れているような時、いわゆる免疫力の低下した時に活動を起こします。周囲の組織から角膜にまでウィルスが活性化して発症します。目の充血、痛み、ゴロゴロ感、まぶたの腫れなどの症状が起きます。上記の写真のようにウィルスが増殖すると潰瘍ができます。発症率そのものはあまり高いものではありませんが、重度の場合は失明にまで至る病気です。

もし、ヘルペス性角膜炎が発症してしまったら、軟膏や目薬など抗ヘルペスウィルス薬などで治療をしていくことになります。発症中は免疫力が低下しやすく他の感染症にもかかりやすくなるため注意が必要です。

アシクロビル眼軟膏という非常に効果の高い治療薬が開発されてからは、失明する確率がグッと減少傾向にはなりましたがヘルペス性角膜炎は再発しやすい病気です。一度は完治の診断を受けても、免疫力が低下すると再発する可能性が高いのです。再発を繰り返すことで、角膜に濁りが残って視力が低下したり角膜に穴があいてしまうこともあります。

生活習慣を見直して、免疫力が落ちないように気をつけることはもちろん、何か目の異常を感じた場合はすぐに眼科を受診するようにしましょう。

ドライアイと睡眠の関係

この間まで暑かったので急に寒くなってきたなと感じますが、昼と夜の寒暖差が大きい季節は体調管理に気をつけたいですね。
空気が乾燥する時期は、普段からドライアイに悩まされている方も特に大変な時期だと思います。
ドライアイには目薬をさすなど治療法がありますが、今回は一見関わりがないように見える睡眠とドライアイの関係をご紹介します。

睡眠といっても、ただ寝るだけではドライアイは改善しません。質のいい睡眠をとることでドライアイの改善につながります。
リラックス出来ていない状態のまま寝ると目の周りの筋肉が緊張したままで疲労し、その状態が続くと筋力が低下してしまいます。そうなると眠っている間にまぶたが半開きの状態になり、ドライアイの原因になってしまいます。

質のいい睡眠をとるためには、お風呂に入ったら一時間以内に寝る、寝る前にお酒やコーヒーなどを飲まない、何かを飲むのであればホットミルクなどで身体を温める、寝る前にはパソコンやスマートフォンなどの画面を見ないことなどに気をつける必要があります。

一日の終わりにリラックスし、質のいい睡眠をとって体調を整えることで、ドライアイの改善につなげていければいいですね。

カラコン買うなら眼科へ。

とある少女が眼科に来た目的が「カラコンが欲しいから」。

アイコフレワンデーUV何かおかしいでしょうか。

A子としては、ちゃんと目のことを考えて来てくれているのねという高評価なのですが、いかがでしょうか。

確かにカラコンなんて目によくないから使うものではないという考えをお持ちの医師も沢山いらっしゃいますし、保護者の方もカラコンなんて子どもには使わせないほうが良いと思っている方の方が圧倒的に多いです。(事実、カラコンなんて使っても使わなくても良いものですからね)

しかし、眼科でカラコン欲しいなんて言ったら怒られそうって思われてしまうような対応が、反ってカラコンを使用するくらいの世代の眼科受診を遠ざけてしまっているのも問題ではないでしょうか。

今はカラコンを買おうと思えばインターネットでも薬局とかでも簡単に購入できます。定期検査も受けずに、使い方の指導も受けずに、無茶な使い方をして、その結果目を真っ赤にしてしまってはこちらのほうが危険です。

眼科で処方されるカラコンであれば、医療機器承認番号なる認可を必ずとっている安全性の高いものを勧められます。また、実際の目の状態からフィットするかどうか、視力の安定性などの検査も行い、どのように使用するのか(着脱、手入れの方法、定期検査について)などもしっかりと説明されます。

カラコンが欲しいのであれば、眼科に行きましょう。

近視と日照時間の関係。

視力の良い県トップ3 鹿児島県、熊本県、岡山県

視力の悪い県トップ3 北海道、青森県、秋田県

紫外線と太陽という結果が挙げられています。突然ですが、この差って何でしょうか?

正解は「日照時間」だそうで、太陽の光を浴びている時間が多いと近視になりにくいという訳です。すでにオーストラリア国立大学の研究チームがその効果を発表しています。

それによると、【太陽光を浴びることでドーパミンが放出され、眼球が細長くなり目に入る光の焦点が合わなくなる「近視」の状態になるのを防ぐことができる】とされています。また、蛍光灯やパソコンの光では効果はないようです。

太陽光を浴びすぎるのも紫外線による網膜や水晶体への悪影響が懸念されますが、1日2~3時間、屋外で過ごす程度で近視予防の効果はあるようです。

特にお子さんの近視の進行が心配!ということであれば、積極的に外で遊ばせることが、いますぐできる近視予防対策と言えるでしょう。

眼科の定期検査は何と無痛なんだ!!と再実感

先日A子、消化器官の健診を受けに行きました。やはり体内に管を挿入するので大変な苦痛で、終わってからもグッタリ。年をとると、いろんな所にボロがでるので仕方ないことではあるのですが・・・。

健診そう考えると、眼科の定期検査というのは何と無痛な事なのでしょう!!!と、改めて実感しちゃいます。

眼圧測定では、空気がプシュッと!「おお!ビックリしたぁ」程度で痛みはありません。

眼底検査で瞳孔を広げるために使う目薬が、「おっと、しみるな~」程度。

眼底に光を当てて「まぶしい~」けれど、痛みはありません。

視野の検査でも、ちょっと集中している時間が長いくらいで「疲れちゃうな~」。

といった具合に、【痛み】のレベルは全くもってゼロに等しいものです。

しかし、ちゃんと定期検査を受けていれば失明に至るような大きな病気が早期に発見できるわけですから、素晴らしいですよね。

最近、目の定期検査を受けていなかったな~という方は、年内に1度受けてみることをお勧めします。年末に近づくにつれて混雑が予想されますので、10月から11月が待ち時間も少なくご案内できる日が多いと思われます。

コンタクトレンズが目の中で行方不明?!

朝、つけたはずのコンタクトレンズ。一日使って外そうとしたら・・・

目の充血ん?!

な、無い!!

ズレたの?!

どこにあるの~~っ?!

無いはずないのに~~!!!

って、こんな事をご経験されたことはありませんか?

眼科にいらしていただいた時にはすでに目は真っ赤。頑張って探した努力が垣間見えます。しかし、こうなる前にご自身でのレンズ捜索は打ち切りましょう。

一番怖いのはコンタクトレンズが目の中にコンタクトレンズを目視できないのに、外そうと頑張っちゃうことで目に大きな傷を作ってしまうことです。自分で朝着けたはず・・!と思っていても、

  • 右だけ着けて左目につけるのを忘れてしまっていた。(片目が見えれば、もう片方が見えていなくても気がつきにくいのです)
  • ハードレンズであれば、ふとした瞬間に片目のレンズが外れてしまっていた。
  • ソフトレンズであれば、よれてまぶたの間に入り込んでいて黒目の上にない。

などなど・・・、レンズが外そうとしている場所に目視できないのにあると思い込んで、目に傷を負ってしまうということが現実起きています。異物感があるから必ず目の中にコンタクトがあると信じても、目の傷がゴロゴロ感の原因だったりすることも少なくありません。

自分でレンズが目視できない時は無理せずに眼科の先生に取ってもらいましょう。特に夜、帰宅してからそんな事態が発覚したというときも、無理は禁物です。夜間救急に問い合わせるなり対処することが大切です。

目薬の点眼しずぎも要注意。

先生から処方された目薬、確かに点眼の回数については「1日4回」などと指示が出ています。しかし、同じ指示が出ているはずなのに異様に無くなるのが早い方がいらっしゃいます。皆さんはどのくらいで目薬1本を使い切りますか?

目薬のさし方種類にもよりますが一般的な目薬は1本5ml入りのタイプが多いので、1日4回の指示であれば半月程度、1日2回であれば1ヶ月程度で1本を使い切るのが理想的とされています。

では数日で使い切ってしまった!なんていう場合は、1回の点眼量が多すぎるということになります。目薬は1滴たらせば十分に効果を発揮します。目からこぼれるほど点眼をしても、ちゃんと目の中に入れられた分のみしか役に立っていないということです。

また、目に入りきらずにこぼれた薬液で目の周りに皮膚炎を起こすことだってあります。目薬を沢山させば早く治るという訳ではありません。必要量を守って使用することが、治癒への近道なのですね。

加齢黄斑変性症にご注意を。

年齢とともに様々な体の症状に変化が出ますが、目においては老眼や白内障の他にも「加齢黄斑変性症」に注意が呼びかけられています。

日本においてもその予備軍は推定800万人とも言われています。

「まさか自分が??!」という気持ちは誰にでもありますが、いつ、どのようにして起こるかなんで神様のみ知るということです。

目は両目ありますので、片目に加齢黄斑変性症が生じていても、もう片方に異常がなければ
なかなか自分では気がつきにくいものです。

日頃から、片目ずつの見え方を確認して、こんな見え方をしていないかどうか確認するのも良いことです。

もし、下の写真のような見え方をしているのであればすぐに眼科を受診してください。例えば、料理をしていて切りたい野菜の部分が見えにくい!(左側写真)とか、読書をしていて文字の羅列がまっすぐでなく歪んでいる(右側写真)・・・など。
黄斑変性症また、見え方に異常を感じなくても40歳を過ぎたら定期的に眼底検査を受けておけば、本当に病気がないことが証明されるので安心できますよね。
当院にも眼底を3次元で撮影できる光干渉断層計(OCT)を用意しています。