物が歪んで見える?!働き盛りの年代は要注意!

見え方に異変が?!様子を見る事を選択しますか?


平日は仕事をバリバリと片付けて、土日は家族サービスにいそしみながら忙しい毎日を送るのが30~40代男性の日常かと思います。

そんな時にふと、「見え方がちょっと変だな?」と気が付くことがあったらどうしますか。痛みや充血などもありません。すぐに眼科受診をするでしょうか。自覚症状があまりないと、今やらなくてはならない事を優先してしまい自分の事が後回しになる事はありませんか。

何となく見え方の違和感に気が付きつつも、疲れのせいにして早めに就寝。しかし翌朝も「あれ?物が歪んで見える?おかしいな」と軽快されていない事に気が付きます。それでもやはり仕事は急に休めず、もう片方の眼が見えているので大きな生活上の不便を感じられず後回しなってしまうことはないでしょうか。

そして、いよいよ見え方がおかしいと思って眼科を受診する方が非常に多く見受けられるというのが現状です。

この歪みの正体は?


やはり、数日程度経過して症状が改善しないと心配になります。

◆物が歪んで見える

◆暗い感じに見える

◆色味が違うように見える

など、どんどん見え方の違和感が大きくなり眼科を受診するとようやくその理由がわかります。

この病気は中心性網膜症(中心性漿液性脈絡網膜症:ちゅうしんせいしょうえきせいみゃくらくもうまくしょう)と呼ばれています。特に発症しやすいのが男性、女性の3倍程度の発症率があるとされています。年齢的にも丁度忙しい毎日を送る30代~40代に多いのも特徴です。

眼球奥の黄斑部、物をみるために一番大事なところに水(漿液)が溜まり、一部に網膜剥離が起きた状態になります。そのため、部分的な歪みなどの見え方の異常をきたします。

眼球の断面図を見てみると明らかに、盛り上がりが確認できます。上の写真が正常です。滑らかな状態です。下の写真が中心性網膜症の状態で、赤いマル印のあたりに盛り上がりが確認できます。これが歪むように見える症状の原因なのです。

正常な眼底写真OCT
中心性網膜炎OCT断面図症例

中心性網膜症の原因


では、何が原因でこのような病気が起きるのでしょうか?残念ながら現在の医療では、直接的な原因が医学的に解明されてません。発症した方の年代や生活スタイル等から推測されるには「ストレス」「過労」「睡眠不足」などが原因の1つになっているのではないかとされています。

中心性網膜症の治療方法


直接的な原因が不明なので、一因と推測されるストレスや疲れを癒すことで緩和につながり、大抵は3ケ月~6ケ月程度で自然に治っている事が報告されています。そのため、十分な睡眠とリラックスを心掛けた生活を送る事で経過観察する事になります。

このように通常はゆったりとした生活を送る事で元の状態に戻るようになりますが、自己判断にたよらず眼科医の診断を仰ぐようにしましょう。

コンタクトレンズはどのように捨てますか?

突然ですが、使い終わったコンタクトレンズについて質問です。皆さまはどのように捨てていますか?

ゴミ箱?

それとも洗面台に流してしまう?

他のコンタクトレンズ使用者がどのように捨てているか、話し合った事とかありますか?

そう言われてみると、あれ??と考えてしまいますよね。

カラーコンタクトレンズ

コンタクトレンズは何からできている?


では、どのように捨てたら良いかの前にコンタクトレンズはそもそも何から出来ているかご存じでしょうか。紙ではないし、金属でなさそうですよね。そうなのです、コンタクトレンズはざっくり申し上げますと、プラスチックでできています。

コンタクトレンズの装着

使い終わったコンタクトレンズはどのように捨てている?


それでは、皆さまが使用後のコンタクトレンズをどのように捨てているかというアンケート結果が公表されていますので参考に紹介させていただきます。

日本においては2019年に調査されたインターネットによるアンケート(15歳~59歳のコンタクトレンズ使用者2,109名対象)より、7割が「ゴミ箱に捨てている」でした。さらに残りの3割の方が捨てている場所を見てみると「自宅内の洗面所や流し」「自宅のトイレ」という回答が半数を占めているという結果です。

さらに、こんなアンケート結果があります。米国科学会でアリゾナ州立大学の研究チームが2018年、次のように発表しています。

「アメリカのコンタクトレンズ使用者の15%~20%割程度は、使用済みのコンタクトレンズを洗面所やトイレに流しており、下水処理場にたどり着いたレンズは分解されずに細かく砕かれたマイクロプラスチックとなっていることを突き止めました」

アメリカだけでも4,500万人のコンタクトレンズ使用者がいて、1年間で推定18~33億6千万個のコンタクトレンズが捨てられている計算です。

もちろんアメリカだけでなく、日本を含めて世界中に多くのコンタクトレンズ使用者がいます。使用者各々が適切な方法で捨てないと、世界的に大きな環境問題にもつながってしまうことは容易に想像ができます。

マイクロプラスチック問題とは


マイクロプラスチックは非常に小さなもので、下水処理場の網にもかからず海へ流れ出てしまう事があります。マイクロプラスチックが問題とされているのは、海洋生物の生態系を破壊するとされている点にあります。

人間が気付かないうちに、海に住む動物や魚たちが海水に混ざったマイクロプラスチックを食べ物とわからずに飲み込んでしまい、死んでしまうという事態がおきます。マイクロプラスチックは海の生物の体内では消化されないため、死に至る事となります。

マイクロプラスチック環境問題

人間の生活においてプラスチックは非常に便利なものです。日常生活におけるほとんどの物がプラスチックからできています。例えば、レジ袋やストロー、食器、スマホの部品、文房具など挙げたらきりがありません。コンタクトレンズもその1つなのです。

ですので、何気なく洗面所やトイレから流して捨てたコンタクトレンズは最終的にはマイクロプラスチックとなり、海洋汚染の原因となってしまっているのが現実です。

コンタクトレンズを使うとこんなにゴミが出る?!


◆コンタクトレンズ(プラスチック、船橋市なら可燃ごみとして廃棄します。自治体により廃棄方法は異なる事があります。)

コンタクトブリスター
◆コンタクトレンズの入れ物ブリスター容器(リサイクル可能のプラ容器)
◆ブリスターの蓋に使われるアルミシール(アルミ)
◆コンタクトレンズが入っている外箱(紙)
◆フィルム包装(PET:ポリエチレンテレフタレート

ディスポーザブルレンズではないコンタクトレンズであれば、洗浄保存液も必然的に使用されます。これらも液を使いきったらゴミとなります。
◆ボトル(PP:ポリプロピレン)
◆キャップ(PP:ポリプロピレン)
◆中栓(PE:ポリエチレン)
◆フィルム(PET:ポリエチレンテレフタレート
◆ラベル(PP:ポリプロピレン)
◆外箱(紙)
◆レンズケース(プラスチック)

いかがでしょうか?一般的な例を挙げてみました。どんな素材から出来ているかを認識して、一人一人がしっかりと分別して捨てれば、このようなマイクロプラスチック問題も改善していくはずではないでしょうか。

不思議なギザギザ模様が見えたら

不思議なギザギザ模様が突如として目の前に発生!?


急に太陽の光のようなギラギラした模様が目の前に出現し、目を閉じても消えません。このような自分の身に何が起こったのかわからないという恐怖感を味わった事はありますか?

例えば、風景写真右側にあるような黒い三角のギザギザ模様が見えます。

閃輝暗点見え方

人によって見える図形の形状は様々ではありますが、ともかく目を閉じてもギザギザ模様が見え続けるので非常にうっとおしいのです。

さらに原因がわからない状態では、よけい慌ててしまいます。そして慌てているうちに大抵の場合は10~20分程度、長くても1時間程度で何事もなかったかのようにギザギザ模様は消えてなくなっているのです。

初めてこの症状が起こると、これから一体どうなってしまうのかと非常に心配になるかと思います。見え方に関連する症状が突如として出現しますので、大急ぎで眼科を受診されるという患者様も少なくありません。

しかし、眼科の先生に診てもらっている頃には症状は跡形もなく消えているということがほとんどです。「あれは何だったんだろう?!」という事後解説を聞くことになります。そしてこれが閃輝暗点(せんきあんてん)と呼ばれる症状であった事を知らされます。

閃輝暗点は目の病気ではなく、実は脳の病気に分類されます。目は脳とつながっているため、脳に異常があると目にその症状が現れることがあります。眼科では目の器官そのものには異常がないため治療することはできません。

閃輝暗点が起きる原因


主な原因は「脳への血流障害、血管のけいれん」と言われています。疲れ、ストレス、肩こり、気圧の変化などもこれらを起こすも要因の一つです。一時的に脳へ必要な血が流れなくなってしまうと閃輝暗点の症状が引き起こされます。また、脳に腫瘍などがあることが原因でも起ります。

ギザギザが消えるまで


一時的な血流障害が緩和されると、血液は元のように脳へ流れ出します。そうすると見えていたギザギザ模様は何事もなかったかのように消えて無くなります。血流が元に戻る際に、通常は一気にせき止められていた血が血管内を流れ出すため激しい頭痛が起こります。頭痛もしばらくすると静まり、一般的には片頭痛の前に閃輝暗点の症状が起きるとも言われます。

頭痛を緩和するには?


頻繁に閃輝暗点が起こり、激しい頭痛に悩まされる場合は予め脳外科を受診して症状が起きたときに服用できる薬を用意しておきます。閃輝暗点後の頭痛対策としてだけであれば、コーヒー等に多く含まれるカフェインを摂取することによって、緩和されることも知られています。

閃輝暗点後の頭痛が無い方が、実は心配


通常は血流が正常に戻るために激しい頭痛が起きるのですが、腫瘍や動脈硬化、脳梗塞のように血流が元に戻る際の妨げになるものがあると頭痛が起こらないという事があります。

このような場合は、脳外科を受診して診断を仰ぐことが望ましいと考えられます。

人間ドックで診断される「視神経乳頭陥凹拡大」って?

視神経乳頭について


人間ドックの結果をみると、表題のような所見が書かれているのを見た事はありませんか?聞きなれない言葉ですが、目の奥(眼底)には視神経乳頭(ししんけいにゅうとう)なるものが存在します。まずはこの視神経乳頭について説明していきます。

かねてより眼球はカメラのつくりによく似ていると言われます。眼球の内側にはカメラのフィルムに相当する「網膜」と呼ばれる組織があり、瞳孔から眼の中に入った光はこの網膜上に像を結びます。網膜には視細胞という光に反応する細胞が1億個以上も存在していて、ここで感知された情報は視神経というケーブルを通って脳へ伝えられます。(人間の立場からみると、何が見えたかがわかることになります。)

視細胞と脳を結んでいるケーブル「視神経」は100万本を超える程存在するといわれています。その1本1本は目の奥へ向かって伸びていて、やがて1つの太い束となるように集まっています。そして1本になった視神経の束が脳へと向かうために、眼球の壁(強膜)を突き抜けるこの一点のことを「視神経乳頭」と呼んでいます。

視神経乳頭陥凹拡大とは


視神経乳頭の中央部分はほとんどの人がもともと少し凹んでいます。生まれつき凹みが大きい方も小さい方もいます。この凹みのことを「視神経乳頭の陥凹(かんおう)」と呼んでいます。

↑上の写真は正常と判定された視神経乳頭、
↓下の写真は視神経乳頭陥凹拡大と判定されたものです。
視神経乳頭陥凹拡大真ん中部分あたりの凹みが明らかに下の写真の方が大きいのが確認できます。

視神経乳頭の陥凹はどんな人にもありますが、この凹みが標準的な大きさから考えて異常に大きい場合、陥凹拡大と診断を受けます。

視神経乳頭陥凹拡大と診断された後はどうしたら良い?


まず、この凹みが標準より大きいと判定されるとこの診断がくだります。これが病的な凹みであるのか、生まれつきのもので正常の範囲内として考えて良い凹みであるのかは眼科における精査が必要となります。生まれつきの場合は経過観察とされることがほとんどです。

では、病的な異常の場合はどうでしょうか。視神経細胞が減るとこの凹みが大きくなります。これが原因で視神経乳頭陥凹拡大が起きている場合は、まず緑内障が疑われ罹患していないかを精査していくことになります。

緑内障とは視神経細胞が次第に減少し、失明にまで至る病気です。減少した視神経細胞は再生される事がないため、失ってしまうと二度と元の状態に戻す事はできません。さらに、初期の段階で見え方における自覚症状だけで気が付く人はほとんどいません。人間の目は2つあるため、仮に片眼に異常が起きていても、もう片方の眼が見え方を補ってしまう為、なかなか異常が起きている事に気が付くことができないのです。

聞きなれない視神経乳頭陥凹拡大、放置してしまうと目が見えなくなってしまうこともあるという事を念頭に、定期的に眼科での経過診断を受けるよう心掛けることが大切になるのです。

すっきり見たいのに、ぼんやり見える黄斑前膜

黄斑(おうはん)とは?


まずは、黄斑とはどのような器官なのかについてです。人間の目はよくカメラの構造に例えられてその構造が説明されます。カメラでいうフィルムにあたるのが網膜、カメラの絞りの部分は虹彩、水晶体は膨らむ事によって、遠くや近くにピントを合わせることができるのでカメラのオートフォーカスにあたるというとわかりやすいでしょうか。

黄斑部中心窩

黄斑とは網膜の中央部分にあり最も感度が良い、すなわち物を見るために一番重要な役割を果たす部分です。黄斑の中で視力が最も出るところは中心窩(ちゅうしんか)と呼ばれています。

黄斑前膜とは?


黄斑は上述のとおり物を見るためにとても大切な部分なのです。では、表題の黄斑前膜とはどのような病気なのでしょうか。

黄斑前膜とは、黄斑部に不要な膜ができて見え方に支障が出る病気です。

主な原因は加齢によるものであり、年齢とともに眼球内にある硝子体に老化現象ともいえる変性が起こります。これは硝子体が網膜から自然に離れていく現象です。この時に網膜からはがれていく硝子体がきれいに離れずに部分的に残ってしまうことがあります。この残った薄い膜が黄斑前膜を形成していきます。眼底内で出血を起こしたりする危険性はありませんが、日常生活において「見え方の質」による支障が心配されます。見たい物がスッキリと見えない事はやはり人間にとってストレスでしかないのです。

黄斑前膜光干渉断層計(OCT)で撮影してみると違いがよくわかると思います。

左側の写真は正常な網膜の断面図です。綺麗でなめらかな状態です。右側は網膜前膜できている状態で、矢印が示しているあたりに膜のようなものが浮き上がって見えています。この膜が見え方の質を低下させてしまっている原因です。

また、眼科医により黄斑前膜は黄斑上膜・網膜前膜・網膜上膜と呼び方は様々ですが同じ病気の事です。

実際の見え方への支障


黄斑前膜の初期の状態であれば、ちょっとすっきり見えないという程度ですが、きれいに離れずに残った膜は次第に分厚くなってきます。分厚くなると、収縮し黄斑表面が波打ちます。そのため「モヤっとして霧がかかった感じ」「波打って線が真っすぐ見えない」「歪んで見える」と感じる方が多いです。

簡単なゆがみのセルフチェックは、次のような格子状の網目部分が綺麗に見えるかで確認することができます。

<チェックの方法>
①片目を隠して真ん中の黒い点を見つめます。
②自然に視界に入る網目が曲がっていたり、歪んでいたりしていませんか?
③綺麗に網目が見えない場合は、すぐに眼科を受診しましょう。

歪みのチェックアムスラーチャート(図は拡大してご利用ください。)

黄斑前膜と診断されたら


程度にもよりますが、初期の段階であれば経過観察となることがほとんどです。特効薬があるわけでもありませんので、薬が処方されることはありません。失明に至る病気でもないので、診断されたからといって慌てる必要はありません。

日常生活に大きな支障が出るように症状が進行してきたときには、手術によって黄斑部に残存する不要な膜を取り除かなくてはなりません。その際の状態により、専門の病院に手術の紹介をさせていただきます。

黄斑前膜を診断するには、「視力検査」「ゆがみのチェック」「眼底検査」が行われます。また、「光干渉断層計(OCT)」で眼底を痛みなどの苦痛なしで撮影することで初期の発見に大きく貢献されます。

定期的な診断を受けずに黄斑前膜が大きく進行してしまうと、日常生活に差し支える程の視力低下、さらに網膜が変形するにまで至ると手術をしても十分な効果が得られずに視力不良のままになってしまう事もあります。

診断を受けた際には、初期段階であってもその後の進行具合をチェックする定期検査を必ず受けるようにします。3ヶ月ごとが受診の目安です。

ぶどう膜炎って、ちょっと厄介なのです。

ぶどう膜って何?


実りの秋です。ぶどうが大好物のA子です。この季節が毎年楽しみなのでありますが、目にも「ぶどう膜」と呼ばれる器官が存在するのはご存じでしょうか?

光は黒目(角膜)から入ってきますが、目には大量に光が入らないよう虹彩という調節レバーのような器官があります。さらにピントを合わせるための目の筋肉にあたる毛様体、目全体に栄養や酸素を運ぶための脈絡膜があります。これらの器官には血管やメラノサイトが豊富に存在するため、名前の通りぶどうの実に似た色の組織となっていて、主にこれら3つの器官を総称してぶどう膜と呼びます。

眼球断面図イラスト

ぶどう膜炎の症状


美味しそうな名前とは裏腹に、ぶどう膜が何らかの原因で炎症を起こす病気をぶどう膜炎といいます。目に起こる症状も様々あり、酷い充血、視力の低下、飛蚊症のような症状、合併症に鈍痛がずっと続くこともあります。そしてぶどう膜炎は大変厄介な病気なのです。

厄介な理由として、まず炎症を起こしている原因がなかなか特定できない事が挙げられます。病気というのは大抵の場合、原因に対し処置・治療をします。炎症が起きている原因がわからなければ本当にこの薬を使っていてよいのか判断が難しくなるのは当然ですし、治るまでの時間もそれだけ多く要することになります。ぶどう膜炎が原因不明のまま終わる事も珍しくありません。

大まかに原因を分類すると次のようになります。
1)原因不明
2)感染症に起因するもの(細菌やウィルス等が原因)
3)感染症に起因しないもの(慢性的な病気が原因)
4)悪性腫瘍

また、原因がわかったとしても慢性的で治りにくい病気が原因でぶどう膜炎を引き起こす場合、元の病気を何とかしないと再発を繰り返してしまうことになります。

ぶどう膜炎を引き起こす病気


特定の病気が原因でぶどう膜炎をが起きる事もわかってきています。次のような治りにくい病気が原因の場合は長期的な治療を要することになります。あまり聞きなれない病名かと思いますが挙げてみます。

<サルコイドーシス>
全身の様々なところに肉芽腫ができる原因不明の病気です。目においては虹彩に肉芽腫ができ、炎症を引き起こします。(※肉芽腫とは慢性化した免疫学的な炎症反応のことを指します)

<フォークト-小柳-原田病>
人間の体を守るための「免疫」が、自分の正常な細胞等を攻撃してしまう自己免疫疾患の1つです。初期症状として、頭痛・頭皮がピリピリする・酷い耳鳴りといった症状の後にかすんで見えるような急激な視力の低下を訴えます。

<ベーチェット病>
原因不明で全身に血管の炎症を起こす病気です。口腔粘膜をはじめ、目、関節、消化器管、皮膚など血管が存在する様々な箇所に異常を引き起こします。最も多いのは口腔内の潰瘍症状と言われています。目においての変性は男子の確率が高く7割程度、炎症を繰り返すことで徐々に視力を失ってしまう危険性があります。

<悪性腫瘍>
いわゆる、癌(がん)の事です。まわりの組織を巻き込んで浸食するように広がっていきます。悪性腫瘍が急激に増加することで、正常な細胞に栄養や酸素が供給されず様々な必要機能が正常に作動しなくなっていく病気です。

ぶどう膜炎の治療について


現状起きている炎症を抑える強い薬「ステロイド薬」という薬を点眼、内服等によって投与することが一般的です。しかし、ステロイド薬は一時的に炎症を抑える効果には優れますが、長期的な投与は副作用を引き起こす心配があるため、避けるべきと言われます。

ぶどう膜炎は先に説明したような治りにくい病気が原因の場合には再発を繰り返すことも多く、主治医との継続的な治療が必要とされます。

診察時には些細な事でも医師へ伝える事が大切


原因不明のまま終わることも多いぶどう膜炎です。現れる症状にはやはり個人差があります。しかし、ご自身におきた些細な症状がヒントとなり、病気の発見へつながることもあります。ご自身の身に起きた症状はどんな小さな事でも医師に伝えるよう心掛けてみましょう。

目のアンチエイジングに「サンテウェルビジョン」

参天製薬より発売されている「サンテウェルビジョン」をこの度取り扱う事になりました。1日に必要なルテインを手軽に摂取できるサプリメントです。
サンテウェルビジョン

ルテインとは?

ルテインとはカロテノイドの一種であり、目においても主に水晶体や網膜(主として黄斑部)に必要とされる栄養成分です。外界から目に入る光ダメージを軽減させる働きがあります。特に目にとっては強すぎる青色光(ブルーライト)を吸収し、白内障や黄斑変性症、老眼など加齢によって起こりやすい病気を予防する役割を果たします。

ルテインの必要量はどのくらい?

体内ではルテインを生成することができないため、通常では毎日の食事によって摂取が必要となります。緑黄色野菜などに多く含まれています。しかし、毎日の必要量の目安は20㎎。含有量が多いとされるほうれん草で約1.3束、ブロッコリーで約4.2株を食べる事はなかなか難しいです。体内においても、一度摂取したルテインは加齢、喫煙、太陽光、パソコン、偏食、ストレスなどによってどんどん減少します。そのため継続的に摂取をしていく必要があるのです。

抗糖化って?

抗酸化作用という言葉は近年はよく耳にするようになりましたが、「抗糖化」作用とはあまりなじみがありません。意味は言葉のとおり、糖化させないという働きの事をいいます。
糖化とは、体内で余分な糖分とタンパク質が結合し「老化原因物質(AGEs)」が作られ体内に蓄積されることを意味します。サンテウェルビジョンには、この糖化をさせないようにする成分「ヒシ果皮ポリフェノール」50mgを配合し、目の老化を抑制する役割を果たします。

料金や飲み方は?

当院では4,000+税(8%軽減税率)で、1袋60粒入4,320円です。1日2粒でルテイン20mgを摂取することができます。水またはぬるま湯で飲みます。サプリメント(=食品)ですので、薬のように決められた摂取時間はありません。いつ飲んでも問題はありませんが、吸収効率を考えると食後30分以内が効果的と言われています。
実際のソフトカプセルの大きさや形状を確かめたい方には、サンプル品を用意しています。受付スタッフまでお申し付け下さい。

★期間限定キャンペーン中です★

2020年9月30日(水)までは2袋購入で、もう1袋プレゼント!!キャンペーン中です。

※補足:2020年10月1日 キャンペーンは終了しました。完売ありがとうございました。

糸くずみたいな物が見えるけど、放置して良いの?

飛蚊症って何?

「糸くずみたいな黒い物体が見える」
「黒い点々のような物が見える」
「光の輪のようにな物が見える」
「キラキラ光るような物が見える」
等、様々な物体がそこに存在しないのにも関わらず、見えることがありませんか?うっとおしいので、目をこすったり瞬きをしたりするでしょうがなくなりません。視線を移動させてもやはり残ります。

 こういった見え方の違和感が出ていることを眼科医に伝えると「飛蚊症(ひぶんしょう)」と診断されるでしょう。文字通り、蚊が飛んでいるように見える症状を表しています。

 表題の結論を言うのであれば、放置しておいて様子をみて良い場合と早急な治療が必要になる場合に分かれます。

糸くずみたいな物体は何なの?

 では、この糸くずみたいな物体の正体は何なのでしょうか?飛蚊症の症状は、多くの場合が加齢により発症します。まずは加齢が原因の場合の正体についてです。
 目には硝子体というゼリー状のような繊維でできた組織があり、老化ととも固く劣化していきます。そのため、ゴミのようになった繊維が硝子体の中に浮遊し、その影が糸くずのような形であったり輪っかであったりと個人によって形や色は様々ですが見えるようになります。このような飛蚊症を生理的飛蚊症といいます。
 
 対して、治療が必要な場合です。眼底から出血をしてしまっいて、血が黒い水玉のように見えている。網膜が剥がれ落ちてきていて、その膜が影のように揺れて見えていたり、ピカピカ光るように反射して見えている。といったように老化現象によるゴミのようにな浮遊物ではないものが写って見えていることになります。

 どちらのタイプであるのかは、自己判断は大変危険ですから眼科医の診断を受けるようにします。

飛蚊症の治療について(経過観察の場合)

 飛蚊症の治療についてお話しをしますと、飛蚊症の起きている原因によって異なります。先に説明しました「生理的飛蚊症」であれば、いわゆる老化現象により起こる事です。年を取らないようにすることはできません。そのため治すこともできません。
 また、強度の近視が原因の場合についてです。強度近視の方は眼軸が長いため、網膜が眼軸の長さにぴっぱられ薄い方が多いのです。そのために萎縮変性が起こり硝子体を濁らせ、飛蚊症を引き起こします。
 これらの診断の場合は経過を見守るしかありません。非常にうっとおしく感じるかもしれませんが、気にしないようにうまく飛蚊症と付き合うようにすることです。

 しかし、気を付けなければならないことがあります。一旦経過観察の診断を受けたとしても、治療を要する飛蚊症に変わることもあります。急に糸くずの数や大きさが増えたというようなときはすぐに眼科医の診断を受けるようにします。

飛蚊症の治療について(早期の治療を要する場合)

 では、別の病気が原因で飛蚊症を引き起こしている場合です。これはその原因となる病気を何とかするよう治療をしていきます。

 病的に飛蚊症を引き起こす場合は次のようなことが考えられます。硝子体剥離という病気があります。これは網膜と硝子体の接着部分が剥がれてしまい、放置しておくと視力に大きな障害が起こります。剥がれた部分が影として視界に写りこみ飛蚊症となります。また、糖尿病や高血圧などの基礎疾患が原因となり飛蚊症は起こります。これらのような基礎疾患で血管が痛み眼底出血が起こります。この場合は、基礎疾患のコントロールをしっかりして眼底からの出血を止めなければ再発が繰り返されます。
 突発的な「目の打撲」も原因になります。転んだり、ボール等が当たり目を強く打ってしまった時に眼科医は眼底出血がないかを確認します。硝子体には血管が無いため、一度眼底からの出血が広がると自然に吸収されるまでには非常に時間を要します。
 強度近視の方の場合、経過観察となることが多いですが、網膜にあった小さな孔(あな)が大きく広がってしまった際には適切な処置をすぐに受けることが必要となります。他にもぶどう膜炎等の炎症や感染症などからも飛蚊症は起こりますから、適宜処置が必要となります。

飛蚊症の予防法

 これといった特効薬がないため、基本的な生活習慣を見直すことから始めましょう。バランスの良い食事と十分な睡眠がまずは挙げられます。目が疲れすぎない様に適度な休憩をはさむことも大切です。
 また、生理的飛蚊症に関しては老化が原因です。抗酸化作用のある食品やサプリを積極的に摂取したり、喫煙をしない、紫外線をなるべく浴びないように努めることが予防に繋がるのではないでしょうか。

フォーシーズン(4season)遠近両用ハードコンタクト

遠近両用ハードコンタクトについて

近年、使い捨てではないコンタクトレンズはこぞって製造が中止されていく傾向にあります。その中でもハードコンタクトはソフトに比べればまだ、コンタクトレンズユーザーの1割程度が使用させているのではないかと言われています。これはやはり強度の角膜乱視等があり、ソフトレンズでは矯正が難しいという方が愛用している。また、長年ハードコンタクトを使用してるので、そのまま使い続けているということが考えられます。

定期交換タイプの遠近両用ハードコンタクト

先日のブログで「ほぼ使い捨てのハードコンタクト」、メニコン社よりフォーシーズンという製品が発売されたと紹介をしましが、さらにこのタイプで遠近両用(バイフォーカル)が登場しています。

フォーシーズンバイフォーカルの特長として、

*スペアを手元に置いておける。遠近両用のハードコンタクトといえば、1枚でも万単位で金額を要しますから、使い捨てならではの利点ですよね!

*季節ごとのイメージとしてレンズに色がついているため、気分を変えるというより左右の見分けが一目でわかるように組み合わせて使う事ができます。

*汚れがたまってきたところで、真新しいレンズに変えられるのは目の健康を考えると非常にありがたいものです。

4seasonバイフォーカル

無料で1ケ月間、貸し出しサービスがある

実際コンタクトを使っていると、どんなに良い製品であっても自分の目に合うかどうかが問題になってきます。

フォーシーズンに関わらず、メニコン社の製品はメルスプランで使える製品がほとんどで、1カ月間のレンズ代金無料の貸し出しサービスがあります。

このサービスを受けるにはまず、ご自身の目に異常がないか、目に合うかどうかの診察検査が必要となりますため、当院にて受診体制を整えております。(診察検査の費用は別途1,500円程度必要です。保険3割負担の場合)その後、販売店に貸し出しサービスの手続きをしていくことになります。

貸し出し期間は最長で1ケ月、万が一目に合わないとなればフォーシーズンバイフォーカルの場合は体験終了の旨を販売店に申し出れば終了です。快適に使えるようであれば、継続使用の手続きとなります。

気軽に遠近両用のハードコンタクトが試せるというサービスはほとんどありませんので、そろそろ手元の見え方が気になり始めた方は遠慮なくご相談下さい。

糖尿病にご注意を!

糖尿病って何?

糖尿病という病名、テレビ等でも最近とりあげられる機会が増えてご存じの方も多いのではないでしょうか。糖尿病とは、インスリンが正常に分泌されず血液中のブドウ糖が増加してしまう病気です。簡単にまとめれば、血液中の糖が増えることにり人間の体に様々な障害が引き起こされる病気です。

血液の病気なら内科の先生に診てもらうのはわかりますが、何で眼科のブログで紹介されるの?と、少し不思議に思うかもしれませんが、糖尿病と診断をされると、気を付けてほしいと内科の先生に言われる事があります。それは「合併症」です。糖尿病が原因で引き起こされる病気で、糖尿病腎症及び糖尿病神経症、そして眼科においては糖尿病網膜症が挙げられるのです。

糖尿病網膜症は失明原因にもなります。

では、自分が糖尿病にかかっているのか否か?どのようにすればわかるのでしょうか。まずは内科や会社等で受ける健康診断の血液検査の結果を確認してみましょう。「ヘモグロビンA1c」という値が異常値になってはいませんか?(もし、異常値範囲であれば内科の先生にすぐ相談してください)

眼科としての症状から考えますと初期の状態であれば、自覚症状はありません。ようやく進行してくると、見え方に変化(かすむ、ダブって見える等)を感じるようになります。末期に進むとともに見え方の異常に加えて飛蚊症等の症状が見られ、放置しておくと失明にまで至る病気です。

そうしますと、初期の状態で発見したいところですが自覚症状がなければ自分では気が付くことができません。やはり、定期的な眼底検査が必要となるのです。血液の糖化によりどれだけ目の血管がダメージを受け、出血が起きていたりするのかは目の奥(眼底)を医師が目視することにより発見されるのです。

眼底出血の状態から糖尿病に罹患していると発見されることも。

自覚症状が出た(進行した)状態になって初めて糖尿病に罹患していることが判明することもあります。特に元気が取り柄で病院なんて滅多にお世話になることがない、という方に見受けられる傾向があります。見え方等に異常が出てようやく眼科を受診、眼底出血が見られ糖尿病に罹患している事が発覚したという事がやはり起こりうるのです。逆に眼科から内科へ紹介という事態にもなりかねません。

糖尿病に罹患すると全身に異常が起こります。

糖尿病にかかると、単なる風邪でも治りにくくなったり症状が重くなったりします。これは免疫力や治癒能力の低下が影響すると言われています。世界中で目下猛威を奮っている新型コロナウィルスにおいても、糖尿病などの基礎疾患がある方は重症化しやすいので気を付けるように言われるのはこの為です。糖尿病に罹患して細菌・ウイルス・真菌が原因で起こる病気にはよく注意しなければなりません。かかりやすく、重症化しやすく治りにくい状態なのです。

糖尿病にかからないようにするには?

慢性疾患予防にジョギングをするメガネの男性

生まれつきの糖尿病でなく、生活習慣によって罹患してしまう2型糖尿病であれば規則正しい生活をすることで予防することができます。適度な運動をし、栄養を取り、しっかりと睡眠をするということです。日本人はもともとインスリンの分泌が少ない人種ともいわれます。肥満にならずとも糖尿病になる事もありますので生活習慣の見直しを是非してみる事が大切です。