弱視(じゃくし)って何?

弱視とは?子どもの視力発達に関わる大切なポイント


「弱視」という言葉は「視力が弱い」という意味ではありますが、学校の視力検査で引っかかるとは限りません。医学的には、視力の発達が妨げられて、メガネやコンタクトレンズで矯正しても十分な視力が出ない状態を指します。

子どもの眼科健診

具体例で説明すると、

  • A君:裸眼視力は0.1でも、メガネで1.0まで見える → 弱視ではない
  • B君:裸眼視力は0.1でメガネでも0.2までしか見えない → 弱視の可能性あり

このように、視力がどれだけ矯正できるかが重要なポイントです。

弱視になる主な原因


弱視の原因は様々ですが、代表的なものを3つ紹介します。

1. 遠視や不同視などの屈折異常

遠視は近くも遠くもピントが合いづらい状態で、不同視は左右の目で見え方に大きな差があることです。子どもが目を細めたり、集中力が続かないなどのサインを見逃さないようにしましょう。

2. 斜視

片方の目が中心窩(物を見るために重要な場所)を使っていないために、視力の発達が妨げられます。肉眼でわかりにくい場合もあるので、注意が必要です。

3. 形態覚遮断(生まれつきの目の問題)

先天性白内障や角膜混濁、眼瞼下垂などで視覚刺激が遮断される状態です。適切な手術で原因を取り除く必要があります。また、医師の指示がないままの眼帯使用は避けましょう。

小学校入学前までの早期発見が大切です


目は身長や体重とは違い、6歳ごろまでにほぼ大人と同じ大きさに成長します。この成長期に弱視の原因を見つけて対処しないと、視力が十分に育たず一生ぼんやりした見え方になってしまう可能性があります。

乳幼児健診や定期検診をしっかり受けて、快適な視力で学校生活をスタートさせましょう。見えづらいと勉強や遊びも楽しめなくなってしまいます。

病気でないのに、目が見えないという小学生

学校健診で「D判定」だったら? 子どもの視力低下と心因性視力障害の話


学校の視力検査の結果を見て驚くことはありませんか。「D判定って何?」と慌てる親御さんは多いです。まずは落ち着いて、結果の意味と次に取るべき行動を確認しましょう。

まず確認したいこと:単純な近視の進行かどうか

多くの場合、D判定は単純に近視が進んだ結果です。メガネの度数を合わせ直せば視力が矯正できます。まずは眼科で検査を受け、適切な矯正視力(メガネをかけたときの視力)を確認しましょう。

矯正しても視力が出ない場合は要注意

もしメガネやコンタクトで矯正しても十分に視力が出ないときは、さまざまな要因を含めて詳しく調べる必要があります。

心因性視力障害とは?

今回は心因性についてとりあげてみます。「心因性視力障害」とは、心理的な影響で視力低下が生じる状態を指します。脳や目の明らかな器質的異常が見つからないのに、急に視力が落ちることがあります。原因は完全には解明されていませんが、子どものストレスや心理的な要因が関与していると考えられています。

心因性視力障害に見られる特徴

  • 急に学校検診でD判定になった
  • 視力低下は両眼に起こりやすい(0.3以下になることが多い)
  • 視力検査で「全く見えない」と同じ答えばかり返す
  • メガネをかけても矯正視力が出ない
  • 小学3〜5年生の女児に多く見られる傾向がある
  • 視野狭窄や色覚の訴えを伴うことがある

診断の流れと眼科で行うこと

  • まずは眼科で精密検査(詳しい屈折検査、矯正視力測定、眼底検査など)を行います。
  • 眼の機能的な問題(網膜や視神経の病気)がないかを確認します。
  • 器質的な大きな異常がない場合は、経過観察や心理的側面の評価を検討します。

ご家族ができること(対処法)

  • まずは否定せず、子どもの訴えに寄り添ってください。
  • 学校や家庭でのストレス要因を探し、可能な範囲で軽減しましょう。
  • 治療は時間がかかることがあります。焦らず、定期的に受診してください。
  • 必要に応じて小児科や心理相談(スクールカウンセラー等)相談する事も選択肢の1つです。

いつ受診すべき?

学校検診でD判定が出たら、まず眼科で検査を受けてください。視力が急激に落ちている、痛みや見え方の変化がある場合は早めの受診をおすすめします。

最後に

学校健診でD判定だったからといって、すぐに深刻な問題があるとは限りません。しかし、矯正しても視力が出ない場合は必ず専門医に相談してください。原因の確認と、ご家庭での対応が大切です。当院でも丁寧に検査・相談を行っています。気になることがあればお気軽にご相談ください。

ゴールデンウィークの臨時休診のお知らせ

 もうすぐ5月!!
ゴールデンウィークがやってきますね。
今年は最大8連休ぐらいでしょうか?
皆様のお休みは何日ぐらいあるのでしょうか??

さて、さくら眼科も5月のゴールデンウィーク中に臨時休診がございます。
ご確認の上ご来院をお願い致します。

5月ゴールデンウィーク中のお休み

                    5月3日(金)
        5月4日(土)
        5月5日(日)

※4月中は通常通り診療を行ないます。
※平日は夜7時まで、土・日・4月29日・5月6日の祝日は夜5時までの診療になります。

お薬やコンタクトレンズをご希望の方はお早めにご来院ください。

ゴールデンウィーク中、旅行などに出かける方も多いと思います。
旅先で、よくある目のトラブルについて・・・
海外へ行かれる方、目を水道水で洗ってしまってゴロゴロしたり充血したり・・・
日本の水道水でも、目を洗うのは適していないと言われています。
目薬をさすなどして、水道水の使用は控えましょう。
また、国によって水質も違うため、ハードレンズも水道水で濯ぐのは避けたほうが良いです。

コンタクトレンズをなくしてしまった・・・この問い合わせが最も多いです。
コンタクトレンズは医師の眼科健診をうけ、処方箋がでて初めて購入することができます。
ゴールデンウィーク中はお休みの病院も少なくありません。
救急の病院では、コンタクトレンズの処方箋を出してくれない病院も多くあります。
必ず予備のコンタクトレンズや眼鏡を持参するようにしましょう。

何かあったら早めに眼科を受診することが大切です。
眼科だけでなく、まんがいちに備え旅先での病院などのチェックもしましょう。