病気でないのに、目が見えないという子供。

この時期は、お子さんが学校検診で視力検査をしてくる頃です。持ち帰ったプリントの評価はいかがでしたでしょうか?

えっ?!!我が子は「D評価?」こんなに見えていないの?!という現実を目の当たりにすることもありますよね。すぐにメガネを作り直し、子供の目が見えるよう改善しました。単純に近視が進行した結果であり、この場合はとくに問題視する点ではありません。

しかし、たまに目の病気でないのに矯正視力も出ず、0.1以上は見えません!という
お子さんがいらっしゃいます。本当にこんな見え方だったら、学校生活に支障は出ますし、家で一緒に生活をしていればテレビを近づいて見ていたり、目を細めながら物を見たり必ずどこかでサインを出しているはずです。

そんな素振りもない中、急に学校の視力検査は”D”、眼科で視力検査をしたら、高度の視力障害のように「見えない」を連呼。どうしてしまったのでしょう?

こういった症状を「心因性視力障害」と呼ぶことがあります。心因性視力障害の原因は、何らかのストレスや願望など強い心理的作用が物を見えなくさせているということしか解明されておらず原因を特定するに至っていません。

この心因性視力障害の子に見られる特徴は、

①普段は普通に生活している。
周りの家族、本人も気がつかないケースが多く学校検診などで急に「D」評価になる。

②視力低下は必ず両眼に起こり、0.3以下と高度なものが多い。
視力検査では一定の大きさの視力のところで、全く見えませんという答えを連呼する。

③近視や乱視などが仮にあった場合でも、メガネを掛けても視力が出ない。

④心理的、精神的に不安定な小学3~5年生の女の子に出やすい。(メガネを掛けて秀才のように見られたいといった願望の表れで引き起こされることも。)

⑤親に対して従順、内向的な性格な子に出やすい。(親に気に掛けてほしいという子供の願望が引き起こすこともある。)

⑥視力以外にも、視野が極端に狭くななったり、色覚異常などを併発するケースが多い。

こういった心因性視力障害が起きた場合、原因となり得る要素を取り除く必要があります。子供の願望をができる限り叶える、生活環境でかかるストレスを取り除くなど、ご家族の協力が必要不可欠です。もし、心因性視力障害と診断されたら時間を掛けて解決していくようにしましょう。