遠近両用レンズの種類が増えました。

遠近両用のコンタクトレンズ、
お使いいただいた方のお話をお聞きすると、

「・・まぁ、不便はないけど、こんなもんだよね!」

くらいの反応です。
正直、遠近両用コンタクトレンズは
技術的に開発途中ともいえる分野です。
これからも、どんどん新しい製品が出てくるのが楽しみです。

今回はクーパービジョン社から
「プロクリアワンデー マルチフォーカル」という
製品が発売されました。

プロクリアワンデーマルチフォーカル中心部分に近方度数を入れているので近くを見るときに焦点が合いやすく設計されています。

通常、中心部分に近く用の度数を入れると遠くが見えにくくなったと感じる方もいらっしゃいますが、このレンズの場合、視界の揺れや、まばたきをした時の違和感を軽減させられるようにも作られています。

このようなマルチフォーカルタイプの遠近両用コンタクトレンズは、レンズを通して「遠く」も「近く」も見えた情報が、同時に脳に伝わっています。遠くと近く、どちらの情報がより鮮明なのか脳が判断をして見えたという情報を処理します。
その伝達がスムーズに行くような技術設計ということなので、試してみたくなりますね!

また、見え方だけでなく「乾燥感」の軽減にも目を見張るものがあります。PCハイドロゲル素材を採用し、涙になじみやすく、細菌物質などもつきにくくなっています。ドライアイやアレルギーなどがあっても安心して使えそうです。

一度、遠近両用コンタクトが合わないとドロップアウトしてしまった方も、再度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。当院でも、本日からテスト処方を開始しました!

腫れた目に、眼帯はいつも必要?!

目を怪我した、腫れた。

なので眼科を受診して、
「目を治療している患者さん」=「眼帯をしている」という
イメージがありませんか?
眼帯の男の子

 

 

 

 

よく、患者さんにも聞かれます。

「眼帯をした方がいいですか?」と・・

 

なんとなく、眼帯で目を保護してもらえているという
安心感がわいてしまうところですが、
基本的には【眼帯はおススメしていません】

 

よほど重症で、埃なども入らないよう目を保護しないといけない!と
いう時は、必ず先生から指示があります。

特にお子さんの場合、むやみに眼帯をしてしまうと
かえって発達途中の視力形成などにも
影響を与えかねません。
バイ菌が入らないようにと、つけた眼帯が目にとっては
逆効果になってしまいます。

しかし、お子さんの場合
眼帯がないと、腫れた目を手で触ったりこすったりされないよう
注意することが必要です。

今まで問題なく使っていたコンタクトが、急に不調になった。

若かりし頃から、何十年と使用していたハードコンタクトレンズ。
現在のレンズに汚れがたまってきたので、そろそろ交換。

とくに大きな不調はなかったので、度数をはじめとした全てのデータを
同じもので作り替え。

真新しいレンズになったはずなのに
レンズが曇る?!違和感が・・・
しかも、前回作ったのと同じデータなのにどうしてだろう?!と
驚くこともあると思います。

 

真新しいハードコンタクトレンズにして、
こういった症状が出た時は
まず、新しいコンタクトレンズを装着する前に
よくコンタクトレンズを洗って、水道水ですすいでください。

水に馴染まずに保存されていたレンズに多いのですが
いきなり新しいレンズを目に入れると
目の脂質分がレンズ表面に吸着してしまいます。

そうなると、レンズが曇って仕方ない・・・ということになります。

 

また、この初期商品の親水性が原因ではなかった場合、
年齢が40代以上の方は、「涙の量と質」に変化が出ているの可能性も大です。

涙は3層に分かれているとされ「水層」・「油層」・「ムチン層」とあります。
加齢とともに分泌される涙の量が減り、さらに涙を蒸発させにくくする油層が
薄くなります。
同じように見えても、涙の「質」が違っていてはどうにもなりません・・

このように、コンタクトレンズそのもの以外にも
原因がある場合がありますので、
不調が出る場合は、我慢して使用するより
先生に相談してみると良いでしょう。

ソフトコンタクトレンズの裏表。

インターネットなどで、手軽にコンタクトレンズが入手できるように
なりましたが、一方で使い方や目に本当に合っているかということを
確認せずに使用されている方をお見受けします。

コンタクトレンズの検査を眼科で受けた場合、
必ずソフトコンタクト(使い捨ても含む)であれば、裏と表の
確認方法の説明を受けるはずです。

裏表を確認する方法は、主に2つあります。

 

 

 

 

 

1つ目は、上の写真のようにレンズの縁の部分が
尖っているか、否かで判別します。

縁の部分が反り返るように尖っていれば
裏になりますので、
確認して正常な方向に戻しましょう。
2つ目は、レンズの真ん中を折り曲げて、
レンズの曲がり具合を比べる方法です。
下の写真を確認してみて下さい。

 

 

 

 

 

 

正常な場合、レンズの縁は内側に丸まりますが、
裏の場合は、外側に反り返ります。

ご自身の判別しやすい方法で見分けて頂ければ問題ありませんが、
必ず確認して、目に装着して下さい。

以前、使い捨てレンズを利用の患者様で
「レンズが保存液に浸かっているままの状態が正常」と判断して
装着していたと聞いて、かなり驚きました。

1/2の確率で正常方向に装着されるとは思いますが、
そんなギャンブルはやめて、見分け方をマスターして
正しく使用しましょう。

医療機関を結ぶネットワークが数年後にできる?!

ニュースなどで最近、耳にすることが増えたのではないでしょうか?
厚生労働省が、2018年を目標に、全国の病院・診療所で、
患者さんの治療履歴や病名などの診療内容の情報を共有化させる
システムを作ろうと、取り組みが進んでいますね。

電子カルテとドクター

 

 

 

 

 

今現在、国内の病院・診療所の約8割にあたる9万弱の医療機関で
レセプトコンピューターが使用されていると言われています。

当院でも電子カルテや電算レセプトなどを導入し、
この取り組みに協力していこうと検討中です。
(特に、レセプトの電算化は千葉県が全国でも先駆けとして
導入している医療機関が多いとか・・)

 

他の診療所や病院で、治療内容などを共有することで
先ず第一に患者さんの利便性があがります。

例えば、さくら眼科にいらしたときに、
「内科で糖尿病と診断された。検査をするように内科の先生から言われた」
と、言われた時、内科での治療内容や検査結果、処方薬のことなど
医師が直接確認することができるのです。

患者さん自身が検査結果を忘れてしまったり、
飲んでいる薬が思い出せなかったりしたときに、
そこで一度診療計画がストップすることにもなりかねません。

全診療科の先生が、治療情報を共有することで
多角的方面から、その患者さんの治療計画を立てていくことができる
素晴らしい取り組みだと思います。

 

しかし、現存では個人情報の保護体制や
医療機関に導入されているコンピュータがそれぞれ異なったりと
導入までの壁はまだまだ立ちはだかりそうです。

「物を見る」ことは、大人になっても重要です。

子どもの時は、視力の発達のために
「物を見る」ということは大変重要なことだと
以前よりお話をしています。

では、お父さん・お母さんの世代。
その上はおじいちゃん・おばあちゃんになったら
意識的に「物を見る」ということを
しなくても良いのでしょうか?
家族と視力

 

 

 

 

 

 

 

視力は、年齢に関係なく確保することが必要とされます。
物を見ることによって、脳に刺激を与えます。
そうすることで、脳の活性化にもつながります。
年をとっていても、物をしっかりとした視界で
見ることは、結果的にアンチエイジングにもつながります。

年をとると、老化現象の1つとしてほぼ全員に白内障が
発症すると言われますが、
ずっと曇った視界でいるより
今は日帰り手術などもありますので
早めに視力回復をはかる。
というのは有効な手段としておススメします。

また、度の極めて合っていない眼鏡やコンタクトレンズ。
これらも調整して、すっきりとした視界を手に入れましょう。

目が痛かったら、コンタクトレンズは外してください。

目が痛い・・・

真っ赤に充血して、受付に駆け込んできた患者さん。
結膜炎

 

 

 

 

お話を伺うと、昨日から充血していて、さらに痛みもあり。
そんな時に
「コンタクト入れちゃってますが、大丈夫ですか?」

との質問を受けました。

 

・・・ここで、思い直して頂きたいのですが
目が痛いのになぜ、コンタクトレンズを着けてしまうのでしょう??

すぐにでも外して頂きたいのは山々ですが
万が一、ウィルス性の結膜炎で充血していたりなどもありますので、
院内ではむやみに外すことは、行っていません。

 

「メガネはお持ちなのか?」ということをお聞きすると
度が合っていない、とか壊れてしまっている。
という悲しいお答えをもらってしまうことがあります。

 

強い度数になればなるほど
こういった時にメガネは必需品です。

コンタクトレンズを入れないと見えない・・
というお気持ちは分かりますが
その前に ”目” そのものが耐えられなくなってしまう
かもしれません。

 

当たり前のことですが
目が痛い時は、コンタクトレンズは無理に着けないようにしましょう!

市販薬と病院でもらう処方薬の違い。

病院で先生の診断を受けずとも、
薬局薬店で、目薬を買うことができます。

何に効く目薬なのかは、パッケージなどに
「ものもらい用」「かゆみどめ」などと
大きく記載されているので
大体の見当はつきます。

購入して点眼をしていれば、大抵の場合は
良くなってきます。

では、先生の診察を受けて処方される目薬と
市販薬では何が違うのでしょうか?

先生の診察を受けた処方薬は、
1つの目薬が、1つの役割を果たします。
例えば、炎症を抑える目薬なら、炎症を抑える作用だけの
効果がでます。

なので、必要な薬の成分を、必要な量だけ点眼することができます。

比べて市販薬だと、メインで入っている薬の成分の他に
様々な成分が混ざっています。

1つの点眼薬で例えば
「殺菌」「炎症止め」など、複数の効果を発揮するようになっています。

これなら、市販薬のほうが便利なのでは?!と
思えてしまいますが、
薬を投与するにあたって大切なのは
必要な薬の成分を、必要な量だけ点眼する
という点にあります。

「殺菌」作用だけで十分なところに、
余分な薬の成分をむやみに投与するのは
あまりおススメできるものではありません。

また、先生から出る処方薬には
防腐剤などの成分も入っていません。

目にとっては、それだけでも余計な負担がかからずに済みますね!

市販の目薬も、病院がお休みのときなど、
大変助かるときもありますから、
ケースに応じて使い分けると良いでしょう。

コンタクトレンズは、是非、こすって洗って下さい。

コンタクトレンズの洗浄に、【こすり洗い】

これ、しっかりと行っていますか?

オプティフリーやレニュー、コンプリートなどをはじめとした
マルチパーパスソリューションは、
洗浄の際にこすり洗いが義務づけられています。

しかし、いままでこすり洗い不要!!を謳っていた
「ファーストケア」・「クリアケア」・「コンセプト」などの商品が
こすり洗いを【プラス】するように
取り扱い説明書の表記を変えてきています。

 

「必ず」ではないが、こすり洗いを加えるとより快適に使えますよ!!というニュアンスです。

 

これは、眼科側からすると、大推奨したい使い方です。

是非とも、どんな洗浄剤でも
コンタクトレンズをこすり洗いしてあげて下さい。

つけ置き洗浄は、消毒力の高さへの評価は極めて高いものがありますが、
こすり洗いをして落とす、『洗浄』の効果は
プラスαが欲しいところでした。

商品によっては、付属の保存液などを別購入しなくてはならないケースも
ありますが、目の健康を守るための投資と
考えてみてはいかがでしょうか。

乱視でもないのに、物が2重に見える。

【物が2重に見える】

こんな症状があったら、ほとんどの方が

『乱視』

を疑うのではないでしょうか?

確かに、この物が2重・3重に見えるというのは乱視を持っている方の見え方の1つです。まずは、お持ちのメガネを調整して見えるようになるか試してみましょう!

しかし、単純に乱視の度数を入れて矯正しても物がダブって見える症状が変わらないというケースもあります。

もし、ご年齢が50歳以上ならこういった場合、高い確率で『白内障』が疑われます。乱視の症状だけであれば、メガネを調整すれば見えるようになりますが、白内障の場合は、目の中にある「レンズ(水晶体)」そのものが白く濁ってしまい、物を見えにくくしています。この場合、いくらメガネの乱視度数を調整しても、変化はありません。(他にも斜視の出現があったりなど、様々な原因が考えられます)

日常生活に支障が出るようなら、白内障の手術を勧められると思います。視界を常に正常に保つことで、老後の生活も楽しいものになります。見え方に異常を感じたら、先生にまずは診てもらいましょう!